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特集「ディーバ(大女優)」

2013年10月19日

特集ディーバ(大女優) グレン・クローズ 102 (2001年 コメディ映画)

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監督 ケヴィン・リマ
出演 グレン・クローズ/ジェラール・ドパルデュー

裁判くらいしてやれよ 

 すべて二番煎じでした。一作目の迫力もファンタジーもなかった。グレン・クローズのドタバタはよいとしても、フランス映画界からジェラール・ドパルデューが出演して、笑わせようと涙ぐましいまでに努力している。くだらない役を引き受けたばかりに、失笑ものですね。それといちばんおかしいのはつぎのことです▼ダルメシアンを盗みその革でコートをつくろうとたくらんだクルエラ(グレン・クローズ)は、刑務所でパヴロフ博士の行動制御療法を受け、生まれ変わり模範囚となって仮出所した。しかし博士の療法には致命的な欠陥があり、鐘の音をきくと患者はもとの精神状態と行動にもどるのだ。博士はそれを知ってしまったものだから部下に「他言無用」と口止めする。なにも知らないクルエラはビッグ・ベンの鐘をきき、昔の彼女に戻ってしまった。悪夢はよみがえった。裁判所が申し渡すには彼女が仮出所中同じことをやると財産は没収、その総額800万ポンドは、彼女が居住する地域半径何キロ以内の動物保護団体に、均等割で寄付されることになる。映画ではクルエラが悪事をくりかえしましたから、莫大な財産は本作で主人公をつとめるイワンとクロエが運営する保護施設に貰い受けることになる(こういう映画ですからごちゃごちゃ屁理屈こねず楽しめばいいのだ、とは思いますが)いちばんの失敗は刑務所の医療施設で治療にあたった博士の欠陥療法でしょう。当人も失敗がわかっていて口をぬぐっている。クルエラは完治したと信じ、裁判所もそれを認めて仮出所させたのですね。ロンドンで人生再起のため生まれかわったクルエラが鐘の音で狂ったからって彼女のせいか。そのあげく彼女の個人資産を没収するなんて、いくら映画を面白くするためとはいえ、ちょっといきすぎじゃないの? 原因をつくった博士や刑務所の責任者やそれにハンコおしてOKだした判事らはどうなのだよ。主人公ふたりは「クルエラの居住地域にある動物保護施設といえばぼくらのとこ、一箇所だけだよ」なんて800万ドルが転がり込むことをはやばや期待して現にその通りになった。なんとなく後味が悪くて彼らの幸運を素直に喜ぶ気になれなかった。やらずぼったくりってこいつらのことじゃないのか▼堅いことをいうなというなら目をつぶろう。でもこの件についてはどうなのだろう。本作の目玉は黒い斑点のないダルメシアンの子犬のはずが全然活躍しない。犬や動物がそもそもまともな役を与えられていない。子犬がいなくなってパパ犬が遠吠えして危機を知らせ、それに呼応して犬たちが集まるのも前作通りだがプロセスが平板でひとつもドラマティックじゃない。人間の言葉をしゃべるオウムだかインコだかがバタバタするが、いかんせん鳥一羽では質量不足。クルエラの相方に扮した毛皮商人のルペル(ジェラール・ドパルデュー)は元イタチの密猟者だ。大きなドン柄であちこち現れるだけで、肝心の実務(子犬を盗むこと)はクルエラの召使任せ。これじゃドュパルデューも型なしだわね。これら二作「101」と「102」はダルメシアンが映画のシンボルになっていたはずだ。白いボディに黒いスポット。小さなアタマ、フェルトのような柔らかい大きな耳、細く長い脚、そしてしなやかな胴体にパワーあふれる高速の走り。そんなダルメシアンの魅力を「101」でふんだんにみせたのが成功の要因だった▼しかるに「102」ではどこにそれがある。そもそもダルメシアンよりほかの犬の数のほうが多いのじゃないの? 数のこわさを知らないのねこの監督ら。怒涛のように雪原を走破するダルメシアン群の前作の迫力なんて探してもなかったわ。クルエラも相変わらずどろどろにやられ、最後は巨大ケーキの姿でパトカーに連行される。グレンよ、あなたも少しは作品を選べ。せめてちゃんと裁判してやるのかと思ったら、いきなり800万ポンドの小切手もらってカップルが大はしゃぎしている。繊細さが全然ありません。ザツというしかない。

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