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特集「ディーバ(大女優)」

2013年10月13日

特集ディーバ(大女優) グレン・クローズ 白と黒のナイフ (1985年 法廷映画)

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監督 リチャード・マーカンド
出演 グレン・クローズ/ジェフ・ブリッジス/ロバート・ロッジア

あぶない女 

 「ダメージ」シリーズで知っているグレン・クローズから思うと、想像もつかない可愛い弁護士ですね。依頼人と愛しあってしまうなんて(プッ。冗談だろ)といいたいことを平気でやります。相手役がジェフ・ブリッジス。嵐の夜セレブの別荘で夫人がなにものかに惨殺される。メイドもいっしょに殺される。夫人の実家は新聞社のオーナー。何十億という遺産はすべて夫のジャックにいく。これはてっきり相続を狙った亭主の仕業だ、しかもジャックは帰宅したところを犯人に頭を殴られ現場で気を失っていた。ちぇッ、みえすいた芝居をしやがって…刑事たちは鼻息も荒くジャックをしょっぴく▼ジャックは無実を主張、敏腕女性弁護士テディ(グレン・クローズ)を雇った。テディは元検事補だ。彼女が逮捕した犯人が刑務所で自殺した、しかも上司が無罪の証拠を隠滅していたことが判明し、無実の人間を死においやった苦い経験から辞職、弁護士に転向した。今回の事件の検察側の担当検事はその元上司。テディは昔なじみの探偵サム(ロバート・ロッジア)の協力を得て弁護を引き受けた。因縁の対決である。ジャックは保釈金を積んで釈放。テディを別荘に招き乗馬を楽しんだり、上等のワインを飲んだり、だんだんムードが盛り上がってくる。検察があげた証拠を腕利きのサムがひっくり返す。テンポがよくてなかなか快調です。テディの事務所には「ジャックは無罪だ」という差出人不明の手紙が舞い込む。テディとジャックは依頼人と弁護士という一線を超えて深い仲になる。ジャックが隠していた愛人の存在が明らかになりテディは依頼人のウソにショックを受ける、などとまあいろいろ目先を変える出し物が現れて、退屈はしませんがなにしろ犯人に該当する登場人物といえばグレン・クローズとジェフ・ブリッジスのふたりでしょ。汚い手を使う検事も憎まれ役であるが犯人役にはなれない▼それをひっぱっていくのは、もちろん主役の二人、といいたいが薬味の効いた役柄と演技にぜひこの人をあげたい。探偵サムを演じるロバート・ロッジアだ。じつに味がある。テディの右腕でいくつもの事件をいっしょにやってきた。なんとなく「ダメージ」のトムを連想させますがトムよりもっと世間ヅレしていて、犯罪の灰汁にどっぷり漬かり、青臭い正義感をふりまわしはしないが、弁護士が依って立たねばならぬ法の立ち位置をも踏み外しはしない。サムは独特のカンで「まちがいない、犯人はジャックだ」と断言するが、すっかり男にのめり込んだテディはあっさり退ける。サムは(これだから女はしょうがない)…でも仕方ない、テディが無罪だというのだからそっちの線で動かなくちゃ。このへんの彼のいい加減さというか、懐の深さというか、サムにとっては「よき友」でもあり大好きな気の合う女でもあるテディを助けるのが目的であるから、ジャックはどっちでもいいのである。そういう骨の太い男の体臭がよくでている。サムがある夜情報をもってテディの家にきた。調査に行き詰ったテディが階段にしゃがみこんで頭をかかえている。サムがびっくりし「どうした。そんな暗いところでオナニーでもしてるのかよ」荒っぽくて情のある、そんな台詞がとてもよく似合うのだ。彼はバリバリのニューヨーカー。1950年代からブロードウェイで活動をはじめ60年以上のキャリアをもつベテランだ。犯人? もうわかっちゃったでしょ。グレン・クローズ38歳。彼女にたちこめる「あぶない女」の匂いがどことなく感じられる映画です。この2年後に「危険な情事」が待っていました。

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