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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2014年10月22日

特集 LGBT-映画にみるゲイ105
サーティーン/あの頃欲しかった愛のこと(2003年 ゲイ映画)

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監督 キャサリン・ハードウィック
出演 エヴァン・レイチェル・ウッド/ニッキー・リード/ホリー・ハンター

思春期という不定形 

 サンダンス映画祭というのは、もひとつとらえどころのない映画に賞を与えるものだと思っていた。この映画、サンダンスの監督賞ですってよ。やっぱり。だいたい思春期の子って夢みたいなもので、ふわふわと小うるさいことで大げさに悩むでしょう。だれしも通ってきた道だからあんまり人さまのこと、えらそうにいえた義理じゃないけど、おしなべてろくな悩みじゃないのよね。食べて寝て着て、すべて親の丸抱えでいるくせに脳の一部だけが肥大するとか(たとえばセックスとか異性・同性関係とか)。それに対応すると言っても十人十色で方程式のような解決策ってないのよ。この映画だって13歳の真面目な、母親思いで成績優秀な女の子トレイシー(エヴァン・レイチェル・ウッド)が、学校のアイドル的存在イーヴィ(ニッキー・リード)に憧れるが、ソックスがダサいとか、もっさりしているとかバカにされ、どんどんイメチェンしてイーヴィの関心をひこうとする、イーヴィは相手にしていなかったがトレイシーが大金の入った財布を盗んで、これでショッピングに行こうと誘ってから仲間として行動し、ふたりは親友になる。なんのことはない、トレイシーはイーヴィの不良仲間にはまったわけよ▼トレイシーの家は母子家庭だ。母親メラニー(ホリー・ハンター)が美容師として働くほか、近所の子供を預かり、コマネズミのように動いている。離婚した元夫は子供には無関心でろくに慰謝料も払ってこない。女手ひとつでトレイシーとその兄を育ててきた。さいわいふたりとも母親思いのいい子だったのに、最近トレイシーの様子がヘンだ。イーヴィはトレイシーの家に泊まり続けている。いつもふたりで行動し舌ピアスに臍ピアス、ドラッグ、セックス、酒、盗みと非行はエスカレートしていく。母親には反抗的な態度を取り、邪魔者扱いする。母親は元夫に相談するが首を突っ込みたくない男親はなおざりな対応しかしない。優秀だったトレイシーの成績はガタ落ち。このままでは落第だと教師に通告される▼頭がよくて勉強もよくでき、自分で詩を書き母親に読んできかせるような感受性の豊かなトレイシーが、なんでイーヴィに魅力を感じたのかわからないが、完全に道を踏み外しちゃったのね。ふつう母親が一生懸命働いている家って、子供は親孝行なものだけど、アメリカの事情はわかりませんわ。イーヴィっていう子は虐待されるから家には帰りたくない、トレイシーの家におらしてほしいと言うのだけど、どこまでがどうかわからない、しがみつけるものはなんでもしがみつこう、そのために利用できるものはなんでも利用しようという感じね。イーヴィの母親はトレイシーといっしょにいると娘がダメになるといい、トレイシーの母親は娘がこうなったのはイーヴィのせいだとする(当たりだけど)。母親はぼろぼろになったトレイシーを見棄てない。トレイシーはどうしていいかわからなくなると、おびえてリストカットする自殺願望に陥っている。手首の傷でそれを知った母親は「あなたはわたしの命よ。見捨てるものですか」と言って抱きしめる。まったく母親業ほど割のあわないものはないな。トレイシーが絶叫する、なんとなく再起の予感だけは残すシーンでラストになるのだけど、言ったように思春期を万全に過ごす方程式なんてないからさ、どんなひどい目にあったとしても、それを糧にだから彼女がマトモになるかどうかはわからないことね。一生を棒に振るかもしれないのよ。母親がいる限り大丈夫だろうとは思うのだけど。兄貴だっていい兄貴ですよ。トレイシーが自分自身の甘えと、イーヴィに入れあげたアホさ加減に気がつくかどうかよね▼ホリー・ハンターは激賞ものね。そうそう。キャサリン・ハードウィックはこのあと「トワイライト~初恋~」やら「赤ずきん」でヒットを飛ばした。大人になりきれない女ばっかり扱っているけど。大人の女は手に余るのかよ。マシュマロみたいなぶよぶよした思春期って、それなりにひとつのジャンル映画だしね。あんまり興味ないけど、まあいいか。

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