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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2014年3月15日

特集 LGBT-映画にみるゲイ58スパニッシュ・アパートメント(2001年 ゲイ映画)

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監督 セドリック・クラピッシュ
出演 ロマン・デュリス/オドレイ・トトゥ/セシル・ド・フランス

女の快楽を学ぶべきよ

この退屈な青春映画に刺激を与えたのがセシル・ド・フランスの演じるゲイの女子大生イザベルだ。彼女はグザヴィエ(ロマン・デュリス)の友達で、6人の多国籍の学生が共同生活をするバルセロナのアパートに越してきた。男たちの部屋はちらかし放題、自分の部屋は汚いものだからきれい好きのイギリス人女子大生ウェンディの部屋に集まって酒を飲む。ソレダはグザヴィエのちょっとしたひとことに人種差別を感じるときっぱり言うスペインの女の子。ほかに真面目な学究肌のドイツ人のトビアス、ローマを愛するイタリア人のアレッサンドロ、デンマーク人のラースもいた。それぞれの大学生活が楽しげに描かれる。少女漫画のノリである。グザヴィエはパリに恋人がいるが精神科医の妻アンヌと不倫の関係を持つ。グザヴィエの男女関係のこのだらしなさは、主人公としての彼を魅力のないものにしている一因だろう。故郷で帰りをまつ母親に対する傍若無人な態度にも、こんなやつが社会にでたらろくな仕事はするまい、と思われる。学生時代にこの映画をみたら話のタネになっても、社会人になってみる分にはアホらしいだけでしょうね。それがこの映画の限界だけど、そんなことばかり言っていても生産性がないな。イザベルに戻ろう▼イザベルが話す恋の模様は、男が女をモノにすることを勲章にする自慢話でも優位性の誇示でもない。徹頭徹尾感覚的だ。このセリフなんかそうですね。フラメンコの教室で先生と出会ったとき「みぶるいするほど強烈な視線を感じた」。グザヴィエは質問する。「女同士って器具かなにか使うのかい」「男は相手の性についてなにも知らないのね」とイザベルは憐れむように言う。「興味を持とうとしないわ。女のなにもわかっていない。女を本当に知れば世界一の男になれるのに。女は肉体も心も男とはちがう。女の快楽が何かを学ぶべきよ。大事なのはペニスじゃなく愛撫なの」20歳そこそこのイザベルの年齢設定で、かくも簡略に性的差異をまとめるとは、やっぱりイリガライのお国柄ですなあ(※リュース・イリガライ)。彼女はグザヴィエが不倫相手の人妻との関係に狎れ、スペイン語をしゃべれない彼女が交友関係を広げられず、異国で唯一知り合いである自分とのセックスに溺れてくるのを、おもしろおかしくしゃべるようになる。それを聞いたイザベルが「やめなさい、そんな言い方」と厳しくたしなめる。こういう硬派の女って好きだな。イザベルが精彩を放っているほかなにもないか。あえていえばウェンディが男を部屋に入れて真最中のとき、彼女を驚かせてやりたいからと彼アリステアが黙ってバルセロナに来た。それを知った同室の面々は、出先から連絡を取り合い、いまアパートにいかせるわけにはいかない、入室を阻止せねばと駆けつけ、ドアの前で鍵が合わないとか、だれそれが帰ってくるまでここで待つしかないと、さんざん時間稼ぎをしている間に、いちはやく窓から飛び込んだウェンディの弟がベッドの男をひきずりだし、なにをしたかというと…ここは本作の得難いまでにさわやかなシーンですからネタバレさせないでおこう▼グザヴィエの彼女マルティーヌにオドレイ・トトゥがなっています。「メアリ」で注目されたあとの出演でした。グザヴィエの不倫相手の人妻アンヌはジュディット・ゴドレーシュです。このとき30歳。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんがレオナルド・ディカプリオの「仮面の男」とか、カトリーヌ・ドヌーブの「しあわせの雨傘」に出演しています。本作ではイザベルのフランスを除き、文化祭か学園祭ではしゃいでいるみたいな役柄と役者たちのなかで、大人の女の雰囲気をだしています。

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