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シネマ365日

2014年2月1日

特集 離婚してせいせいした女 ニコール・キッドマン マーゴット・ウェディング (2007年 家族映画)

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監督 ノア・パームバック
出演 ニコール・キッドマン/ジェニファー・ジェイソン・リー

自己チュー全開の女 

 疎遠だった姉が妹の結婚式に招待され、気はすすまないが、ニューヨークから故郷に帰った。初めてあった妹のフィアンセは無職。ギターを弾いて作曲らしきものをし、なにか書いては新聞に投稿している。妹はそれが誇らしげである。姉は黙っておれず口をはさみ、とうとうというか、やっぱりというか、結果として結婚式をおじゃんにする。姉マーゴットにニコール・キッドマン、妹ポーリーンにジェニファー・ジェイソン・リー。姉の一人息子が同行する。彼女らは三人姉妹でもうひとりベッキーという妹がいるが「悲劇的な事件」レイプに遭遇した。「馬小屋で」と言ってソファに並んだ姉妹ふたりは腹をかかえて笑い転げる。こういうあたり女姉妹の感覚がわからないと何のことか「?」だろうね。レイプなんて嘘っぱち、姉妹がもったいぶって修飾しているだけでホントは合意のうえ、でもなんらかの理由でマンガみたいな結果になった、というところでしょうね▼とにかくこの姉妹、本質的に仲はいいのだけど、その気持ちを表現するとなるとなぜか切り口上になる、女キョーダイによくある仲なのだ。妹たちがいうにはマーゴットはモンスターらしい。なんでもだれでも文句をつけ批判せずにおれない。だから妹は姉が婚約者マルコムのことをけなしたときも(始まったぞ)という感じでさりげなくやりすごそうとするのですが、どっこい、真面目で熱心で努力家で、自分のことを棚にあげるのが大好きなマーゴットは追及をやめない。三度のメシを二度に減らしてでもこきおろす。マルコムはこれがまたマーゴットの指摘も無理はないという男。「新聞に投稿する無職男のどこがいいの」ってアタリだよね。不思議なことに妹夫婦の話題に所得源の話は皆無なのだ。なにして食べていくのよ。マーゴットは作家である。本も出している。妹はコンプレックスがあるのか。いやちがう。彼女らの家は金持ちで、いつ実家に帰っても娘の一人や二人ひきとってやれるのだ。とにかく食べていく心配のない姉妹がヒマにあかして文句を言い合っているのだ。くだらん。でももうちょっとがまんしてみよう▼マーゴットは夫とわかれて評論家とつきあっている。その彼の娘が妹の家に子守にきてマルコムとできた。もとから品の悪い女だと思っていたとマーゴットの舌鋒は冴えまくる。そのくせどこか人の好いマーゴットは、子供の頃木登りが上手だったと妹におだてられ、庭の大木に登っておりられなくなり消防隊に助けてもらう。隣家とは犬猿の仲である。大木の下で結婚式をあげる予定の妹たちに「腐った根がうちまで延びてきて庭を枯らしてしまう、切れ」と喧嘩腰で言ってくる。散歩の途中で出会っても会釈もしない、それどころか子供をなぐっている。マーゴットはこういうとき黙っておれない。「なんてことするのよ」「おれたちの子だ、ほっとけ」「ほっとけないわ」妹は相手になるなと合図するが姉は剣をおさめない。隣の夫婦は大きなお世話だと怒り狂う。それなのにマーゴットは男の子の足から脱げた靴を、最後まで読みそうもない長文のメモをつけて隣に届けてやるのだ。妹は隣家との関係悪化にマーゴットが火に油を注いだと姉に当たり散らす▼姉が来訪して初めての夕食の席「このごろ人の名前がすぐでてこないわ、だれだったかな」とマーゴット。調子のいいマルコムが話をあわせるが、彼の話題はトイレがどうとかこうとかまったくのツブシ。姉妹をとりまくすべての人物は不協和音しか奏でない。姉妹がなぜケンカ別れ同様疎遠になったかというと、マーゴットが妹から聞き出した情報をネタに、妹夫婦の内幕を洗いざらい小説にかいて、夫婦仲は破局になったという理由だ。以後妹の天敵はマーゴットになった。そんなに嫌なら結婚式などによばなければいいじゃないか…それは別らしいのだ。明日は式をあげるという夜、マーゴットはあきらめず妹の婚約者をくさし(こうなるともう笑ってしまうが)、妹に「美人で頭がよくて気立てのいいあなたが、なんであんな男と…」絶句する。ポーリーンは黙って聞いているが、理屈抜きの姉の情の濃さが伝わる。マーゴットは自分勝手かもしれないが情のあるいい女なのだ、ちょっとおせっかいがすぎるところもあるが、と監督はいいたそうだ▼この映画いつ終わるとも見当がつかないまま不意にエンドになるのだ。別れた夫、息子にとっては父親の山荘に行くため息子が遠距離バスにのる。マーゴットが見送りにくる。この息子がよくできた子で、母親の最高の理解者である。母親はちょっと変わっているけど世界でいちばんぼくを愛しているという絆を疑っていない。そんな息子の落ち着きと自信が、逆に息子といることでマーゴットを安定させている。その彼が数日手元を離れる…マーゴットは走りだしたバスを全力でおいかけ乗車。ゼイゼイよろめきながら息子のそばにきて「どう、よく走ったでしょ」息子は(なんちゅうママだ)あらゆる意味で感嘆する。ニコール・キッドマンの母親役はいくつかありますが、自己チューの誇大戯画化がおもしろかったという点では本作が出色です。終始とりとめのない映画で、なにがいいたいのかさっぱりわかりませんでしたが、彼女のキャラだけは際立っていました。

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