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シネマ365日

2014年11月24日

特集 ガーリー女子会 ペネロピ (2008年 ファンタジー映画)

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監督 マーク・パランスキー
出演 クリスティーナ・リッチ/ジェームズ・マカヴォイ/キャサリン・オハラ/リース・ウィザースプーン

すべての女の子に知ってほしいメッセージ 

 自分の容貌が気にならない人はいないでしょうけどね、この映画のヒロイン、ペネロピは魔女の呪いによってブタの鼻と耳をもって生まれてきた。多少の美醜という範疇ではなく怪物に近い。両親とくに母親は嘆き悲しみ、娘につらい思いをさせないため家から一歩も出さずに育てる。ペネロペの家はイギリスの名門ウィルクハーン家である。ペネロピは聡明な、鼻と耳を除けば美しい少女で、なに不自由ない教育を受け、いくつもの部屋と広い庭のある屋敷内で運動にもことかかず、すくすくと育つ。父と母はこよなくひとり娘を愛し、娘もまた両親が自分を不憫に思う気持ちを察して、明るく、わざとわがままに振る舞うのだ。呪いを解く方法がひとつだけあった。ペネロピと同じ名門の男子が結婚してくれることだった▼適齢期に達したペネロピの婿選びが始まった。英国の名家から選ばれた青年が部屋に通され、警察が面通しするのと同じ、鏡越しにペネロピがお話したり観察したり、気分がほぐれたところで部屋から現れる。青年たちは振り向いて叫び声をあげ、一目散にダッシュして二階の窓ガラスをぶち割り、飛び降りるのだ。そのあとを執事が追いかける。途中で捕まえ、屋敷で見た顔のことを口外しないと誓約書を書かせるためだ。そのため執事は赤いスニーカーをはいて窓の下に待機している。バリーン、バリーン、バリーン。ガラスの破壊音とともに景気よく飛び出す男子ら。スピーディなショットの切り替えが小気味よい。衣装やら小物やら、インテリアがすべて女子向けで可愛く、おとぎ話の雰囲気がいたるところにたちこめ、ブタ鼻のペネロピと窓から飛び出す男子がコミカルに描かれる▼ところがついにペネロピの顔をみても逃げなかった男子が現れた。彼は貧乏貴族のマックス(ジェームズ・マカヴォイ)。彼はギャンブルで身を持ち崩し借金を抱えていたところ、ペネロピのブタの鼻を特ダネにしようと網を張っている記者に抱き込まれ、5000ドルでペネロピの鼻を隠し撮りすることを請け負ったのだ。鏡の部屋にはペネロピの方からだけマックスが見える。マックスは気さくに話しかけ「外に出よう、いつかそうしなくちゃいけないのだから」と誘う。ペネロピは大いに心動く。マックスも異形の顔にもかかわらず素直な心のペネロピに惹かれる▼ちょっとした行き違いでマックスを遠ざけたペネロピは、思い切ってひとりで街にでる。長いマフラーで顔を隠し、ショーウィンドウを覗いたり、にぎやかな大通りを歩いたり、街ゆく人、初めてみる風景、なにもかもペネロピには衝撃的で楽しい。ホテルに入って部屋を取るのも初めてだ。宿泊の手続きがわからず「お客様、お支払いは」と聞かれ、母親のカードを見せる。名門ウィルクハーン家のカードは限度額無制限。いっぷう変わった少女であるものの、フロントはイチもニもなく無条件OKだ。ペネロピはまず両親に連絡して心配するなと安心させ、ホテル暮らしを始める。マックスから聞いていた「ビール」なるものを飲もうとバーに入り注文した。マフラーを取れないのでストローをもらった。マフラーの下からストローで飲んでいると、隣にいた若い女が「あんた逃亡者? 整形の失敗?」と聞いてきた。これがアニー(リース・ウィザースプーン)だ。彼女は本作の製作者でもありこのとき32歳。本作の撮影中とオスカーが重なり多忙を極めていた。それにしても32歳までにアカデミー主演女優賞を取り、映画製作に乗り出し「キューティ・ブロンド」で大ヒットを飛ばしている。ハリウッドってやっぱり底力のある女が出てくるところだと思うわ▼さて主演のクリスティーナ・リッチって聡明な子ですね。ブタ鼻だろうとなんだろうとヘッチャラでしたね。10歳で子役デビュー、11歳で「 アダムス・ファミリー 」のウェズデイ。15歳のときの「キャスパー」は2億8000万ドルの大ヒット。アン・リーら名監督のもとで働き、ウツ依存症やらセックス依存症やらの難しい役をこなし、いまさらブタ鼻がどうした。共演してこの目でみた「 モンスター 」のシャーリーズ・セロンの体重大増量による壮絶なまでの女優魂に比べたら、ブタ鼻なんか(ケッ。子供だましよ)と思ったにちがいない。ノリノリのムードで演じています▼結局、これも後年の「アナと雪の女王」に通じるのですが、ペネロピの呪いを解くのは結婚の申し込みでも愛の告白でもないのです。アニーといっしょに広い世間とのびのびした生き方を知ったペネロピは自分の写真をとってブタ鼻を公開、一挙に有名人になったペネロピは母親に「ママ、わたしこのままでいいわ、今の自分が好きなの」と言ったとたん、呪いが解けた。ありのままの自分を受け入れ、自信をもったらいいのだ、それが人生を切り開く方法だとペネロピは教えてくれる。クリスティーナ・リッチはインタビューでこう答えています。「人は自信のなさで身動きがとれず、思い通りの人生を送れないことがありますが、そうならない方法をこの作品から学ぶことができるはずです。ありのままの自分を受け入れることは大切なメッセージです。ペネロピの救世主は男性ではなく彼女自身でした。自分を救えるのは自分だということをすべての女の子に知ってほしい」。

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