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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2014年7月26日

特集 新宿2丁目を連れて歩きたいBF マイケル・ファスペンダー 「悪の法則」 (2013年 サスペンス映画)

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監督 リドリー・スコット
出演 マイケル・ファスベンダー/キャメロン・ディアス/ハビエル・バルデム/ペネロペ・クルス/ブラッド・ピット

法則は「殺すこと」 

 ひとことでいうとこの映画は、若くて有能でハンサムで、サクセスした弁護士の転落人生だ。それを演じるのがマイケル・ファスベンダー。すべてを裏であやつって甘い汁を吸うのがキャメロン・ディアスです。ラブコメの女王だったキャメロンが、毒々しいまでのワルを演じた。しっかりしろマイケル。影が薄いぞ。カウンセラー(弁護士)と劇中呼ばれる主人公(マイケル・ファスベンダー)は順風満帆。美しいローラ(ペネロペ・クルス)に贈る極上のダイヤの結婚指輪を買ったのがきっかけで、裏社会のフィクサー、ライナー(ハビエル・バルデム)が言う利益率4000%という麻薬ビジネスに手を染める。一度きりでやめる軽い気持ちだった▼カウンセラーはライナーに紹介された麻薬売買人ウェストリー(ブラッド・ピット)に会い、取引にかかわる麻薬カルテルが特に弁護士を憎んでいること、報復手段は容赦無いことをあらかじめ警告される。カウンセラーは公選弁護士として弁護を受け持っている女性から、息子がスピード違反で勾留された、出させてやってくれと頼まれ保釈にした、その息子は麻薬の運び屋でブツを受け取ったあと、ワイヤーでバイクを転倒され首は刎ねられ、麻薬を奪われる。運び屋がグリーン・ホーネットの一員だった。組織はカウンセラーが運び屋を保釈しブツを盗んだと思っている、えらいことになった、早く身を隠せとウェストリーはカウンセラーに忠告する。組織は報復としてカウンセラーだけでなく、彼にかかわるすべてを殺すのだ。関係者の情報を組織にタレ込み、ブツを横取りするのがライナーの愛人、マルキナ(キャメロン・ディアス)だ。ウェストリーも殺される。首を締め付け頸動脈を切断する鉄の殺人装置で、大通りの真ん中で血を噴き出させて死ぬ。ライナーは危険を悟って逃走中に射殺。カウンセラーの恋人ローラの無残な死体はゴミ廃棄場に遺棄される。ナタリー・ポートマンに出演の打診があったが彼女は断った。正解ね。まともな見せ場ってない役だもの▼マルキナとは典型的な肉食の捕食者だ。彼女が登場するシーンがいい。詩的ですらある。そこはテキサスか、メキシコ国境付近。ライナーの邸宅があり、目の前は荒涼とした砂漠のような草原が広がっている。ライナーとマルキナはシルヴィアとラウールと名づけた2匹のチータを飼っている。2匹が草原を疾走してウサギをしとめる。その美しい走りをマルキナは目を細めて凝視する。背中から左の肩にかけマルキナはヒョウ柄のタトゥをいれている。彼女は自分にふさわしいものすべてを奪う女。肉食獣と同じくパワフルで、二言目には無邪気に「お腹ペコペコよ」と言う。マルキナに対して持つライナーの主たる感情は「恐怖」である。彼はカウンセラーに「マルキナはフェラーリとセックスするのだ」「どういうことだ?」「彼女が車を止めろといった。助手席でパンティを脱ぎ、バンパーにのぼって足を開いた。彼女はダンサーだから180度開脚する。おれの目の前にマトモに、まるでナマズのようにあそこが」…ハビエル・バルデムってなんでこう変態男が似合うのでしょうね。「スカイフォール」はボンドに嫉妬するマザコン男、「ノーカントリー」では殺人狂、「宮廷画家ゴヤは見た」はナタリー・ポートマンを強姦するサド聖職者。本作でキャメロン・ディアスの両足の真ん中で口あんぐり見開いた目の表情ときたら、入魂というべし。おみごとでした▼このキャメロン・ディアスに対し男優陣はみなケチョンケチョンにやられる役だ。マイケル・ファスベンダーはうらぶれた町の安酒場にまぎれこむがそこにも居場所はない。弁護士仲間からは見放された。組織が自分を発見して惨殺するのは時間の問題だ。ブラピはあたふたと逃亡に出発した矢先、裏街道を歩いてきた男の結末にふさわしいニヒルな笑いをうかべて死ぬ。ハビエル・バルデムは車からでたとたん、背中から撃ち抜かれる。もとはといえば彼らはみなマルキナの被害者である。マルキナという捕食者の本能は狩りだ。ハンターのやることはただひとつの法則にのっとる。すなわち殺すこと。この映画における「悪の法則」の体現者はマルキナしかいない。キャメロン・ディアスは囲み目のメークで黒々とどぎつい視線を強調し、ウサギをおう風のようなチータを恍惚と眺める。マイケル、もとはといえばあなたがダイヤの指輪に色気をだすからよ。ペネロペが「ダイヤ買ってちょうだい」といったわけじゃなし。アル・パチーノの決め台詞のひとつを思い出すわ。「虚栄とはわたしの大好きな罪のひとつだ」(「ディアボロス/悪魔の扉」)

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