女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

シネマ365日

2014年9月27日

硝子の塔 (1993年 サスペンス映画)

監督 フィリップ・ノイス
出演 シャロン・ストーン/ウィリアム・ボールドウィン

90年代のエロティックシンボル

 シャロン・ストーンは相変わらずお元気なようです。デミ・ムーアと並ぶクーガ女優の双璧みたいにいわれますが、最近若いモデルとの破局が伝えられたあと、どうなったのでしょう。お相手とは27歳年下のアルゼンチンのワイルド系モデルでした。別れた噂が流れた一方、ビバリーヒルズのオフィスからふたりが仲良く出てきたところをキャッチされたのがシャロン54歳のとき。このごろリッチな熟年女性に面倒をみてもらいたいツバメ志願の男性が増えているそうです。需要と供給の問題だとすれば、シャロンは今後ますますお盛んになっていくということでしょうか。仕事面でも順調のようです。なにかとお騒がせの多いリンジー・ローハンが降板して、アマンダ・サイフリッドが主役を引き受けた「 ラヴレース 」。同作にシャロンはアマンダの母親役で出演しました。ラヴレースとは1970年代伝説のポルノ女優、リンダ・ラヴレースのことです。27歳のアマンダと並んだツー・ショットがあります。口をパックリあけて呵々大笑しているのがシャロン。アマンダは固まっていて、あの大きな目が心なし宙を見つめている。シャロンはアマンダの腰をグイッとひきよせ「アッハッハ」。アマンダってあの通り小柄でしょう。174センチのシャロンがヒールを履いて並ぶとぶらさがっているよう。困惑したアマンダの顔は、保護者懇談にきた肝っ玉母さんに運悪くつかまった問題児みたい▼でもこんなことぐらいなにを今さら…数年前シャロンが50歳になったころだ。大胆に胸をあけたボンデージ・ファッションで世間を驚かせ、なかには「見たくもないものを見せられた」というきつい評もあったが、悠然と受けてたったシャロン、「人がやりたいことに年齢制限するほうがおかしい。自分の体でなにかを表現するのに、だれかに遠慮しなければいけない年齢ってあるの? わたしの写真をみてあれこれいう人は、その人の年齢に対する考えが現れているっていうことよ」ハリウッドではユマ・サーマンのIQ160につぐシャロンのIQ 154。そのへんの酷評なんぞ粉砕するのは屁の河童。ジムに通い汗を流しウェイトトレーニングで筋肉をつけ、食生活は揚げ物とクリームソースを制限し、55歳だろうと60歳だろうと「だれかに遠慮しなければいけない年齢ってあるの?」で突き進むこと疑いなし▼いつも話題性に富むシャロンのゴシップでつい手間取ってしまった。肝心の「硝子の塔」にいこう。1993年公開ですからシャロンが33歳のとき。いうまでもないですが、彼女はこの前年「 氷の微笑 」で世間をアッといわせ90年代のエロティック・シンボルなんていわれることになります。同作のパンティをはいていないとされるシーンでは、監督のポール・バーホーベンが、自分に黙って撮影したとあとでシャロンがカンカンになったとか。まさかパンティ問題に決着をつけるつもりではなかったでしょうが、劇中シャロンがレストランでパンティを脱ぎ、てのひらにまるめてウィリアム・ボールドウィンに渡すシーンはかなり悪趣味ですな▼フィリップ・ノイス監督は「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」「ボーン・コレクター」「 ソルト 」などでハリソン・フォードやアンジェリーナ・ジョリーのヒット作をつくった人です。本作も悪くありません。芸達者の出演者のなかでも出色はウィリアム・ボールドウィンでしょう。男子4人が全員俳優というボールドウィン家の三男。本作のときシャロンが33歳、ウィリアムが30歳でした。タレ目で細面。かぼそく見える体型なのに裸体になると腹筋バキバキ。腕にも肩にも鋼鉄のような筋が走っている。彼がヌラ~とした変態男を演じました。親の遺産でマンハッタンの高級マンションを相続したオーナー、ジークが彼。高所得者が居住する豪壮に引っ越してきたカーリー(シャロン・ストーン)は出版社の編集者だ。彼女の部屋に以前住んでいた女性が飛び降り自殺をしたと聞く。つぎに大学教授が風呂で変死する。続いてカーリーの隣の部屋の女性が殺される▼登場人物の数が少ないので犯人の予測は簡単につきますが、本作はむしろ犯人探しより、変態趣味のいやらしさ、反社会性、隠微な快楽、ひとことでいえば倒錯への惑溺が黒い感情を撹乱します。抑圧した不安をかき乱すような音楽がハワード・ショアです。シャロンは倒錯にひきずられながらも「そんなことまちがっている」とか「社会的に許されないわ」と精一杯抵抗する。でもウィリアムという金もあり地位もある妖しい変態男とのセックスにのめりこんでいく、そんなとめどない女の感じをよくだしていました。なのに本作はラズベリー賞の最低主演男女優・最低監督・最低助演男女優・最低脚本各賞にノミネートされています。こうなるともはや勲章ですね。