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特集「ディーバ(大女優)」

2013年10月15日

特集ディーバ(大女優) グレン・クローズ ナチュラル (1984年 スポーツ映画)

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監督 バリー・レヴィンソン
出演 ロバート・レッドフォード/グレン・クローズ/キム・ベイシンガー/バーバラ・ハーシー

オカルトか、メルヘンか

 どう考えてもこの映画でいちばんトクしたのはグレン・クローズですよ。ズーッと昔にみたときは、ロバート・レッドフォードがやたらカッコよかったけど、いま見ると「ディズニー」顔負けのメルヘンよね。本物の男がこの映画をみてぐっと胸にせまるなにかがあるだろうか? なんて聞くだけヤボだわ。とにかく順を追って書くとこういう話なのよ▼ネブラスカの田舎で父親に野球を教えられた天才児ロイ(ロバート・レッドフォード)は20歳。将来を誓い合った幼馴染アイリス(グレン・クローズ)を残してスカウトマン、サムとシカゴに向かった。車中で強打者ウォンボルト、記者のマックス、謎の美女ハリエッタ(バーバラ・ハーシー)に会った。ロイはハリエッタにのぼせあがる。サムはウォンボルトに賭けをもちかけ、ロイは強打者を三球三振にうちとる。ハリエッタはシカゴ到着後ロイのホテルを探し当て、電話で会おうともちかける。ロイは即OK。ドアをあけて入ってきたハリエッタは「プロ入りしたら記録という記録を塗り替える」と豪語するロイに、いきなり(これでもくらえ)とばかり発砲する▼それがもとでロイは数年間病院暮らし(これも大げさすぎる)のあげく、16年間各地を放浪し35歳にして最下位球団ニューヨーク・ナイツのベンチに入る。こわもての監督にさんざんイヤミをいわれながら、チームメイトの急死というハプニングで(ピンピンしていた選手が外野フライを追ってフェンスに衝突、命を落とした。不思議だ)出場の機会をえたロイは、ガンガン撃ちまくりナイツの救世主。球団は勝ちまくり優勝をめざすまでになる。ここで登場するのが監督の姪メモ(キム・ベイシンガー)。野球賭博でナイツが優勝しないほうに賭けている球団オーナーやマックスの手先となってロイに近づき色仕掛けでメロメロにする。ロイの打率はたちまちどん底。それでもメモと遊びまわるのはやめない。故郷ではロイのスランプを知ったアイリスが取るのも取り敢えず球場に走る。ロイの打席が回ってきたとき夢中でたちあがりロイを見つめる。すると、なんだ、なんだ。アイリスの後から後光がさしまるでテレパシーのようにロイはふりむき「?」いぶかりながらその打席で特大ホームラン▼つまりロイという男は女で失敗し、16年もかかって再起のチャンスを得たときまた女で失敗するのだ。懲りない人ですねー。それになんで彼の打つホームランは場外とかスコアボード直撃とか、バットに当たったら球の芯までぼろぼろするパワーだとか、オカルトがかっているのよ。登場する女たちは図式みたいなアゲマンとサゲマン。ハリエッタの正体は有名スポーツ選手だけを狙う連続殺人犯で、ロイを撃ったあと自殺したのですって。どう考えても必然性のない話が大まじめに挿入されるのだ。優勝にあと一勝というときロイは腹痛で気を失い、救急病院で開腹手術を受け16年前の鉛の銃弾をお腹から摘出した。16年間異常なしでこんなときに出てくるか。銃弾を腹に忘れて数年間も患者を入院させておく病院ってあるのか。とっくにハライタ起こすだろ。ああもう、わからんことばっかりだなこの映画は▼キム・ベイシンガーの役柄も、ほとんど荒唐無稽である。ロイは入団するとき「お前は不要だ」と言った監督に「おれは16年間かかってこのチャンスをつかんだのだ。冗談じゃない」と啖呵をきるのである。女に鼻の下をのばして失敗した男が啖呵をきって職場復帰、その舌の根もかわかぬうちにまたもや女に狂うのだ。オトナはもはやついていけない映画になっています。ということで、この映画のなかでもっとも無理のない存在を演じてアカデミー助演女優賞候補となったグレン・クローズが、やたらまともにみえました。

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