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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2014年7月22日

特集 新宿2丁目を連れて歩きたいBF キアヌ・リーブス「ザ・ウォッチャー」 (2000年 サスペンス映画)

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監督 ジョー・チャーバニック
出演 キアヌ・リーブス/ジェームズ・スペイダー/マリサ・トメイ

どゆこと? キアヌ 

 この映画、クレジットで「あれ?」と思うのよね。トップにくるのがジェームズ・スペーダーで、てっきり主役だと目していたキアヌ・リーブスが最後に「and」付きで出てくる。じゃキアヌは脇かというと、タイトルの「ザ・ウォッチャー」はずばりキアヌの役なのよ。謳い文句にある「美しい殺人鬼」ときたらやっぱりキアヌだろ。でも扱いは準主役だね。このチグハグ感がぬぐえないまま映画は発車オーライ。やっぱりおかしな映画でした。キアヌ・リーブスとは「水もしたたる」いい男だったはず。それがなに。彼は186センチの高身長です。この上背で太ったらどうするの。お相撲さんも真っ青だわ。本作で彼の体型は完全に危険水域に入っているわ。頬はタレ気味、走ると遅い、腰が太くアゴは二重。なんとかしろなんとか。新宿2丁目どころじゃないぞ。森のなかですれちがったタヌキだって振り向かないわよ!▼キアヌのこの前年「マトリックス」で記念碑的成功をおさめている。そこで過酷なダイエットを課した反動だろうか。本人はでもこのあと「恋愛適齢期」で再び美しい青年にカムバックし、安堵させてくれたばかりか、ダイアン・キートンやジャック・ニコルソンにまじり、涙ぐましいくらい健闘したのだ。いいってことよ選択の失敗はだれにでもある。この映画は書き終わったら忘れることにするわ。そこでだけど、キアヌ扮する連続殺人犯グリフィンは、刑事ジョエルをストーカーしてニューヨークからシカゴまで追いかけてきて、シカゴでもひとり住まいの若い女性を狙ってピアノ線で絞殺する手口を繰り返す。ジョエルが分析した犯人像は標的の日常を知り尽くし、住居に侵入して帰宅を待伏せ、殺害して決して指紋を残さない…でも刑事が感心するほどの頭脳犯にはみえないのだけど。グリフィンがジョエルを追いかけている理由? 不明よ。よっぽど好きなのじゃない▼ジョエルというFBI捜査官が変わっているのだ。彼はグリフィンに愛人を殺された。グリフィンが火を放った家に愛人は椅子に縛られていた、家に踏み込んだジョエルはグリフィンを追跡して外に飛び出す、途中で愛人が縛られたままだと気付き家に戻るが火の手が回って愛人は焼死した、それが心の傷になってる…そらなるでしょうよ、丸焼けになるのがわかっているのに放っていかれた愛人は、恨みながら死んだわよ。その後遺症が彼を安定剤を手放せない男にしてしまった。以来彼はグリフィンがシカゴで犯罪を繰り返し始めても、怒るでもなければ嘆くでもなく、ただうっすらした表情を浮かべるだけのもぬけの殻になってしまったのだ。地元警察の刑事の要請でやっと捜査に携わる。でも彼の復帰をあざ笑うようにつぎつぎ犠牲者が出る。グリフィンはジョエルの部屋に女性の写真を送りつけ、つぎの殺人の予告をする▼キアヌの連続殺人犯がひとつも怖くない。いくらジョエルが犯人像を知的で頭脳優秀だと説明したところで、キアヌがスクリーンに現れニコニコするとぶちこわしになるのだ。レクター博士のような不気味さは皆無。役作りがどうとかこうとか言う前に、天才的犯罪者なんてどだい彼の柄じゃないのね。それとジョエルがカウンセリングに通っている精神科医ポリーがマリサ・トメイ。「いとこのベニー」でアカデミー助演女優賞のほか、二度ノミネートの実績を持つ。ジョエルはどことなく彼女に恋愛感情があるらしいが、とにかくハッキリしない男だからキスひとつせず、意味不明の微笑ばかりうかべている。彼女がグリフィンの標的だとわかった。ポリーを監禁したグリフィンがジョエルをおびきよせる。くどいようだけど、グリフィンの連続殺人という行為への執着がひとつも描けていないから、彼らの会話を聞いていると、犯人と刑事の知能と知能の戦いというより、宿直の業務連絡みたいなやりとりなのよ。この緊迫感のなさは致命的だわ▼でもやっとジョエルはポリーを救出し、ガスに引火して爆発したビルの何階か、随分高いところから川に飛び降ります。まけじとグリフィンもダイブする。三つの人影がザンブとばかり水しぶきをあげ、黒い頭がふたつ浮かんだ。ジョエルとポリーです。このへんの作り込みの浅いこと。ターミネーターをエイリアンを、ダイ・ハードを見ろよ。これでもかこれでもかと襲撃させる息もつかさぬアクションの名作を見ろよ。ドブンと川に落ちてポッカリ浮き上がって、最後に焼けただれたキアヌがひと暴れするのかと思ったら、なんやキミ死んどったのか。脱力感だけが生々しかった。

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