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シネマ365日

2014年1月7日

特集「初笑い」 アニマル・ハウス (1962年 コメディ映画)

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監督 ジョン・ランディス
出演 ジョン・ベルーシ/マーク・メトカーフ

「デルタ」は黙って倍返し 

 監督がジョン・ランディスで製作がアイヴァン・ライトマン。ライトマンが「ゴーストバスターズ」に先駆けて作った映画がこれ。ジョン・ランディスは本作のあと「ブルース・ブラザーズ」を撮っています。本作のどこを切っても笑いの遺伝子が脈打っています。ああだ、こうだという注釈は必要ない、流れに乗っかってどこまでも笑いとばそう。時代は1962年9月。アメリカ北東部にあるフェーバー大学に入学したラリーとケントは新入生を勧誘する友愛会、「オメガ」と「デルタ」を見学する。「オメガ」は格式高く品行方正、学力優秀な優等生が集まり、「デルタ」はその真逆。落第すれすれ、素行は札付き、毎晩のように呑んだくれ、大学の内でも外でも騒ぎを起こしている。学長いわく「水泳大会でプールに発泡スチロールを流し込み、同窓夕食会に解剖用死体を持込み、ハロウィーンには下着の花を咲かせ、春にはトイレを爆発させた」連中に怒髪天を衝く。おまけに市長は「あいつらがいる限り助成金を打ち切る」と脅しをかけてきた。ちなみに「アニマル・ハウス」とは市長が「デルタ」のことを「動物園」と呼んでいるからである。我慢も限界の学長は「今年こそやつらの急所をにぎって本学から蹴りだしてやる」と壊滅を決意。「オメガ」の知能派ニーダマイヤー(マーク・メトカーフ)に尖兵隊を命じた。ケントは兄が「デルタ」会員だったから自動的に会員に、ラリーは気位の高い「オメガ」の雰囲気が性に合わず、ふたりは「デルタ」に入会。これが地獄の一丁目である。乱痴気騒ぎで明け暮れる「デルタ」は「イタチ」「虫除け玉」「まだら馬」「ヒラメ」などのアダ名を新入生につけ「飲めや、歌え」で大歓迎。いっぽう「オメガ」は厳かな宣誓式を行い、新入生はお尻を丸出しにして竹でひっぱたかれ恭順の意志を確認されていた▼ニーダマイヤーのイジメにあった「ヒラメ」(ケント)は馬小屋の掃除と馬糞を前に腕立て伏せ20回。先輩たちが「うちのやつをいじめているぞ」そこでデルタの格言が言われる「男は怒らず黙って仕返し」。「オメガ」の代表グレッグはガールフレンドとデートのときも「デルタ」が気になってソノ気になれない。しまいに彼女は「まだ感じない? 手がくたびれてきたわ」「あいつらは女性の敵だ、とくにオッターのやつ」グレッグはヤケッパチになって敵方をののしる。勉強なんかしたことのない「デルタ」の面々は試験問題の原紙を盗んで試験を受かろうと画策したが、それを読んだ「オメガ」の秀才たちは原紙をすりかえてしまう。おかげで全員がゼロ点。学長は小躍りして彼らを呼び出し「成績劣悪のため放校」を言い渡す。おまけにオッターは「オメガ」のグレッグ率いる「ヒトラー青年隊」に襲われボコボコ。上級生たちは全員退学。「デルタ」は戦意を喪失し敗北を宣言した。ただひとりブルート(ジョン・ベルーシ)は「なにい。戦争は終わりだ。おれの大学の7年間は何だったのだ。デルタ精神はどこへ行った。おれに続け」ぶちあげるがだれも動かない。ブルートは負けていない。「おれはいやだ。我慢できねえ。お前ら気持ちひとつで最高になるのだぞ。ニーダマイヤーは死ね、学長も死ね」ブルートの雄叫びに俯いていた彼らの顔があがる。「そうだ、仕返ししなくちゃ」「意表を衝く作戦が必要だ」「バカ丸出しの俺たちならできる」出撃は市の祭典当日と決めた。大学を代表して威風堂々「オメガ」のメンバーが、制服に身を固め行進するパレードを横目に「デルタ」の作戦は着々遂行。どこからか横腹に「食べて」と描いたショートケーキの山車が現れパレードにまぎれこんだ…「デルタ」の面目発揮はここからである▼「デルタ」の目に余る行動というか、趣味の悪いところもあるのですけどね。たとえばニーダマイヤーが世話する白馬が空砲でショック死するとか、ガールフレンドが死んだとたん別の女子を口説く学生など、悪趣味としかいえないね。ラストはご念が入っていて、彼らの将来がドキュメントふうに紹介されます。「デルタ」代表のフーバーは弁護士。「オメガ」隊長のグレッグはニクソン大統領補佐官となるが後年獄中で強姦される、ニーダマイヤーはベトナムで自分の隊に射殺され、ケントは神経過敏症の治療トレーナー。ブルートと恋人ケイテイは上院議員夫妻。もちろんつくりごとである。ドラマである。真っ赤なウソでラストを飾るところがジョン・ランディス精神である。

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