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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2013年12月11日

特集 LGBT-映画にみるゲイ フィリップ、きみを愛してる!(2009年 ゲイ映画)

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監督 グレン・フィカーラ/ジョン・レクア
出演 ジム・キャリー/ユアン・マクレガー

ありえないような愛 

 やられた~。詐欺系でいえば「スティング」以来のどんでん返しだな。いまいましいくらい笑える。IQ169の天才詐欺師スティーブ・ラッセルにジム・キャリー、彼の恋人フィリップにユアン・マクレガー。フィリップへの愛と献身を実現するため、ありとあらゆる詐欺と脱獄を繰り返した男の実話です。グレン・フィカーラとジョン・レクアは「キャッツ&ドッグス」の脚本、「ラブ・アゲイン」の監督、「がんばれベアーズ! ニュー・シーズン」の脚本などでタッグを組んできたツーカーの相棒同士だ。ジム・キャリーの見ようによってはゾッとする顔貌と、金髪碧眼のユアン・マクレガーがテンポの良いシーンの転換に乗ってぐいぐい引っ張っていく▼スティーブは子供のころ自分が養子だと告げられ、実母を探すため警察なら情報を得やすいだろうと警官になった。小さな町でまじめに警官を勤めた。妻と娘に恵まれ平和な毎日を送る。ある日交通事故にあい九死に一生を得た。それを期にスティーブは自分に正直に生きることを決意する。すなわちゲイとして生きることを。妻に打ち明けたスティーブはフロリダに引越し、恋人のロドリゴと毎日豪遊。そんな生活を維持する莫大な経費に行き詰まる。スティーブンは思いつく限りの詐欺をやり、訴訟沙汰を起こしては示談金をまきあげ、だましの手口をくりひろげるがついに御用。刑務所で出会ったのがフィリップだった。もの静かで内気でハンサムでキュートなフィリップにスティーブは一目惚れ。さっそく自らを弁護士と偽り積極的なアタックにでる。最初は警戒していたフィリップだが、法律を駆使するスティーブの博学と情熱にほだされる。スティーブの刑務所内の情報網は完璧で、たいていのことは調整可能だ。別棟に離れ離れになったはずなのにいつのまにかスティーブはフィリップと同じ房に入れることになったり、フィリップが嫌いだという男がなぜかある日ボコボコにやられたり、彼には人をその気にさせる不思議な才能があり、それを詐欺にばかり使っているのだった▼スティーブの移送が決まった。スティーブは護送車の中から自分を追いかけてくる恋人に「フィリップ、君を愛している」と叫ぶ。3カ月後釈放されたスティーブは弁護士になりすまし、フィリップの刑を短縮させ出所させる。そしてふたりだけの蜜月の生活。フィリップはスティーブを無敵の弁護士だと信じて疑わない。そんなフィリップを幸福にするには詐欺師ではなく、ほんとうの職業が必要だ。彼は履歴書に細工し大企業の財務担当役員に採用される。スティーブはIQ169をいかんなく発揮、見事な手腕で社長の信頼を得て「仕事のできる男」ナンバー1になる。ところが天才的IQが裏目に。だんだん仕事が退屈に、同僚がアホにみえてきた彼は難なく資金を横領、莫大な裏金で高価な車、豪邸を購入、とめどなくフィリップとの「愛の暮らし」につぎ込む。フィリップは普通ではないスティーブの金遣いに不安になる。とうとうフィリップは自分が詐欺師にだまされていたことを知り家を去る▼化けの皮がはがれたスティーブは刑務所へ。フィリップも共犯で逮捕。刑務所内でスティーブはエイズを発症。骨と皮になってやせ衰え病院で意識をなくす。医師は時間の問題だと匙を投げた。フィリップは病院に電話をかけつづけ、根負けした看護師がスティーブの耳元に受話器を当てる。そこからフィリップの声が聞こえた。「とにかく話したくて電話した。伝えておきたいんだ。時々君がわからないけどやっぱり愛している。ずっと愛している。僕たちは愛の道化だね。ありえないような愛の。でも君とならそれもアリだ。君の大暴走もすべてぼくのため、ぼくらのためだった。驚くべきやつだ、君は凄すぎる。いまそばにいられなくても僕は君のものだ。永遠にね。これでいいんだ、僕はそこにいる、いいね」横たわったまま宙を見ているスティーブの目から涙が流れた。そのすぐあとフィリップは病院からスティーブの処置がすんだ連絡を受ける。泣き崩れるフィリップに係員が「君の弁護士が面会にきている」と告げた…▼以後の前後関係をはぶいて(でもそこがいちばん面白いのだが)スティーブの最後のセリフだけ書いておこう。「すべて君にあうためだ、フィリップ。ただ君と話をしたかった。やり直そうとは言わない。確かにウソばかりだった。でもウソの下にいつも真実があった。君は言ったろう。おれがわからないと。おれもそうだった、でも今は自分がわかる。警官や役員や弁護士じゃない。脱獄名人でもない。そんなおれは死んだ。今はただ君を愛する男だ。そう見えたら信じてくれ。二度と別の者にはならないことを約束する」「うそじゃないっていう証拠は」「…ない」スティーブはフィリップ釈放を画策した罪で逮捕、テキサス州の知事はほとほとこまりはて彼に終身刑を言い渡した。その後フィリップは2000年に釈放、スティーブは一日23時間の拘束と1時間の監視下でシャワーと運動が許可され現在服役中。

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