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シネマ365日

2014年11月26日

特集 ガーリー女子会 アパートメント1303号室 (2012年 ホラー映画)

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監督 ミシェル・ダヴェルナ
出演 ミーシャ・バートン/レベッカ・デモーネイ

亡霊のイジメ映画

 ミーシャ・バートンの激痩せ・激太りがサイトに出回りだしたのはいつごろからだろう。この映画は2012年公開だ。彼女はほっそりして背が高く、ヒロインを演じるのに不足のない、独特の雰囲気がある。独特の、とは具体的にあげていけばこんなことだ。子役から順調に歩んできた。子供のときの、といえばいちばんに「 シックス・センス 」のゲロ吐き少女を思い出すが、「 翼をください 」ではしっかりした美少女に成長していたし、「処刑教室」ではブルース・ウィリスと共演していたし、「 you and I 」ではゲイの役にも挑戦した。せっかくのキャリアを(いくら人生に無駄はないといっても)20代という「なんでもやってやろう、見てやろう」という人生の仕込みの時期を、くだらないトラブルで浪費しているとしか思えない。この映画は2012年だ。スラリとした175センチの身長、長いストレートのブロンド、演技力とかヘチマとかいうけど、ミーシャは見ているだけで保つ、姿のきれいな女優のひとりなのに▼一人合点の勝手な解釈であると承知の上でいうのだけど、彼女の大きな目に太刀打ちできるのは業界広しといえどただひとり、アマンダ・セイフライドだけだと思っている。年齡も同じくらいだろう。アマンダがめきめき上昇気流に乗っているのにひきかえ、どうしてミーシャ、お前はぐずぐず停滞しているのだ。その理由を考えるとき、しみじみ思うのがミーシャの目の冥さなのよね。アマンダのキッとした大きな目が地球外生物みたいな光を発するのに比べ、ミーシャの双眸は月蝕みたい。アマンダだってわりとホラーやサスペンスの出演は多いのよ。多いけど、最後は相手をやっつけるとか、うちのめすとか、めっぽう気の強い役なのよね。それに比べミーシャの影にまわってばかりいる内向的な役回り。キャスティングの担当者だって、本人の持ち味からバカバカしくかけ離れた役って、そう持ってこないものよ▼レベッカ・デモーネイが昔の大歌手で今は酒浸りという母親役で出てくる。ミーシャはそれにからむ長女ララ役。妹が部屋を借りて出て行った。借りた部屋には昔自殺した母娘の亡霊が棲みついているから早く出て行けと、隣室の薄気味悪い少女が警告する。妹は翌日窓から亡霊に突き落とされて死ぬ。姉が妹の死んだあと部屋を借りて真相をつきとめようとする。自分たちの家だと思っているのに他人が入ってくるのが気に入らないらしく、母亡霊は毎夜ひんぱんに現れいやがらせをする。娘が母親を殺したのか、母親が娘を殺したのか、なんだかそういう部屋なのだけど。つまり事故物件でしょう、借りる前にわからなかったはずないでしょ? それを教えるのが不動産屋ではなく妹の自殺の聞き取りにきた刑事だというのもおかしな話ね。でもまあ親切に過去の経緯をぺらぺら説明してくれたのだから、その段階で普通なら荷物まとめて引っ越すでしょう。この部屋にとどまっている理由がないのになんでグズグズしているのか。ララは母親とうまくいかないらしいけど、ララは喫茶店のウェイトレス、妹はふつうのOL、超ジコチューの母親にはみな意地負けする。亡霊だってとりつく相手を選ぶわよ。美人だけど性格の弱い姉妹が、亡霊のイジメにあったというのがこの映画だ▼途中すべてはララの妄想で、殺しはララのしわざではないかと思ったけど、ちゃんと亡霊が姿を現して(それがね、全然亡霊らしくない太めの脚なのよ。こんな健康そうな亡霊でいいの?)母親も妹のボーイフレンドも殺して行くのだから、実行犯はやっぱり亡霊よね。芸もヒネリもないことおびただしいわ。アパートの隣の部屋の謎の少女も、勝手に部屋に入ってくるチビの管理人も結局は亡霊仲間だった。冒頭「素敵なアパートよ」と感激していた妹が、着くなり電話で「姉さん、気味が悪いわ、この部屋」なんて辻褄のあわないことおびただしい。ボーイフレンドが妻と別居中で、その妻から再三再四ケイタイがかかってくる。ろくな話でもないのに、でてくるだけ無駄な役だわ、この人。レベッカがさすがに「あの人はいま」ふう、過去の栄光にすがるわがまま女を好演。存在感を放っていた。こういうアクの強さを出せるキャラがミーシャにあればいいのに、亡霊にやっつけられっぱなしでどうするの。それに前よりきれいになっていたわよ、レベッカ姐さん▼ミーシャは陰気な役ばかり自分から引きつけていますね。思い切り体を鍛えてアクションか、いっそヴァンパイアでもやればどうか。体づくりをしっかりやれば、違った役が入ってくるのに。いま40代、50代の第一線で主役を張る女優が、痩せたとか太ったとかの話題を世間に提供したことある? 本気で仕事する女にそんなヒマ、ないのだよ。がんばれよ、ミーシャ。 

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