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シネマ365日

2014年1月1日

特集「初笑い」 Gガール破壊的な彼女 (2006年 コメディ映画)

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監督 アイヴァン・ライトマン
出演 ユマ・サーマン/ルーク・ウィルソン/アンナ・ファリス

女子受けするスーパーガール 

 あけましておめでとうございます。おかげさまで「シネマ365日」は3年目を迎えました。なにはともあれまずは初笑いといきたいですね。元旦の当欄は笑いの詩人アイヴァン・ライトマン監督で「Gガール 破壊的な彼女」です。「アニマル・ハウス」(1978)で注目を集めたのが32歳のとき。以後「ゴーストバスターズ1・2」ではおばけ退治ビジネスというトボけた切り口で映画ファンを湧かせ、「ベートーベン」ではセントバーナードが主役、と思うと「夜霧のマンハッタン」をロバート・レッドフォード中期の代表作にする、いちばん新しいところでは「ヒッチコック」の製作など、映画作りの技は縦横無尽。本作のセンスもこなれています。復讐に燃える女殺し屋、不倫に走るギタリストの妻などを演じてきたユマ・サーマンは181センチの長身にスレンダーな肢体、ユニ的クールな容貌からガラッと変身。ふだんは茶髪に大きなフチのメガネをかけ、おとなしく仕事をしているが、一朝ことあればだれよりも早く現場にかけつけ、だれよりも早く被災者を救助し、だれよりも早く去るスーパーマン女子版で暴れまわる。ところがこのヒロイン、正義感は抜群だが男の趣味はイマイチで、頼りない男に惚れ、惚れたと思ったら独占欲丸出し、万能の超人ウーマンだから人間社会の「我慢」とか「忍耐」とかを経験したことがない。男を独り占めにし、嫉妬深く、驚異的なパワフルなセックス。ベッドの激震で壁は壊す、天井は破る、男はしまいに肉体の滅亡を予感し別れようと決心するが許されるはずがない、という傍若無人ぶりが笑わせてくれるのです▼いたるところに笑いのピースが嵌めこまれています。ユマ・サーマンがカマトトもいいところのコスプレまで披露。意味? 意味なんかどうでもいいのだという気にさせてくれるところがうれしい。この過激な女が切れるとなにをするか。当然のことながらわれわれ人間には想像がつきません。恋人を嫉妬するあまり窓からドカーンと生きたサメを投げ込むのです。それがまた〈ジョーズ〉級ですよ。口を開け閉めするたびのこぎりみたいな歯がギラギラ。どうやってこの巨大なサメを窓から、なんて疑うも愚か、彼女の怪力は車を小指で持ち上げ傾いたビルを片手で直し、めざわりな男数人をまとめてポイと掃き出すことなどホンの朝飯前。ふう~と息を吸い込むだけでニューヨークのビルの火災を消しちゃうのだ。こんな女に惚れられた男こそ災難というべきでした。正義の味方は品行方正、人格高潔にきまっているという清く正しいイメージを、監督はわがままいっぱい、自然児のようなGガールにぶっ壊させました。ユマ・サーマンは持ち前の一見無表情な顔を、目を見開いたりすぼめたり、ぱっくり口を開けたりしながらけっこう楽しそうです▼さて粗筋です。ここはニューヨーク。市民は災害から街を救い、犯罪から人々を守るGガール(ユマ・サーマン=Gはなんだろ、グレイトのGか)の活躍に湧いています。おりしも銀行強盗を車ごと空中遊泳させ路上に叩きつけるといずこともなく消えた。しがないサラリーマンのマット(ルーク・ウィルソン)は、恋人にふられ傷心の日々。ともだちにけしかけられ地下鉄に乗り合わせた美女に声をかけるが「ノー」一言で終わり。その美女ジェニー(ユマ・サーマン、じつはGガール)が偶然路上でひったくりにあったところに居合わせたマットは、盗られたバッグを取り返したところから彼女をデートに誘うことに成功した。其の夜のうちにふたりはベッドイン。彼女のパワー全開のセックスにマットは驚倒する。激情家のジェニーの嫉妬深さにマットはおちおち会社の同僚ハンナとものもいっておれない。夜は夜でいまや拷問のようなセックス。マットは疲れ果て思いやりのあるハンナに心が惹かれる。それを黙ってみているジェニーではない。そこへジェニーの昔の男が、ジェニーがそもそもGガールのパワーを身につけた秘密を究明し、力を解体する装置を発明して舞い戻ってきた。簡単にいうとハンナまでGガールになっちゃうのです。な、なんと。ひとりでも持て余しているのに。女ふたりは激突し相手を倒そうと死力を尽くす。尽くすのだけどそこはそれ、アイヴァン・ライトマンです。女ふたりは手を握り、ともに悪と闘うことになりました。男たち? 昔の男も今の男も平和そのものね、なにしろ女たちが世界救済のためにとびまわっているのだから。女子受けする映画でしょうね。

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