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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2014年10月2日

特集 LGBT-映画にみるゲイ85
サイド・エフェクト(2013年 ゲイ映画)

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監督 スティーヴン・ソダーバーグ
出演 ルーニー・マーラ/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/ジュード・ロウ

ワルの女が面白い 

 ミステリーでもあり、サスペンスでもあり、ソダーバーグのいい映画だから、あえて「ゲイ特集」にいれなくてもよかったのですが、たまたまこんな記事を読んだのよね。ゲイの擁護団体が「ハリウッド映画のなかで同性愛やバイセクシュアルの登場人物が描かれていたのが、全体の15%に満たなかった、トランスジェンダーの登場人物は大手映画スタジオの作品に出ていなかった」そこで同団体の広報担当は「映画は米国文化の中でも強い影響力を持っており、海外にも輸出されている。だからこそ同性愛者や、バイセクシュアル、トランスジェンダーの登場人物が少ないという現状は変えていく必要がある」とコメントした▼まさかソダーバーグがそのせいでゲイ・シーンをつくったわけでもないでしょうが、本作のソコは本筋にあまり関係あると思えないのよね。ヒロインのエミリー・テイラー(ルーニー・マーラ)と彼女を診察した医師ヴィクトリア・シーバート博士(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)がいきなり抱き合ったときは(なな、なにすんのよ、あんたら)ホント、のけぞったわ。前後のお話にかかわりなく、そうなる必然もないゲイの出し方も現れてきたのねと妙に感心したわ。ハリウッドもテンプレ化してきているから、こういう唐突感ってますますフツーになっていくとしても、なんかなあ。比率や割合や人物の数を割り当てることで論じることではないように思うけど。エミリーとヴィクトリアの関係はやれ愛だ、ヘチマだというマインドの問題ではなく、謀略と裏切りのゲイですからね。これこそ最近ふえてきた〈どんでん返しのゲイ〉のひとつですね▼この映画は手短に言うと、ワルの女ふたりが正義の男ジュード・ロウにやっつけられる勧善懲悪ものです。チャニング・テイタムも出演していますが、早々に殺されて退場。こってり味のゼタ=ジョーンズと、「ドラゴン・タトゥ」のパンクなオタク女と打って変わったお嬢ちゃん味のルーニーが企んだ事件とは。そこはさあ、やっぱりソダーバーグというか、息がとまるほど追い込んでいく密度の高い詰め方。でもね、最後で幸福なラストを迎える〈めでたし・めでたし〉のジュード・ロウより、思いつく限りの策を弄して御用になり、反省の色もなく歯軋りしているワルふたりのほうが、感情の保有量からいうと(たとえ悪の感情でも)彼女らひとつも乏しくないし、たっぷりしたものを使いまくったって感じがいいのよね▼ウォール街のエリート金融マン、マーティンの出所から映画はスタート。彼の妻エミリーは新婚直後、インサイダー取引でマーティンが逮捕されてから生活は激変、豪奢な邸宅は没収され、4年の刑期を終えた夫と貧しいアパートで再出発する。ある日エミリーは駐車場で車を壁に激突させる。ブレーキを踏んだ形跡のないことから、診察に当たった医師バンクス(ジュード・ロウ)は、彼女の自殺未遂を疑う。エミリーは夫が収監中にうつ病を発症しており、それがぶり返していた。以前エミリーを診察したシーバート博士に相談したバンクスは、エミリーが睡眠障害や吐き気といった薬の副作用に悩んでいたことを知る。エミリー本人の希望によってアブリクサという新薬を与えると劇的な効果を示し、エミリーの症状は改善した▼しかし新薬にも副作用があった。エミリーは夢遊病のように記憶を一時喪失する症状に陥る。まもなくマーティンの死体が自宅の台所で発見された。通報したのはベッドで眠りから覚めたばかりのエミリーだった。エミリーは殺人容疑で拘束されるが、マーティンの母親がテレビでアブリクサの副作用を糾弾したことから同社の株は暴落。バンクスもエミリー自身が希望したとはいえ、アブリクサの危険を見抜けず投薬したことで、マスコミから袋叩き。職場は解雇、妻にも見棄てられる。みすぼらしく無精髭をのばしたバンクスはでも頑張る。アブリクサが引き起こす睡眠時の異常行動をネットで検索していたバンクスは、シーバート博士が事前に副作用について知っていたのに、自分に忠告しなかったことに疑問を抱く(ここは都合よく運びすぎだけど)。それまで楚々としたお嬢さんふうだったルーニー・マーラが、ゼタ=ジョーンズを刑事につきだす手練手管ときたら、折り紙つきの莫連女です。おもしろい女優さんになりそうですね。

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