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シネマ365日

2014年1月28日

ブライズメイズ~史上最悪のウェディングプラン (2011年 コメディ映画)

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監督 ポール・フェイグ
出演 クリステン・ウィグ/ローズ・バーン/メリッサ・マッカーシー

女子力フルスロットル 

 アラサー女性の無軌道なばかりの本音の洪水である。脚本のクリステン・ウィグは主演のひとりアニーを演じる。男視線では捉えられない女の正体とでもいうのを、きれいに皮を剥いてみせたが、剥き方がさくさく、包丁使いがいいからイヤミを感じない、大笑いして肩をたたきあい「あのシーンはやりすぎだよね~」「ご冗談を。アンタには負けているわガハハ」なんて認め合い足を引っ張り合う楽しさ。本作が「セックス・アンド・ザ・シティ」を抜いて収益1億ドルを突破したのは、品格という点では目をおおい耳をふさぐべき台詞の奔流であるにもかかわらず、その痛快ぶりで女性ファンをごっそり味方につけたことにあろう。なにしろ前編これ「ファックユー」「ウンチ、ウンチ」「おえーっ」あろうことか結婚を目前のリリアンがドレスのまま大通りに走り、舞い降りた白鳥のごとく道の真中にしゃがみこむ。戻ってくるとせいせいしたように言うのだ「ウンチしちゃったわ」。ゲロ・シーンといえば「おとなのけんか」のケイト・ウィンスレットのド迫力が特筆ものだが、本作はそのトラブルの5人分(これが花嫁介添人の数)といえば想像がおつきか▼その5人とは前述のアニー。30代独身。開業したケーキ屋はつぶれ男には棄てられ、母親のツテで入った宝石店では、結婚指輪を選んで盛り上がっているカップルや、可愛い女性客の気分をズタズタにしてクビ。唯一なぐさめは親友のリリアンがなんでも話をきいてくれ励ましてくれることだ。ところがリリアンが突如結婚する、しかも花嫁介添人のまとめ役になってくれというのだ。ショックとさびしさを隠しアニーは大役をひきうける。他のブライズメイドはリリアンの従姉妹で三人の子持ちのリタ。新婚のベッカ。花婿の重量級の妹メーガン(メリッサ・マッカーシー)。花婿の上司の妻ヘレン(ローズ・バーン)。美人で金持ちでなにをやってもそつなくこなすヘレンは自分がリリアンの親友であると連発し、アニーは(きのう今日友だちになったアンタのどこが親友よ)とむかつく▼金なし男なし仕事なし。ダメキャラ全開のアニーは嫉妬と絶望にうちのめされことあるごとにヘレンと衝突。二人を取り巻くブライズメイズ間の緊張は日々高まる。ついに…女ばかりのバチュラーパーティーをベガスで実施した彼女ら。ヘレンは全員をファーストクラスに乗せるがアニーだけが意地を張ってエコノミーにいる。なにをさせてもうまくいくヘレンに腹の虫がおさまらない。アニーはウイスキーをがぶ飲みしファーストクラスにやってきて放歌高吟、添乗員の制止を無視してヘレンにからみ暴言のあげく大暴れ、リリアンは「まとめ役」交代を宣告する。カバーするのはもちろんヘレンだ▼踏まれても蹴られても、罵りながらも人生を「降りない」アニーの健気さ。こわいものなしのお嬢さま・ヘレンのカマトト力はアニーを翻弄するが、ヘレンの泣き顔をみたアニーは彼女の可愛らしさに気づく。結婚したもののうまくいかない新婚の妻ベッカと、子供が三人いても結婚に充足を見いだせないリタはすっかり気があい、アニーの大騒動に気をとられている乗客を尻目にしっかり抱きあう。メーガンは少女時代のイジメをばねにガンガン勉強し「見て。国家機密機関で働いているのよ」と自信満々だ▼メリッサ・マッカーシーは42歳。本作でアカデミー助演女優賞に、クリステン・ウィグは39歳、同脚本賞にノミネートされた。ローズ・バーンは33歳。「ダメージ」ではグレン・クローズとがっぷり四つ、謀略の弁護士を熱演して株をあげた。メリッサは、娘の逃避行に同行する祖母という役をスーザン・サランドンに与えた「タミー」で自身が監督・脚本・主演をやった。表向きのおバカコメディとは裏腹に、これからのハリウッドで注目に足る女優たちがこの映画に出ている。それが目にみえぬ引力となって観客を巻き込んでいる。

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