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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2013年12月1日

特集 LGBT-映画にみるゲイ 嫉妬(2012年 ゲイ映画)

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監督 ヴィルジニー・デパント
出演 エマニュエル・ベアール/ベアトリス・ダル

青春の積み残し 

 「ベーゼ・モア」のヴィルジニー・デパント監督ですね。15歳のとき彼女は実際に精神病院に収容されたことがある。元パンク少女だった監督の自伝的要素が濃い。10代のとき精神病院で出会い、恋人同士となったパンクな少女ふたりが20年のときをへて再会する、というのが本作の出だしです。フランセス(エマニュエル・ベアール)は人気キャスターとしてキャリアを築き作家の夫と幸福に暮らす。夫も妻も短期間割りきってつきあうゲイの相手がいる。つまり彼等はヘテロを装う仮面夫婦を演じて生活している。同性愛を隠し社会的成功をおさめていたフランセスがついに「おまえらの知ったことかよ」ラストで爆発する。引鉄(ひきがね)になったのはもちろんかつての恋人グロリア(ベアトリス・ダル)だ▼グロリアが勝手気ままなその日暮らしをしている田舎町にフランセスが訪れる。グロリアは(なんだ、今さら)と剣呑な顔。というのもこのふたり、精神病院を退院してから何度か別れたりくっついたりを繰り返し、最終的に「一時の情熱で未来をフイにすることはできないわ、さよなら」つれないフランセスからの別れの手紙がグロリアに届いて関係は終わった。フランセスはいいところのお嬢さんでいい学校に進学し、一時の迷いはあってもいつまでも(あんなやつとつきあっておれるかい)って感じだったのね。グロリアはそれを根にもち(なによ、別れてせいせいしているときに、未練がましくよりをもどしにきたのはお前のほうだろ)と言いたい。だから20年ぶりにフランセスが会いに来たといっても「悪魔よ、退け」とか「罠の匂いがする」とかいって心を許さない。なんか知らんがフランセスはグロリアが恋しいのだ。結局フランセスは強引な押しで(細身のベアールの積極的なこと)グロリアを口説き落とし、パリにもどっていっしょに暮らすことになる▼グロリアが舞い込んでから、フランセスの夫クロードはすっかり執筆のリズムが狂ってしまった。家の中はまるでゴミ箱、フロアの一画にはクズ鉄でつくったグロリアの小屋ができた。しかめ面のクロードに「彼女の個室」なのだとフランセスはいう。なんでもグロリアのいうことをきいてやるのだ。夜中の騒音や昼間のロックで、クロードは気が狂いそうになる。グロリアはフランセスにほだされて田舎をでたもののなんにも充実感がない。田舎の男や女と大笑いしながら夜明けまで騒いでいたバカもできなくなった。ひきかえフランセスはいまや飛ぶ鳥落とすテレビ業界の売れっ子である▼粗筋としてはありふれています。フランセスは足をひっぱる性悪ライバルにかかって番組を外される。20年の年月はグロリアとのあいだにみえない溝をつくっており、ケンカのあけくれで別れ話になる。いい年をした女ふたりがいつまでも青春物語をやっているところに抵抗はあるが、ラブシーンはそんな過激ではないし、回想シーンに登場する少女ふたりが可愛らしくて嫌味がなく、映画自体はさばさばしてそう退屈でもない。帰郷のため空港にむかったグロリアは、途中でフランセスの降板を知る。グロリアはその場で∪ターン。フランセスはいかにグロリアが自分を愛していたかを知り、そんな彼女をちょっと変わり者だからと、人前にだすのを恥ずかしがってきたことに胸が痛くなった。フランセスはグロリアなしにやっていけない。クロードだけがそれに気づいていた。フランセスはもうどう思われてもいいから彼女といっしょにいたい、自分には青春の積み残しがある。でもそのまえにこれだけはやってやる。テレビ局に入ったフランセスはトップの座を奪って笑顔満開のライバル女を殴り倒し、陰謀の片棒をかついだディレクターを叩きのめす。暴行と傷害で連行されたフランセスにクロードは保釈金を積む。顔にアザをつくったフランセスが警察から出てくる。迎えにきたクロードは「ほら行ってやれよ」そうグロリアを促す▼エマニュエル・ベアールとベアトリス・ダルはほぼ同い年だ。49歳と48歳である。しかしだな…ベアールが体型その他「見た目」をしっかりキープしているのに比べ、ベアトリス・ダルの変わりようは上に「激」の字がつく。「どすこい、ダル関」といまにも四股をふみそうな体型なのだ。いい女優なのに、ちょっと残念だったな。

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