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特集「女のわがまま」

2014年6月10日

特集「女のわがまま2」 ガールファイト (2000年 スポーツ映画)

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監督 カリン・クサマ
出演 ミシェル・ロドリゲス

君と出会ってぼくは散々

 ダイアナ(ミシェル・ロドリゲス)はブルックリンに住む高校生。学校では問題行動ばかりの居残り常連組。父親と弟と三人で狭い団地暮らしだ。父親は弟ばかり可愛がり、弟はいいやつだが気弱な性格を直そうとボクシングを習っているが芽が出る気配はない。弟の代わりに月謝を収めにジムへ行ったダイアナは、ボクシングに魅了されトレーナーのヘクターに頼みこみボクシングを習い始める。ジムの汚い壁に貼ってある標語がある。これだけでもドラマティックだ。いわく「自分が休んでいるときに人は練習している」「ボクシングは力よりアタマを使え」「愛に生きればリングで死ぬぜ」「連打を浴びせろ」「勝者は決してあきらめない」「体の大きさより闘志の大きさ」「王者はつくられるものである」▼女のトレーニングなんかとんでもないと相手にされなかったダイアナだが、あんまり熱心なのでヘクターは教えることにする。ただし女子用ロッカーもない。彼が自由に使っていいと言ってくれた場所は物置だった。「週に4日5キロ走れ。最低5キロだ。でないと1ラウンド戦えんぞ。タイムは気にするな。要は持久力だ」「本当に強くなるにはなにが必要? さあな。不屈の闘志だな」「アゴをあげるな。バランスが崩れる。リングでは止まるな。動き回れ」「腹筋100回だ」。初めはムシャクシャした気分を爆発させるだけのダイアナのボクシングだったが、自己鍛錬の規律ある厳しさに、自堕落だった自分が変わっていくのに気づく。追い風としてアマチュアボクシングに女子の参入が認められ、公式な試合がエントリーできるようになった。ダイアナはリングにあがれば男も女も関係ないと、ひたすら男とスパークリングに打ち込む▼ジムのスター的存在エイドリアンと恋に落ちたダイアナだが、内緒にしていたジム通いが父親に知られ対立。母親が死んだのはパパが殺したのも同然だとケンカになり、団地を飛び出しエイドリアンの家に行く。エイドリアンは寝場所を提供するものの「試合の前はセックス厳禁」である。エイドリアンにしてもダイアナにしてもストイックである。ダイアナは学校では教師のお荷物「世界史ってサイテーね。死んだやつのことばかり」なんてことばかり言っているが、クサマ監督はダイアナが問題児ではあっても知性的な女子であることを伝える。彼女には行き場がないだけだ。マーロン・ブランドの10代の女子版がほしかったという監督のイメージに、ミシェル・ロドリゲスはぴったりはまったのだろう▼ヘクターはメキメキ上達してくるダイアナのボクシングに、エイドリアンと対戦させたらどうかと提案する。エイドリアンはプロをめざすジムの星である。「女子と戦っているヒマはない」と一蹴するが、おりしもニューヨーク初の男女によるアマチュアの決勝戦が行われた。しかし「いくら男女平等といってもホドがある」「手加減させるか」「いいや、1ラウンドで終わらせろ」。周囲は加熱してくる。エイドリアンはダイアナと戦いたくない。女と対戦して勝ったところで勲章にはならず、まして負けたらプロデビューに傷がつく。彼は不戦にもっていきたいが、もはや許されないところまで話は煮詰まってしまった。とうとう対決の日がくる▼ファイトシーンは「ロッキー」みたいな劇的ではなく、いかにもアマチュアの駆け出しボクサーが一生懸命練習した結果、必死で試合する、という地味な感じです。KOを予測されていたのにダイアナが善戦、勝負は判定にもちこまれダイアナが勝つのです。「フェザー級王者ダイアナ」です。ダイアナはエイドリアンに感謝する。「あなたは手加減なしに戦ってくれた。わたしを認めてくれた」「君との人生は戦いだよ」とエイドリアン。「君と会ってからぼくはさんざんだ」「人生は戦いよ」「おれを捨てる?」「かもね」。じゃ結局ふたりはこれで終わりか? クサマ監督の監督デビュー作と考えたら、ロマンティックにならないエンドは「らしい」と言えば言えるけど。だからヒロインの未来が明るいかといえばそうでもないだろ。自分探しの高校生がボクシングでやる気だして、トレーニングで自己鍛錬し「好きなわたしを生きてやる」と、自分を取り戻したってところでエンドだからね。まだ海のものとも山のものともわからんが、せいぜい今までよりましってところか。彼女のわがままが社会で通用するかどうか、真価はこれからですな。本作以後ロドリゲスの出演映画は「アバター」や「バイオハザード」のシリーズや、とにかく死亡率の高い女優だっただけで、これといった決定打はなかったよね。シー・シェパードといっしょに船に乗るって表明していたわね。ハリウッドでシー・シェパードを支持する女優は多いけど、支持者のひとりチベットの高僧さえ「彼らの行動には行き過ぎがある」としていましたよ。それにロドリゲスの反日発言は侮蔑的だ。「君と会ってからぼくはさんざんだ」というエイドリアンの言葉、劇中とはいえ印象深いわ。

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