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シネマ365日

2014年1月4日

特集「初笑い」 マダガスカル2 (2008年 アニメ映画)

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監督 エリック・ダーネル
声の出演 ベン・スティラー(アレックス)/クリス・ロック(マーティ)/グロリア(ジェイダ・ピンケット・スミス)/メルマン(デヴィッド・シュワイヤー)

 ニューヨークのセントラルパーク動物園から脱走したおなじみ四人(?)組。ライオンのアレックス、シマウマのマーティー、カバのグロリア、キリンのメルマンがマダガスカルに漂着、テロリスト集団のペンギンズが奪ってきた船に乗って、喜色満面故郷ニューヨークをめざし出航…するはずだった。ペンギンズの隊長ははしゃぐアレックスらに冷たい視線を投げかけ「船は燃料切れだよ」とつぶやいたところで前作は終わりました。だから彼らはまだマダガスカルにいます。ペンギンズが今度はオンボロ飛行機を修復して飛ばせようとしています。隊長の指示のもとみごとな技術力とチームワークをみせるペンギンズ4羽。隊長は典型的な独裁者タイプ。ライオンのアレックスさえアゴで使い、手先の器用なサルをおだてててきぱきと機材を組み立てさせます。島の王様、キツネザルのキング・ジュリアンとその城代家老モーリスも同乗した。轟音とともに離陸したつぎはぎだらけの飛行機はなぜか燃料切れになってアフリカ大陸に着陸する。いい映画(もちろんアニメも含め)って、文字や言葉を断固拒否する毅然としたところがあるのよね。どこがと言われても困るが、たとえば本作ではファーストシーンからわずか10分程度に登場する動物たちの一挙手一投足、身振り手振り、セリフの声のトーン、飛行機の離陸・着陸・操縦シーン、とくにペンギンズには笑いっぱなしなのだ。よそみもできない豪腕のアニメづくりだ▼アフリカのサバンナに着陸した4頭とペンギンズたちは初めて見るサバンナに驚愕する。燃える大地、はるかに雪をいただく山。数えきれないシマウマの群れ、フラミンゴのダンス、悠然と草を食むバファロー、小山が移動するようなゾウの大群、水量豊かな川辺に巨体を浸けているグロリアの仲間たち。どこにいても目立つ林のように長い首はキリンたち。さまざまな動物たちの生態を目の当たりにした4頭は懐かしい「既視感」(デジャブ)に陥る。かれらはみな〈ニューヨーカー〉だ。動物園で生まれ、動物園で育ったが、先祖から受け継いだ遺伝子が(彼らは仲間だ)と教えている。アレックスはちがった。彼は遠い記憶にアフリカがあった。生まれてすぐハンターにとらえられ、連れて行かれたところがニューヨークだったのだ。アレックスはかすかな記憶のなかからよみがえったアフリカの匂いにとまどう。デジャブだというグロリアたちに「そうじゃない、もっと意識の強い経験だ」と主張する。そこへ巨大な牡ライオンと牝ライオンが近づいてきた。牡ライオンは自分のてのひら(肉球)にあるアザをみせ、お前のてのひらにもあるはずだという。なんと、アレックスは両親にめぐりあった!▼さてここからが「マダガスカル2」の本番です。シマウマのマーティーはマーティーで複雑な気持ちに陥りましてね。そもそも彼は動物園脱走の主犯で、自由な大草原を夢見て脱出したわけ。夢がかないました。喜ぶべきなのにそうはならない。どっちをみても自分とまったく同じ模様のシマウマがひしめいて差異化がなされない。自分というアイデンティティの喪失を感じてしまう。キリンのメルマンは健康オタクである。動物園ではきっちりサプリをもらい、獣医の定期健診を受け、食事管理と衛生も万全の環境だった。ここには動物病院もなく獣医もおらず、体調や体重をととのえるサプリもなければダイエット食品もない。カバのグロリアは周囲をとりかこむ牡たちに刺激され、そろそろ自分も結婚しなくちゃ、という気になる。メルマンは実はグロリアが大好きだ。その彼女が「恋人がほしい」と言い出した。ライバルはひしめいている。繊細な神経のメルマンはうちひしがれ、ますます自分を病気だと思い込んだ。アレックスはアレックスで、父親のあとを継ぐにはライオン族が規定する相続のしきたりがある。それは仲間の牡一頭を選び、彼と対決して打ち負かさなければ仲間のなわばりから追放される。ひとことでいうとアフリカに不時着したとたん、彼らはウツ・恋わずらい・自信喪失・縄張り争いというトラブルに巻き込まれた。しかもペンギンズはテキトーに燃料を調達し、カジノでひともうけしてくるとモンテカルロに飛び立ったのだ。そこへ動物社会最大の危機が。命の源である水場がひあがってしまった。アレックスは水を引くために保護区の外に出て行く。キング・ジュリアンは水の神にささげる生贄を火山の頂上から火口に投げ込まねばならぬという。その御託宣になんと生きる気力をなくしたメルマンが「僕が飛び込む」と立候補したのだ。グロリアは「バカなこというものじゃないわ」と諌めるが「グロリア、ぼくが動物園で幸福だったのは行き届いた管理のおかげでも薬のせいでもない、君がいたからだ、君がぼくに生きる元気を与えてくれていたからだ」あれだけ気の弱かったメルマンが勇気をふりしぼって一世一代の告白をしたのだ。さあどうなる▼このあと「マダガスカル3」が製作されます。シリーズものというのは回を重ねるとたいていトーンダウンしていきますが、本シリーズは尻上がりに調子を出していく。主役4頭の声のチームワークもそのままです。なんでこの映画が6億ドルを稼ぐ映画ファンの支持を得るのか、見ておいて損はないですね。

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