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2014年3月11日

写真に再び「あの日の景色」を ウエハラキロク 代表・上原一恵さん

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ウエハラキロク

古い写真や震災で汚れた写真などをデジタル修復
被災地の今を伝える架け橋にもなれれば

 タンスや押入の奥にしまっていたら、変色していたり破損していた。懐かしい写真だから、直せないものかな…そんな風に思ったことがある人は、少なくないはず。そういった写真をパソコンを用いてデジタル修復しているのが、枚方市でウエハラキロクを営む上原一恵さん。
 「大学(東京造形大)時代は自分でも絵を描いたりしていたのですが、元々、今作られる物より昔作られた物が好きで、大学卒業後は文化資料の復元を行う仕事をしていました」。その仕事のひとつとして、写真修復も手がけていた上原さん。東日本大震災が発生した際、自分にも何かできないかと考え、津波などで汚れてしまった写真の修復を手伝うことに。
 「被災地では複数のボランティアが活動していましたので、いくつか声をかけさせて頂きました。修復だけではなく洗浄もお手伝いしました」。写真の状態は、決して良くありません。「(津波のため)汚れた水に浸かって、数カ月経った写真などは、バクテリアが繁殖して(表面が)浸食されていました」。修復だけではなく、洗浄作業に加わることもあったのだそうです。

 「数は減ってしまいましたが、現在でも年間5、60枚は被災者から(間接的に)依頼を受けて、修復しています。1時間で2、3枚できることもありますし、1枚も終わらない写真もありますね」。2012年3月にウエハラキロクを設立。以降、一般からの依頼も受けるように。「個人の方から古い写真をお預かりして修復したり、故人の写真を拡大して飾りたい、といったお話を頂いたり。写真を組み合わせたアルバム制作の依頼も頂きます」。
 個人の写真修復も、古い物についての話を聞くこと・研究することと同じ。個人の思い出に寄り添った仕事をしたい、と上原さん。「(依頼される写真は)誕生日の写真とか、見慣れた感じのものが多いんです。自分のアルバムにあるような。(そういった写真を見る時)自分だったら、昔持っていたカバンとか、立て直す前の家とか、周りの風景をよく見るので、修復する際、人物だけではなく周りの風景も出来る限り修復するようにしています」。また、東日本大震災の被災地についても、多くの人に伝えたいと考えています。
 「現地へは2回、行きました。写真を探している方にもお話を伺いましたし、写真の修復を依頼された方からお礼の手紙も頂きました。時間が経ち、東日本大震災について忘れられてしまいかねないと思うんです。被災地では、今なにをしてほしいのか、どういったボランティア団体が活動しているのか、現地に行って聞いてみたいですし、関西の人たちに知らせたいと思っています」。東北を知りつつ、自分たちの身の回りに当てはめて考え、活かしてもらえれば。上原さんは、被災地にも寄り添いながら、今日も「あの日の景色」を写真に吹き込んでいます。

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