女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

シネマ365日

2014年1月30日

レッド・ライト (2012年 スリラー映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ロドリゴ・コルテス
出演 キリアン・マーフィー/シガニー・ウィーバー

超能力者の舞台裏 

 物理学者のマシスン博士(シガニー・ウィーバ―)とバックリー博士(キリアン・マーフィー)は世間でいわれる超常現象や超能力の存在を疑問視し科学的な解明を行って、彼等のインチキをつぎつぎ暴いてきた。バックリーのガールフレンドは「そんなことしても無意味でしょ」と否定的だ。バックリーは「もし君の大事な人が、お腹が痛いといっていた、超能力者がなんでもないと請け合った、でもじつは胃ガンでその人は命を失った、それでも意味がないか?」と聞き返す。マシスンとバックリーは超能力者と呼ばれる存在が、人や社会に及ぼす影響に強い危惧を持っている▼オープニングはマシスンとバックリーが車を走らせているところから始まる。薄い青っぽい沈んだ色調が、物語の展開を予兆させる。目を閉じて窓にもたれているマシスンにバックリーが「少し眠ったらどうですか」と声をかける。なんでもなさそうだが結末が明らかになったあとこのシーンを思い出すと「なるほど、これも伏線だったのだな」と思い当たる。一見する限りマシスンは眠っていると見えるのにバックリーはそういうのだ。訪問先はひなびたといってもいい郊外の一軒家だ。物理学者二人の博士ははるばるこんなへんぴなところにまでやってきて「ドブ板踏んで」でもインチキ暴きをやろうというのだ。マシスンの心の傷や(これが最大の焦点なのだが)バックリーの意図するものが「インチキ暴き」の執念になっている。それにしてもこの二人の師弟は仲がいい。マシスンの影の形に添う如くバックリーが動く▼伝説の超能力者シルバー(ロバート・デ・ニーロ)が40年ぶりに復帰する。マシスンは過去にシルバーのからくりを暴こうとして罠に落ちたことがある。いろんなペテン師の詐欺同様の「超能力」を見破ってきたが、シルバーは危険だからやめろというマシスンの意見に逆らってバックリーが挑戦する。とたんにマシスンが急死しバックリーの身辺で異常現象が起こる。まるで「自分に刃向かうやつがどんな目に合うかみていろ」と言わんばかりのシルバーの挑発みたいだ▼ちょっとここで、マシスンとバックリーが暴いてきた「超能力の実態」というのを紹介しちゃおう。先述した郊外の一軒家ではふたりがテーブルにつくとさっそくポルターガイストがガタガタ音をたてテーブルをゆする。これは美容師が扮する霊媒師が、霊と交信しているように見えたのは、この家に住みたくない女の子と美容師がグルになってテーブルを浮かしたり音をたてたりしていることをマシスンは見抜き「パパには黙っているからあなたもイタズラはやめて」と因果を含め、パパには「美容師を追い出して」と忠告する。観客の前でガン患者を特定する男は、事前に患者リストを入手して、耳にいれた極小マイクから「3時の方向右から二人目のひげの男性」とか、相棒が情報を流す仕組み。マシスンの同僚の博士が「カードを当てる患者がいる」というとマシスンはその場で「わたしにやってみて」と言い、同僚が手にしたカードを全部言い当てる。種明かしは同僚のメガネにカードの絵柄が映っているのだ▼でもこんなことはシルバーに比べたら子供だまし。結論をいうとシルバーもインチキ超能力者なのです。ロバート・デ・ニーロがいかにも外界から超越した霊能者という風格で登場します。シガニー・ウィバ―とのバトルがあったら最高だったのにそれを避けたのはどういう意図でしょうか。せっかく大物二人を起用しながら、物語の半ばでシガニーを退場させてしまったのは、バックリーとシルバーのラストの対決を準備するためでしょうが、あっさり筋を運びすぎて、いまいちテンションが維持されていないですね。クライマックスは「シルバーのペテンが暴かれるプロセス」と「バックリーの真相」です。対決にいたるまでスクリーンではつぎつぎ怪奇現象が生じます。鳥が窓ガラスに衝突する、バックリーが車の前を横切るおばさんホームレスに「ペッ」とつばを吐かれる。寝泊まりしているラボが荒らされる。いきなり窓ガラスが割れる。バックリーがトイレで暴漢に襲われる。これら一連の因果関係にだれも説明をつけていないが、シルバーがペテン師だとわかった今から考えると、バックリーに備わったパワーがコントロールされないまま発散したってことね。悪い映画だったとはいわないけどケツの締め方がいまいちゆるいな。シガニーはすべてのシーン真面目に演じていたけど、詐欺師・ペテン師のインチキを暴いているときが生彩を放っています。デ・ニーロはいわば「復活したモンスター」でシャバに出たとたん監獄にぶちこまれる男なのです。徹底的にワルをやらせ「世界の超能力総暴露映画」にしたほうがあの二人はノリがよかったのに。

Pocket
LINEで送る