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シネマ365日

2014年1月10日

特集「初笑い」 エボリューション (2001年 コメディ映画)

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監督 アイヴァン・ライトマン
出演 デヴィッド・ドゥカヴニー/ジュリアン・ムーア/オーランド・ジョーンズ

笑いの発信が弱体

 「ゴーストバスターズ」SF版ですね。主人公の三人組にヒロインがからむ。三人組にあたるのが地質学講師のアイラ(デヴィッド・ドゥカヴニー)、地質研究所支部長のハリー(オーランド・ジョーンズ)、消防士のウェイン(ショーン・ウィリアム・スコット)、シガニー・ウィーバーが演じたヒロイン役、生物学者のアリソン博士にジュリアン・ムーアです。これだけの俳優を揃えて、よくこれだけくだらないものを作ったな。ホントにアイヴァン・ライトマンが監督したのかよ。それでも笑えるのはわかりやすいパロディのおかげだろう▼アリゾナ州の砂漠に隕石が落下、現場のすぐそばにある短大講師のアイラとその友達、ハリーは隕石から採取した液体を分析する。単細胞だったその物質は短時間の間に猛スピードで進化していた。アイラは未知の生物体の発見者としてノーベル賞ものだと躍り上がる。隕石の落下地点を調べるとそこには奇妙な生物が増殖していた。アイラはもと国防省にいたが「アイラ熱」とまで呼ばれるようになった強力な副作用のワクチンを開発・使用し国防省を去った過去がある。国防省ではアイラのパソコンをハッキングしており、地球にきた未確認生物の存在を知る。消防士の試験に落ちた青年ウェインは、バイト先のゴルフ場で、ゴルファーが見たこともない生物に襲われるのを目撃した。生物の死骸を手にいれたウェインは、アイラとハリーのもとに持ち込んだ。町は得体の知れない生物の出現で大騒ぎ。通報によって現場に急行したアイラたちは砂漠を埋め尽くす翼竜の死骸に呆然とする。一匹がまだ生きており、瀕死の状態から子供を産む。誕生した翼竜はたちまち成長してショッピングセンターに飛び込み、あたりはパニックに陥った。このあたりは「エイリアン」シリーズを彷彿とさせる▼いれ代わり立ち代わり現れる怪獣たちは、カラフルなきれいな青と金色の昆虫や、タコ頭でプリプリのお尻をした生き物、恐怖を感じると呼吸ができなくなって窒息死するアシカのお化けみたいな生物や、採取した単細胞生物が3週間で熱帯雨林みたいにしてしまった研究室に彼らはうじゃうじゃしているのだ。怪獣のフィギュアみたいでこんなシーンは面白いのですけど。どうにもこうにも、映画が進むにつれて散漫な感じが拭えないのよね。俳優たちのキャラが弱いのよ。アイラのアクションはのろいしキレが鈍い。それに性格がすごく弱くてとても主役のガラじゃない。大根でもなんでもいいから、シュワちゃんあたりがヌッとスクリーンに現れたときの衝撃度みたいなものが全然ない。ジュリアン・ムーアに至っては、おバカ役もいいだろうけど、つぎにこんな役引き受けたら女優生命は最期だわ(さいわい引き受けていないけど)。自分の持ち味をこう簡単に無視した例もめずらしい。ドゥカヴニーはモルダー捜査官のセルフ・パロディか。凡庸で退屈極まりない主人公のキャラがよく出ていたわ。彼がいくら大真面目でトボけたことをいっても、モロそのまま受け取られて悲劇的なまでに笑いの発信にならない。Tシャツの背中のデザインでエイリアンの弱点をみつけるという工夫もたくらみもない思いつきに至っては、笑うというより失笑する。それにラストの怪獣退治の大立ち回りだけど、肛門にホースを突っ込んで町中から集めたシャンプー液を大量に注入し、排便させるという、グロテスクな発想と汚らしい映像。この映画もし劇場でみていたら(なんで金払ってこんなものみなくちゃいかんのか)もっと腹がたっていたでしょうね。脇をしめるはずのオーランド・ジョーンズも冴えない。かろうじて試験に落ちた消防士の青年にシャープなものを感じた。本作はライトマン監督の作品にして珍しく不発だった。制作費に8000万ドルを投入したものの、収入は9800万ドルにとどまった。観客は正直だね。

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