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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2014年10月21日

特集 LGBT-映画にみるゲイ104
マンハッタン恋愛セラピー(2006年 ゲイ映画)

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監督 スー・クレイマー
出演 ヘザー・グラハム/ブリジット・モイナハン/トム・キャヴァナー

とてもハートフル

 30になるまで自分のセクシュアリティがわからんのか、とは思いますが、なんせヒロインのヘザー・グラハムが無邪気というか、嫌味がないというか、あくまで素直に向き合うところに好感が持てます。彼女をとりまく人たちがみないい人ばかりなのも普通ならできすぎなのですが、アラン・カミングとかシシー・スペイセクとか、レイチェル・シェリーの助演陣が分厚いので脇見させません。三人とも説明の必要はないと思いますが、シシーは「歌え!ロレッタ愛のために」のオスカー女優、というより一部ファンには初代「 キャリー 」といったほうが、通りがいいかも。アランとレイチェルは「 Lの世界 」のレギュラーです。アランはグラフィック・アーティストと本作の一年後同性婚しました。劇中ゲイに悩むヒロインをリードし、実際的なアドバイスを与えます。レイチェルは「Lの世界」では大富豪の娘ヘレナの役。知性的な容貌のわりにしょっちゅうドジを踏み、刑務所にまで入る人気キャラでした。本作ではついにヒロインがめぐりあう相思相愛のパートナーとして登場します。女性監督のスー・クレイマーが、下手うつと誇張やわざとらしいさや偽悪っぽさが目につくビアンな関係を、明るく後味よく、前向きにまとめています。ヒロインが恋人と一夜をともにし(やったぞ!)飛び上がって喜ぶラストシーンの朝帰りには笑いました▼グレイ(ヘザー・グラハム)とサム(トム・キャヴァナー)はニューヨークでいっしょに暮らす兄妹。ダンスをしたりジョギングしたり、恋人同士とまちがわれるほど仲がいい。サムは犬の散歩で偶然出会った動物学者のチャーリー(ブリジット・モイナハン)と電撃的な恋におち、翌日結婚宣言。グレイはとまどうもののチャーリーは魅力的ですっかり好きになる。独身最後の夜、ホテルでいっしょに過ごしたグレイとチャーリーは酔に任せて熱烈なディープキス。翌朝チャーリーはケロリとしているがグレイは自分の真のセクシュアリティに気づき悶々。三人は兄妹と兄嫁としてなんの不思議もなく同居生活を始めるが、グレイの恋情はつのるばかり。たまたま知り合ったタクシーの運転手ゴーディ(アラン・カミング)や同僚のキャリー、精神科医のシドニー(シシー・スペイセク)に相談(この精神科医がひとつも役にたたない)。結局グレイの相談役みたいになったゴーディは、グレイのレスビアン・バー初体験に付きそって案内。どこまで幼い三十女かと思うが、ヘザーの健闘に免じて目をつぶろう▼グレイはチャーリーに愛をうちあけようとするが、彼女はまったくのストレート、兄の幸福をこわしてはいけない、失意のうちにも身を引く(もともとなにもなかったのだけどね)。兄は兄で「わたしはゲイなの」と妹の告白を聞き、子供の頃から「知っていた」と冷静に対応するが「好きな人は兄さんの妻なの」と聞き及んでは「出て行ってくれ」と妹を追い出す。八方ふさがりのグレイ。バーで良き友ゴーディ相手に飲んでいると、混雑する入場者のなかにジュリア(レイチェル・シェリー)が。彼女はグレイの上司だ。よりによってビアン・バーで鉢合わせなんてとあわてるグレイに、近づいてきたジュリアは「ゲイだったのね」と笑顔で話しかける。あとはもう勢いで成るようになったということ▼この映画は8年前の公開ですね。今からみると、ゲイというセクシュアリティにとまどうヒロインが(ええーッ。こういう時代もあったのだ)と新鮮に思えるほど、ゲイのあり方は変化し進んできました。もちろんこんな世界ばかりではないですが、ともあれハートフルな映画です。

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