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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2014年7月28日

特集 新宿2丁目を連れて歩きたいBF ジョン・トラボルタ 「ヘアスプレー」 (2007年 ミュージカル映画)

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監督 アダム・シャンクマン
出演 ニッキー・ブロンスキー/ジョン・トラボルタ/クリストファー・ウォーケン/ミシェル・ファイファー

踊れ、トラボルタ 

 ジョン・トラボルタが特殊メークで巨体の女性を演じます。アドバルーンのようなお尻、つきだした胸、たっぷりな頬、どこに目が…と思うほど埋もれていますがまちがいなくトラです。トラには高校生の娘トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)がいます。母親譲りですべてがビッグ・サイズ。天真爛漫でデブといわれようとなんといわれようとクヨクヨしない。彼女はダンスと歌が大好きで、テレビの人気ミュージカル番組のオーディションを受けるつもりだ。ママは反対する。「こういう体型の者が受かるはずがない。傷つく前にやめさせたい」でもパパ(クリストファー・ウォーケン)は違う。「受けたいのか、じゃ受けろ。この家の人間はビッグだ。夢を追うのだ。パパは夢を実現した。イタズラおもちゃ屋の店を開いたじゃないか」▼トレーシーは「チビでデブ」という理由で不合格。というのはディレクターのベルマ(ミシェル・ファイファー)がトレーシーの歌と踊りが目立つあまり、自分の娘がしょぼくれてしまうという理由で落としたのだ。でも幸運の女神はトレーシーに微笑む。とにかくこの映画、どこを輪切りにしても明るく前向きです。人種差別や女性差別、年齢や容貌や女に対するあらゆる差別が盛り込まれているのに、彼女らはガンガン跳ねのけていく。歌と踊りがそろいもそろって一流ときているから絶対に退屈させない。善人揃いの登場人物のなかでただひとり悪役で気を吐くのがだれあろうミシェル・ファイファーだ。いっちゃなんだけど、たかが青春ドラマのミュージカルに、なんでトラボルタや、クリストファ・ウォーケンや、ミシェル・ファイファーが出るのか、いまいちよくわからんかったけど、逆なのね、面白いから彼らはオファーを受けたのね▼たとえばこういうシーン。ママは太りはじめてから自営するクリーニング店から一歩も出たことがない。肥満コンプレックスのかたまりで「醜くなった容姿を世間にさらしたくない」と思っている。そんなママに娘は「今は人と違っていることがいいことよ」。Lサイズの洋服店の店主ミスター・ピンキー(ジェリー・スティラー。このとき80歳。ベン・スティラー=「ドッジボール」「ナイト・ミュージアム」=の父です)がイメージガールをトレーシーに頼みたいと言ってきた。笑いものになるからやめろというママに「ママがマネージャーになるのよ」と娘は無理やり引っ張り出し「パパはびっくりするわ」。でもママは「結婚してからパパはママを一度も見たことないわ」とさびしげなトラ。娘は「今日はちがうわ」と健気に励ます。おしゃれしたママはがぜんハッスル、世間は一変した。トラもぼちぼち歌うシーンはあるのですが、やっぱり彼のためのとっておきがありました。ラスト近くですが、全員がステージにあがる。いままで人のかげに隠れていたママにパパは言う。「踊れ、みせてやれ」さっそうトラは巨体をゆすって中央へ。いいぞ踊れトラボルタ。おお「サタデー・ナイト・フィーバー」再び。風船みたいな体躯をものともせず、水を得た魚のようなトラのダンスを絶対に見逃せません。歌はこうだ「わたしはハッピー/いまのままの自分で満足だから/太り過ぎの女はみっともない?/そんなことは丸投げで返すわ/ナイフとフォークを持たせたらもうわたしはとまらない」そうそう、うまそうにスイーツを平らげるシーンもありました▼おもしろい歌がたくさんあります。「あなたは最高に魅力的よ/自分を見て/肌が白くギスギスの鶏ガラ女が流行?/もてるのはブラック/ブラックこそビューティフル/体重、スタイル関係ない/太い大木があるのに細い小枝によりかかるの?」。落ち込んでいるトレーシーにママがなぐさめると「母親だからそう云うのよ」「男の気持ちもわかるのよ」。女装しているトラボルタならではのセリフですね。年齢に対する女の引け目には「歳月なんかひとつもこわくない」。頭ではわかっていても断言されるとあらためて勇気づけられる女性は少なくないはず。社会はまちがいなく元気な女を応援する方向に動いています。制作費7500万ドルの本作が2億ドルを稼ぎだした。差別社会から無差別社会へ、黒人のデモにまじって白人の女の子のトレーシーが、背の高い青年たちの腕にぶらさがるようにデモに加わる。ベタもいいところのシーンですがやっぱり胸がジンとします。

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