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シネマ365日

2014年1月5日

特集「初笑い」 マダガスカル3 (2012年 アニメ映画)

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監督 エリック・ダーネル
声の出演 ベン・スティラー(アレックス)/クリス・ロック(マーティ)/グロリア(ジェイダ・ピンケット・スミス)/メルマン(デヴィッド・シュワイヤー)/フランシス・マグドーマン(デュボア警部)/ジア(ジェシカ・チャステイン)

ふんだんの笑い

 声の出演にフランシス・マグドーマンが加わりました。彼女の代表作はアカデミー主演女優賞をとった「ファーゴ」でしょうけど「スタンドアップ」もよかったな。シャーリーズ・セロン主演のセクハラ裁判で、工場の化学物質におかされ死の直前、車椅子で法廷に出て、たったひとつ動かせる指だけ使って証言するのよ。泣かせたわ。彼女の声のデュボア警部ときたらもうサイコー。この映画が面白いのはジョーズ並みの〈主役食い〉がそろったことね。おなじみペンギンズに、クマのソフィに恋するキツネザルのキング・ジュリアンもよかった。ヒョウのジアの声は「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインですよ。聞いただけで「ヤッホー」だろ▼さて本シリーズの舞台はニューヨークの動物園からアフリカのマダガスカルへ、アフリカから本作はヨーロッパ横断の旅に。4頭は故郷ニューヨークへの望郷の念断じがたく、ふりそそぐ困難に立ち向かうのですが…。物語にもその展開にもとにかく勢いがある。彼らが助ける羽目になったサーカス団を盛り返そうとみんなで案をだすときに「カナダのサーカス団はなぜ成功したか知っているか」「動物が出ていないからだ」「そうだ。おれたちだってそれでいこう。人間の出ないサーカス団をつくればどうだ」プーッ。いうまでもない「シルク・ド・ソレイユ」ですよね。極限の技とファンタジーで世界をとりこにしたサーカス。「マダガスカル」の4頭は大胆にも「ソレイユ」の向こうを張ろうと決めたのです。うわ~大好きだな~こんな連中▼帰国するためにはペンギンズの助けが必要だが、彼らはモンテカルロのカジノにいったきり帰ってこないのだ。「おれたち地球を半周してアフリカへ来たのだ。モンテカルロなんかちょろいものさ」でマダガスカルの海岸を後にしたライオンのアレックス、カバのグロリア、シマウマのマーティ、キリンのメルマンはモンテカルロ港に上陸、カジノに潜入したが…カジノで大騒動を巻き起こして4頭は警察に通報される。電話を受けたフランス動物管理局のデュボン警部は動物を剥製にするのが趣味。趣味というより虐待に近い。彼女が狙うのはライオンの頭だ。獲物として追跡された4頭は移動中のサーカス団にまぎれこむ。これがまた落ち目のサーカス団なのだ。昔大スターだったが炎の輪くぐりで失敗して以来世をすねたトラのビターリ、彼に自信をとりもどさせようと慰め励ます空中ブランのヒョウのジアと心やさしいアシカのステファノ。キツネザルのジュリアンはロシアから来たクマのソーニャに一目惚れした。赤字のサーカスを厄介払いしたかったオーナーは4頭にサーカスを譲り、いよいよ立て直しに着手したがトラのビターリが横を向いて参加しない。火の輪くぐりで自慢の毛皮をこがし、ごわごわになってから彼はすっかり弱気になってしまったのだ。アレックスは動物園で身につけたエステの知恵で、毛皮の潤滑油を使いツヤツヤにしてやる。美しくすべりのよくなった体にビターリは惚れぼれ。なんと極小の火の輪に挑戦するやみごとくぐりぬけたのだ。スターを取り戻したサーカス団はジアとアレックスの空中ブランコ、ステファノの、そしてジュリアンとソーニャの曲芸と、いまやアニマル・サーカス団は観衆を夢の世界に連れて行くのだった▼でもこの人はあきらめていない。地の果てまでデュボン警部は追いかけるのだ。彼女が劇中歌うシャンソンがピアフの「水に流して」。マリオン・コティヤールが「愛の讃歌」のラストに歌い上げましたね。渋面の強面で、悪女ヅラのデュボン警部に堂々と歌わせるシャンソンの名曲、心憎い演出でした。スピーディーでファンタジック、センスがよくて笑いっぱなし。大成功をおさめたサーカス団はニューヨークに凱旋します。4頭はついに故郷の動物園に帰ってきた。感無量で入り口のゲートにたつ4頭。でもまてよ、ちょっと違うぞ。アレックスが言う「なんだ、オレが立っていたのはこんなちっぽけな岩だったのか」みんながみたのは窮屈な檻に水たまりのようなプール、動物園から心ならずも脱出してアフリカの大自然と外の世界をみた彼らは幻滅する。毎日が刺激的で、新しい技を編み出そうと活力あふれていたサーカスの暮らしと仲間たちが恋しくなる…▼さてどうなるのでしょう。日本だけで20億円の興行収入だった本作。「3」をもって最終章となったのですが、これで終わるかな。ペンギンズの独立したシリーズもすでにありますしね。なにはともあれ冒険とファンタジーとふんだんの笑いをありがとう。ケチのつけようのない楽しさでした。

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