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シネマ365日

2014年11月13日

特集 ビークル・ムービー エアフォース・ワン (1997年 アクション映画)

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監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 ハリソン・フォード/ゲイリー・オールドマン/グレン・クローズ

かなりの傑作です 

 それにしてもハリソン・フォードの合衆国大統領。テロに専用機(エアフォース・ワン)を占拠されたあと、単身機内に残り身を潜めながら、携帯の使用説明書を読んで番号案内を呼び出し「ホワイトハウス」の番号を教えてくれと頼む。「代表番号でいいですか」「いい」そして電話する。「こちらホワイトハウス」「大統領だ」いたずら電話だと思った交換手「わたしはファースト・レディよ」こんなセンスがいいですね。やっと対テロ作戦本部につながった。大統領が生存しているとわかって閣僚らは活気づく。副大統領キャサリン(グレン・クローズ)が指揮を執っている。国防長官ウォルターはこういう場合は「国防長官が指揮を執るものだ」とネチネチ牽制する。国防長官一派と大統領は反目らしい。副大統領は指揮権を委譲するなんてとんでもない、法的に正しいのか確認したいと法務大臣を呼ぶ。ホワイトハウスの中でも空でも事態はひっくり返った。大騒動を描かせたらウォルフガング・ペーターゼンは冴えまくります▼エアフォース・ワンの内部が具体的に説明される。一言で言えば「空飛ぶ要塞」である。ハイテク完備だって? そんなどころかい。ミサイル防御装置だってさ。敵方の射ったミサイルがエアフォース・ワンに近づくとグググ~ンとカーブして逸れてしまうのだ。こんな飛行機どうやって撃墜するのだ。でもやるのだ、このテロ軍団は。テロの頭目イワンがゲイリー・オールドマン。この人、悪役ばっかりやっているうちに悪人ヅラを通り越して狂信的宗祖の顔になってきたわね。まあその憎らしさ。大統領がかすむじゃないか、といいたくなる。大統領は「キャサリン、テロに屈してはいけない。ネズミに菓子をやると次はミルクを要求する」とか「大統領に生活はない」とか、セリフはいちいちカッコよすぎるほど決まっているのよ、最初のうちは▼それにやたら強い大統領でしてね。単身銃撃戦にいどみ被弾はカスリ傷だけ。不死身の大統領である。護衛のSPたちが身を呈して大統領を脱出させようとしているのに「家族がいる、捨てては行けない」って、そらまあ、パパとしてはいいかもしれないけどなあ。大統領のために死ぬ男たちの自己犠牲には胸が熱くなる。テロたちに「進路を変えろ」と強要され「できません」と拒否して銃殺される機長。大統領が狙撃された瞬間身を投げ出してかばったSP。ミサイル防御網が稼働しない、故障だとみてとった護衛機のパイロットは「自分が行きます」そういってエアフォース・ワンの盾となって撃墜されるのだ。で、大統領は機内で何をしていたか。妻と娘に拳銃をつきつけたゲイリー・オールドマンの憎々しい条件を飲むのだ。ハリウッド・ヒーローのハリソン君の映画だから、こういうシーンをこしらえるのは妥当かもしれないでしょうけど、ホントはどうなの。こういう大統領って、ただの熱血バカに見える危険はないでしょうか▼テロ対策本部では、おお、国防長官が指揮権をめぐる法的解釈として「大統領解任もアリ」を持ち出したではないか。賛成票を集めキャサリンに解任案にサインしろと迫り「彼は大統領ではなく家庭人になっている。歴史はこの瞬間の君を評価する。さあサインを」こんなドラマティックなセリフ、一度でいいから言ってみたいわ。役者が誰あろう、ディーン・ストックウェルよ。子役から生き延びた数少ない男子。一時の仮死状態から息を吹き返し、しぶい性格俳優になりましたよ。「 パリ、テキサス 」では主人公の心やさしい弟、「ブルー・ベルベット」では薄気味悪い「粋なおかま」。本作では正副大統領をもろともに葬ろうという陰謀家をいやらしく好演します。最後まで大統領を脱出させようと挺身しながら倒れるウィリアム・H・メイシーとか、ハリソン君の獅子奮迅もさることながら脇がよかったですね。いくらエアフォース・ワンでも機内で拳銃はむろん、機関銃をバリバリ撃ちまくるのよ、もちろんガンガン壁に当たるのだけどなんともないのね。ここまで神がかり的だとたとえバズーカ砲を発射してもこの飛行機ならヒビひとつ入らないみたいだけど。よくわからないことがいっぱいあるにもかかわらず(うるさい、そんなことどうでもエエやろ)と思わせるすごい映画です。

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