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シネマ365日

2014年9月20日

ラッキーナンバー7 (2006年 アクション映画)

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監督 ポール・マグウィガン
出演 ジョシュ・ハートネット/ブルース・ウィリス/ルーシー・リュー/モーガン・フリーマン/ベン・キングスレー

味はブラック、謎解きは一気

 派手さはないけど、渋いつくりの、わりといい映画です。ポール・マグウィガン監督は「ホワイト・ライズ」(2004)でもジョシュ・ハートネットと組み、その前の監督作品に「仮面の真実」(2003)があります。本作の脇を固めるのがリンジー役のルーシー・リュー、ボスと呼ばれる男がモーガン・フリーマン、ラビに扮するのはベン・キングスレー。ブルース・ウィリスはグッドキャットという殺し屋。ブルースも本作では地味目。だいたい登場シーンが多くありません。ルーシー・リューは紅一点です。時間軸が頻繁に入れ替わり、過去の殺人事件の犯人が登場するなど、関連性がちょっとややこしい気もしますが、観客を故意に陥れようという詐欺的あざとさ、というわけでもなく、まあ許せる範囲ですね。それよりプロットの組み合わせが洗練されていて、大げさな身振り手振りもなく「音もなく」という感じでお話の中軸にすべりこんでいく手際は、けっこう引っ張られます。オープニングも策略にみちています▼人気のない空港の待合室で、車いすに乗った初老の男グッドキャットが、若い男に「カンザス・シティー・シャッフル」を知っているかと尋ね、ひとりごとのように昔話を始める。車いすのブルースというところですでに心ざわめく。彼は例の嗄れ声で、聞かれもしない打ち明け話をする。なんだろうと思っちゃいますね。今をさかのぼること20年前。ニューヨークの競馬は八百長がまかり通っていた。馬に興奮剤を注射して勝たせている情報を得たマックスはノミ屋から大金2万ドルを借金し、7番の馬に賭ける。これが「ラッキーナンバー7」です。しかし馬はゴール寸前転倒して失格、借金が返せなくなったマックスはノミ屋の背後にいたギャングに拉致され妻子もろとも殺される。現在。スレヴン(ジョシュ・ハートネット)という若い男が友人のニックを訪ねてニューヨークにやってくる。ニックは留守でスレヴンがシャワーを浴びているとギャング二人組がスレヴンを拉致する。スレヴンが腰にタオルを巻いたまま、やってきたのはボスと呼ばれるギャングの部屋だ▼ニックに多額の金を貸しているボスは、自分を息子が暗殺したのはライバルのギャング、ラビであると決めつけ、報復としてニックにラビを暗殺するよう命じる。スレヴンはニックではない、人違いだと主張するがボスは聞き入れない。仕方なく引き受ける。ボスはプロの殺し屋グッドキャットにも殺しを依頼していた。グッドキャットはラビからも殺しを引き受けていた。ボスの息子を殺した犯人を捜索中の刑事ブリコウスキーは、調査するうちスレヴンに狙いをつける。ニックの部屋の隣に住む監察医リンジーは、偶然出会ったスレヴンと親しくなり、いっしょに事件の謎を解き始める。どっちかというと目つきの鋭いルーシー・リューがスレヴンに惚れ込んでしまうところのかわいらしさを、案外無理なく演じている。彼女は…これをいうとネタバレもいっしょなので伏せておくが、スレヴンと恋人関係になる。20年前からひきずる事件に翻弄されつつ、ラビの部屋を訪れたスレヴンはラビを、さらにはボスを拉致拘束する。椅子にしばりつけられたギャングふたりが、スレヴンから聞かされたのは20年前に端を発した、一家惨殺事件の一部始終だった▼マックスの妻子を殺すよう依頼をうけたのはグッドキャットだった。ブルースがまだいくぶんふさふさしたカツラをかぶって現れるところがおかしい。マックスの子供も殺さなければならないグッドキャットだったが、子供だけは助けた。以後子供(スレヴン)とグッドキャットは一心同体となって殺し屋稼業をやってきた。20年前当時はまだ仲がよかったボスとラビが、八百長事件の借金がもとで、いっしょになって父親を殺したことを知ったスレヴンは、育ての親・グッドキャットに特訓その他指導を受け、復讐の機会を狙っていたのだった▼最初はとても殺し屋にみえなかったジョシュがだんだんそれらしい雰囲気をだし、一気に謎解きに持ちこんでいきます。彼は自分の命を助けてくれたグッドキャットをホントの父親のように思っているのですが、最後に反逆する。どんでん返しのキーパーソンは人まちがいかと思うほど可愛いかったルーシー・リュー。デヴィッド・リンチやデヴィッド・クローネンバーグならいざしらず、ポール・マグウィガン監督としてはかなり厳しい報復ですが、いくら借金したといっても罪もない家族を皆殺しにしようとしたのだから、そりゃひどいわね。ギャングの頭目ふたりがお城のようなビルの最上階に陣取ってお互いを望遠鏡で見張って牽制している設定はかなりのブラック味でした。

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