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特集「男前」

2014年8月29日

特集「男前」 アンジェリーナ・ジョリー(上) トゥーム・レイダー (2001年 アクション映画)

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監督 サイモン・ウェスト
出演 アンジェリーナ・ジョリー/ダニエル・クレイグ/ジョン・ヴォイト

完璧なボディ

 人気ゲームの映画化です。「トゥーム・レイダー」とは「墓荒し」。ヒロイン、ララ・クラフト(アンジェリーナ・ジョリー)はウィンブルドンの豪邸、部屋が83室もある広大な屋敷に住むトレジャー・ハンター。世界各国の遺跡から宝物を発掘する一流の仕事師です。サイモン・ウェスト監督は「 コン・エアー 」(1997)で監督デビュー、「 将軍の娘/エリザベス・キャンベル 」(1999)では社会派のミステリー、「 メカニック 」(2011)、「 エクスペンダブルズ 」(2011)などでは、キレのいいアクションで定評があります。本作でもとにかくアンジーをアクションで魅せる、という一点にフォーカスしたみたいです。キャスティングが決まったとたんアンジーのトレーニングは半端じゃなく、クランクインまでに空手、キックボクシング、バンジージャンプ、カヌー、オートバイの運転、イギリス陸軍特殊空挺部隊の指導による銃器の扱い(劇中ぶっ放す二挺拳銃はH&K競技用モデル)、犬ゾリの訓練にまで明け暮れ引き締まったいい動きを見せます。年齢的にも26歳でした。顔貌だってこのときのほうが、アンジー独特のワイルドさがみなぎっていていいのですけど。後年の激痩せして影が薄くなった体躯ではなく、しっかり筋肉がついた肉体には細くても重量感があります。全力疾走のフォームもトム・クルーズも真っ青なくらいきれいです▼アンジーは監督に完璧なボディになると約束したらしく、前述のトレーニングに加えタバコ・アルコールをやめ、コーヒーも飲まない、砂糖はいっさい摂取しない、パン、パスタ、ライスなどの炭水化物を極力控え取るとすれば玄米。なにを食べるかといえば、蒸す、あるいはゆがいた野菜、豆乳にハーブティー。蛋白は魚と低脂肪の肉から、ハンバーグや揚げ物、ソーセージなどの加工食品は避け、ジャンクフード・アルコール・カフェイン・清涼飲料は厳禁。ここまでくると修業です。らくじゃないな、女優も▼オープニング早々、ウィンブルドンの豪邸でララは戦闘メカを相手に訓練している。執事のヒラリーとプログラマーのブライスがララの世話をする。「たまにはレディらしいお召し物を」というヒラリーの進言を無視、実弾を使って今日もブライスの傑作戦闘メカ・サイモンをクズ鉄にする。アクション全開の導入である。隠し部屋の時計、謎めいた星図盤、ライバルトレジャー、アレックス(ダニエル・クレイグ)も登場し、考古学者だった父クロフト卿(ジョン・ヴォイト)の隠されたメッセージ、秘密結社イルミナティが狙う「時空を支配するパワー」、5000年前の古代都市スパイラル・シティを滅ぼすさいに使われ、その後ふたつに割られて封印されたという「聖なるトライアングル」の謎。星図盤はその場所を示す手がかりだった。カンボジア、ヴェニス、シベリアと、舞台がめまぐるしく変わる大仕掛なアドベンチャー・アクションです▼アンジーはこの映画で一生の契機となる出会いをしました。カンボジア体験です。アンコールワットから受けた霊的経験は彼女にとってカンボジアを特別な地にしました。アンジーはのちにカンボジアから初めての養子を迎えています。アンジーが強く影響をうけた女性のひとりにジョセフィン・ベーカーがいます。ボードレールが「褐色の女神」と呼び「黒いヴィーナス」とも異名をとったベーカーは、十二の民族の子供を養子にし、アメリカの人種差別に対抗して子供たちを「虹の家族」と呼びました。ヘミングウェイはベーカーを「これまでに見たどんな女性よりもセンセーショナル」と評しています。ベーカーは有名な歌手であり、ダンサーであるという存在をはるかに超え、第二次世界大戦中パリでレジスタンスに従事した行動家です。4度の結婚歴もさることながら、いっぽうで画家フリーダ・カーロら多くの女性アーティストとの恋愛関係がありました▼本作の秘密結社イルミナティですが、澁澤龍彦の「秘密結社の手帖」では「パヴァリア幻想教団」と訳されています。ラテン語で「光に照らされたもの」。陰謀論として人気があり、現在でも世界に手をのばして影響を与えているとされますが、結社としての活動は1785年に終わっています。

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