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シネマ365日

2015年1月7日

特集 お正月いっしょに笑いたい男 ミート・ザ・ペアレンツ2 (2004年 コメディ映画)

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監督 ジョイ・ローチ
出演 ロバート・デ・ニーロ/ダスティン・ホフマン/バーブラ・ストライサンド/ベン・スティラー/ブライス・ダナー

火に油を注ぐ笑い 

 元CIAの超堅物ジャック・バーンズ(ロバート・デ・ニーロ)家と、リベラルにしてラディカル系バーニー・フォッカー家の対比が誇張されすぎ、食傷しても当たり前のところを、出演者たちが糊を効かせ折り目筋目をピンと立てている。うるさいほどシモネタを連発する父バーニー(ダスティン・ホフマン)と母ロズ(バーブラ・ストライサンド)に、初めて嫁を合わせることになった看護師のグレッグ(ベン・スティラー)。一般社会からドロップアウト一歩手前の変わり者の両親と、カチコチの義父がうまくいくはずがない。それでなくてもジャックは娘可愛さの余り、婿になるグレッグが憎らしくて仕方ない。自分に対する冷たい義父の本性をグレッグはちゃんとわかっているのだ。グレッグにとって両親のいるフロリダには暗雲たちこめている▼さてジャックは孫のリトル・ジャックにメロメロのうえ「バーンズ式教育」で徹底的な管理教育。バーニーはそれをあざ笑い、自分は息子を「フォッカー式」で育てた、人間は競争によって幸福にはなれないと一席ブツが、アメリカが超大国になったのは競争社会を勝ち抜いたエリートによって牽引されてきたからだ、お前たちの主張は負け犬の遠吠えだとケラケラと嘲笑仕返す。デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、この二人の掛け合いの「火」に油を注ぐのがだれあろう、バーブラ・ストライサンドだ。彼女の監督作品が、オスカーの「監督賞」を逸することが多かったのは、彼女へのただならぬ嫉妬のせいだというのがもっぱらだった。そう言われても仕方がないくらい、バーブラはアメリカで最も成功した女性アーティストのひとりだ。しかしだれにでも弱点はあるもので、彼女の場合、子供のころ死別した母親が、娘が不器量である(特に鼻について)と言ったことが、彼女の容貌コンプレックスになったというのが業界の定説だったが、たかが鼻ひとつ、大きすぎようと何だろうと整形もせず、あらゆるマイナーをすべてプラスに、リッチに逆転させる「ストライサンド効果」のほうが、今ではハリウッドの通説になっている▼2014年バーブラは72歳、デ・ニーロは71歳、ホフマンは78歳だ。この3人が悪ノリして羽を伸ばすと、さすがのベン・スティラーも影が薄い。ホフマンの父親は、弁護士とはいうものの息子が生まれてから完全リタイアし、専業主夫をやってきた。バーブラの母親は医師であるが、目下専門とするのは高齢者のセックス・セラピーである。ふたりは今も情熱的で堅物の義父の前でこんな会話を交わす。「性欲も10代よね」「今日もマチネー興行さ」「やめなさいよ、あなた」「2本立てはどう?」こういう話題を忌み嫌うのがジャック。おかまいなしに連発するバーニーとロズに苦り切る。バーニーの愛犬モーゼスがトイレにはまると、すかさずジャックの愛猫ジンクスが水を流す。排水管にはまりこんだ犬をつかみだすために、バーニーはハンマーでトイレを砕く。そのトイレとはジャックが別注した装甲車のような「走るホテル」豪華キャンピングカーの設備…▼ジャックの妻ディナ(ブライス・ダナー)は良妻賢母を絵に描いた母であり妻だが、最近おもしろくない。夫ジャックが孫にのめりこんで妻は放りっぱなし。娘に「パパと最後に寝たのはいつ?」と聞かれても思いだせないくらい彼方。ロズはディナを誘い女ばかりでショッピングに行く。結婚まで処女でいるバーンズ家のルールに反し妊娠した娘と婿のグレッグはうろたえるが、母親たちはすでにお見通し。「女同士の会話」によって3人は意気投合し、ロズは男をその気にさせるセックスのツボをディナに伝授する(ブライス・ダナーはグウィネス・パルトローの実母)。男たちは男たちで、いつやむともしれぬ嫌味の応酬に、疲れる様子もなく意気軒昂。グレッグの隠し子疑惑が持ち上がり、元CIAの遺伝子調査によれば父親は別人と判明。自信満々だったジャックも「間違える時がある」と反省し、娘の妊娠もわかったことだし、善は急げと映画は幸福の大団円で締め。本作シリーズは現在「3」まで作られ公開済み。次作もダスティン・ホフマン、バーブラ・ストライサンドが夫婦役でからんでいます。シリーズ物といえば飽きがくるのが常道ですが、刺激しあっているレギュラー陣の好調が続く限り「4」まで引っ張るかも。みなさまの健康を祈るわ。

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