女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

シネマ365日

2013年10月9日

キット・キトリッジ/アメリカン・ガール・ミステリー (2008年 家族映画)

Pocket
LINEで送る

監督 パトリシア・ロゼマ
出演 アビゲイル・ブレスリン/ジュリア・オーモンド/クリス・オドネル

家族向け太鼓判の映画

 「月の瞳」「私は人魚の歌を聞いた」のパトリシア・ロゼマ監督が、ふ~ん、なんだろ、このディズニーみたいな映画は。先祖還りか。アビゲイル・ブレスリンが12歳のときの出演。彼女は「リトル・ミス・サンシャイン」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたのが10歳11カ月。史上4番目の若さだったってよ。オスカー年少組とでもいうのをあげるなら、助演女優賞の最年少受賞がティータム・オニールの10歳3カ月(「ペーパー・ムーン」)。2番目がメアリー・バダムの10歳4カ月(「アラバマ物語」)、3番目がクイン・カミングスの10歳6カ月(「グッバイ・ガール」)▼明るくさわやかなファミリー映画です。文句のつけようのない完全予定調和の世界ですね。ときは1934年世界恐慌の時代。オハイオ州シンシナティに住む少女一家。娘のキトリッジ(アビゲイル・ブレスリン)母親マーガレット(ジュリア・オーモン)、父親のジャック(クリス・オドネル)。父が職を失い、シカゴに職探しに行くことになる。留守のあいだ母親は家計の足しに下宿人を置くことにする。集まった下宿人が手品師にその相棒、移動図書館を運転するが車をぶつけてばかりいるボンド夫人。夫がニューヨークに単身赴任して便りのないことが不安なハワード夫人、ダンサーのメイ▼住民たちは付近の森にすむホーボーたちを危険視していたが、キトリッジ一家は彼らにやさしかった。ホーボーとは貨物列車に無賃乗車して食べ物にありつけそうな町で降り、一定期間そこで仕事してまた移動するホームレスである。ホーボーのウィルは小さな相棒とキトリッジ家を訪ね、仕事させてほしいと頼む。ウィルは20歳前後だろう、身なりこそ貧しいが態度物腰に気品があり、言葉遣いをきいただけできちんと教育を受けた青年であることがマーガレット夫人にはわかる。マーガレットは仕事をみつけておくから明日来るように言い、お腹をすかせているにちがいない二人にサンドイッチを持っていくようにすすめる。仕事していないからもらうわけにはいかないというウィルに「前払いよ」。町の食堂では解雇された人たちのために無料スープの支給があり、暗い顔をした男女が黙々と並んでいる。キトリッジは10歳だが将来は新聞記者になる夢がある。彼女は早速「10歳の少女がみた恐慌」というルポを書き上げ、兄が紹介してくれた新聞社に持ち込む▼キトリッジのクラスでは生活費のため「卵を売る」家庭が続出する。「卵を売る」とは貧乏の代名詞らしい。お前の家はついに「卵を売るようになった」とイジメにあう子供たちもいた。キトリッジは不安になって「うちも卵を売るようになるの?」と母親にきくが「大丈夫よ、今のところは」と母は言ったものの…そのうち町では強盗が多発するようになった。人々はホーボーのしわざに違いないと噂する。キトリッジの家が強盗にあった。母親が下宿人から預かった貴重品と現金がごっそりやられたのだ。ホーボーのウィルが疑われたが、キトリッジも母親もウィルではないと確信する。ではだれが。キトリッジは仲間といっしょにウィルの疑いを晴らそうと犯人の手がかりを探す。退屈しそうになるとうまいことシーンが変わっていくのは、やっぱり凡庸な監督ではないのでしょう。とにかく愛くるしい映画だからまちがいありませんです▼ところでこの人。母親になったジュリア・オーモンド。珍しいですね。「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」でブラッド・ピットと共演、「トゥルー・ナイト」ではリチャード・ギア、「サブリナ」ではハリソン・フォード。これが大コケでしばらく鳴かず飛ばずだった。いまさら言っても仕方ないけど、リメークできる映画かどうかは慎重に判断すべきだと思うよ。「サブリナ」ってオードリー・ヘプバーンね。ヘプバーンはこれといった個性的な女優ではないという見方もあるけど、そうかな。透明感だけならそのへんの女優にもあるけど、それを武器にも凶器にもできたのはヘプバーンだけだ。相手にするとガラスの天井にぶつかって墜落する鳥みたいになっちゃうことを知っておくべきだった。オーモンドはその後ガラッとちがったイメージで女優の道を探った。「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」とか本作の母親役とか。これがよかった。新しいところでは「マリリン7日間の恋」でヴィヴィアン・リーに扮しました。もうひとり女詐欺師になったジョーン・キューザック。ジョン・キューザック(まぎらわしい名前。「アドルフの画集」「真夜中のサバナ」など)の姉です。大きな目と長い顔。背も高く堂々たる体格でとぼけた役を軽妙にこなす。「イン・アウト」で彼女はアカデミー女優助演賞にノミネート。本作では運転すれば必ず車をぶつける超天然のボンド夫人を、しゃあしゃあと演じています。

Pocket
LINEで送る