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特集「美しい虚無-妄想映画の魅力」

2014年7月10日

特集 美しい虚無=妄想映画の魅力 モスダイアリー (2011年 サスペンス映画)

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監督 メアリー・ハロン
出演 リリー・コール/サラ・ガドン/サラ・ボルジャー

20代 花の三女優 

 「アメリカン・サイコ」のメアリー・ハロン監督です。主役3人の女優がおもしろい。全寮制の寄宿学校に在学するレベッカ(サラ・ボルジャー)、その親友ルーシー(サラ・ガドン)、ヨーロッパから転校してきた謎の美少女エネッサ(リリー・コール)。サラ・ボルジャーは「イン・アメリカ/三つの小さな願い事」「スパイダーウィックの謎」で、映画賞の有望新人賞や若手女優賞を取った。サラ・ガドンはデヴィッド・クローネンバーグの「危険なメソッド」と「コズモポリス」で準主役。そこへこのリリー・コール。純資産120億円ともいわれるイギリスのスーパーモデルだ。ドール系モデルが流行りだした頃にデビュー、またたくまにトップへ。奇跡とも言われるその体型は脚の長さによる。179センチの身長比48%(86センチ)。しかしなんといっても彼女の特徴は「顔」だろう。お盆に目鼻があるような異形の丸顔である。決して美人ではないのにギクッとして一度みたら忘れない。この映画でも演技だ、ヘチマだと言う前に「この子何者?」というショックで他のふたりを圧倒する。映画そのものはハロン監督にしたら凡作だけど、鮮度のいい女優たちでそれなりにカッコついた感じです。最後までこの映画が吸血鬼ものなのか、吸血鬼ではないゴシック映画なのか判然としない。地下室・暗闇・関係者の怪死に変死・ヒロインの衰弱とか、吸血鬼映画のセッティングはすべてそろっているのだけどね(案外明るい地下室だったけど)。謎解きでもなくホラーでもなく、という中途半端なところが致命傷ですが、ま、若い子たちが頑張っているのだから、文句ばかり付けるのはやめよう▼レベッカは詩人である父親が自殺して、母親はウツになり寄宿学校に預けられた。そこで16歳の自分を書き残しておこうと日記をつけ始める。レベッカがこの映画の「語り」になる。同じ学校のルーシーは明るい少女でレベッカはルーシーに救われる。ふたりは大の仲良しとなり、同い年の仲間たちと楽しく打ち解けたときを過ごす。早春の花のような少女たちが、一室にたむろして好き勝手な話題ではしゃいでいる光景はだれにでも覚えがある。そこへ転校生がくる。背の高い無口でミステリアスなエネッサだ。彼女はルーシーに接近しレベッカとルーシーの間に距離ができる。授業で扱われた「吸血鬼カーミラ」を読んだレベッカはエネッサが吸血鬼ではないかと疑念を抱く。カーミラはこういう女である。「彼女(カーミラ)はわたしを引き寄せ頬に冷たい唇を這わせながらむせび泣くようにささやく。あなたはわたしのもの。永遠に離れないと」吸血鬼は孤独だから永遠をともにする相手を探しているのだ。見込まれたほうこそえらい迷惑である。相変わらずエネッサは女生徒たちから離れ、ルーシーとだけひそひそと親しげに顔をよせて話す。そうするうち校内ではレベッカの友人たちが何らかの事故で退学、転校あるいは自殺というふうに周りから離れていき、レベッカは孤立する。エネッサの行動は不審だと訴えても、ルーシーを失った嫉妬だと受け取られ、だれも真面目に取り合おうとしない▼ドアの隙間からルーシーの部屋を除いたレベッカは、ルーシーとエネッサが激しくからみあっているのを目撃する。あれは血を吸われているのだとレベッカは確信。それを裏付けるようにルーシーの衰弱はひどくなった。ルーシーは入院した。これでエネッサは近づけないとレベッカはホッとしたのもつかの間、エネッサは言葉巧みに校長を籠絡しルーシーを退院させてしまう。入院中生気を取り戻したルーシーは再び血の気を失い、ある夜レベッカはルーシーとエネッサが手をとりあい空中を浮遊するのを見る。ルーシーの名を呼ぶと幻影は消え、地上に横たわっているルーシーがいた。すでに息を引き取っていた。エネッサは目的を遂げたはずなのに、彼女はしげしげとレベッカに近づき、自分とあなたは似たもの同士だとささやく(どこが似ているのか、劇中不問にふされている)。エネッサの狙いはこのわたしだったのだ(これも取って付けたような結論だった)…とレベッカはルーシーの復讐と自己防衛のためにエネッサとの対決を決意する、というのもちょっと大げさで、吸血鬼にしてはわりとあっさり死んじゃうのよね▼リリー・コールの台詞が少ないからよかったですね。雰囲気だけならだれにも負けません。モデルってしゃべる職業じゃないですからね。それにエネッサの体から芳香する甘い、果物が腐ったような匂いの正体も由来もわかりませんが、もういい。よくやったキミたち、お疲れさま。

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