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特集「アニマルフェスティバル」

2015年1月10日

特集「それいけ、アニマル・フェスティバル3」 ベイブ都会へ行く (1998年 コメディ映画)

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監督 ジョージ・ミラー
出演 マグダ・ズバンスキー/ジェームズ・クロムウェル

それでいいのだ 

 監督、脚本、出演者らにほぼ確信してから映画を選ぶのは、邪道でコンサバかもしれないが、この映画は前作大ヒットの「ベイブ」を知らなくても見る気になったでしょうね。ブタだ、ガチョウだ、チンパンジーだ、ワンちゃんだ、とか動物好きならみんな見る? それもありますがシーンの展開が憎らしいほどうまい。蛇足かもしれないけど監督のジョージ・ミラーは「マッドマックス」シリーズ3作品のほか「4」が、シャーリーズ・セロン主演で2015年公開待機中。アクションものが得意だからキレがいいのか。いやー「ロレンツォのオイル/命の詩」とか、シリアスなものもあるのですよ。でも「ハッピーフィート」とか「ヨギのギャング」なんか見ると、やっぱり動物ものとコメディに強い前向きな人ね。本作はアカデミー歌曲賞にもノミネートされました▼出演者はおなじみ牧場主アーサーにジェームズ・クロムウェル、妻エズメにマグダ・ズバンスキー。今回はエズメが主役といってもいい。前作では子豚を「食べよう、食べよう」とばかり言うイジメキャラでしたが、本作ではベイブ救出のため大活躍する。田舎者の主婦が右も左もわからぬ大都会ロスに出てくる。そもそもアーサーの怪我のため牧場は経営難に陥った、というのもベイブがドジを踏んだから…相変わらずベイブの善意の行動がトラブルを引き起こします。エズメは骨折して身動きできない夫にかわり、ブタを出演させたらギャラを払うというテレビの契約書があったことを思い出し、お金を作って牧場を救おうとベイブを連れロスに出てきたわけ。牧場犬のフライとレックス夫婦は、都会に行くのを怖がって干し草の山に隠れていたベイブに、お前が原因で危機に陥っているのだから、いっしょに行って解決しろと、リアリストの犬らしいお言葉。育ての親ともいえる彼らに引導を渡され、びくびくしながらデイブは出発した▼ミラー監督のいやらしいところは、コメディだろうとファミリー向けだろうと、どこかにリアルな現実をかませて映画をひきしめているところね。田舎者のエズメが精一杯いいものを着て、都会にでてきたがどうみても時代遅れ、みるからにドンくさいし抱いているのは子豚、あたりをキョロキョロしながら道をたずねると男はたった一言「消えな!」。若くもなく美人でもない中年女性いわゆる「おばさん」に対する、いわれもない男の蔑視が露骨ね。満足に道もわからずヘトヘトになってやっと「ペット同宿可」のホテルにたどりついた。風変わりな女性オーナーが案内したホテルには心臓の悪い車椅子の犬、猫の合唱団、番犬の獰猛犬、芸事専門のチンパンジーにオランウータン、そこへ「飼い主は若い犬に乗り換えた」という宿なしのピンクのプードル、捨て犬で餓死寸前の子猫、子犬がまぎれこみアニマルホテルは満員▼よそものでブタのベイブは最初から仲間はずれだ。音頭をとったのは意地悪な年寄りのオランウータンである。自分を噛み殺そうと追いかけまわした猟犬のボブが川に落ち、ベイブはすんでのところで助かるが、首輪がひっかかって宙吊りになり、死にかけているボブをだれも助けてやろうとしない。オランウータンは「面倒はごめんだ」とさっさとひきあげる。ベイブは再び川にとびこみ、子ザルに手伝わせて犬をひきあげてやる。猟犬ボブはベイブをボスと呼び、ホテルの全員に忠誠を誓わせる。ここでもオランウータンは二階の廊下から横目で見おろしているだけでウンともスンともいわない。ボブが牙をむき出すとやっとフンと言う。「いる、いる、こんなやつ、あいつにこいつに、だれそれに…」と思い当たるキャラのオンパレードです。エズメはブタ箱に入れられたりハリウッドにまぎれこんで大騒動を起こしたり、チンパンジーや猿たちで見世物小屋をやる、詐欺興行師に騙されベイブを出演させたもののギャラは踏み倒され、それでも別れ別れになったベイブを探しまくる。とあるパーティにまぎれこんだエズメとホテルの動物たちは、ベイブを救出に奮戦。エズメは空中遊泳までやる▼一箇所としてタルイところはありませんが最後に主題歌のランディ・ニューマンについて。彼の叔父ライオネル・ニューマンは「紳士は金髪がお好き」「帰らざる河」「恋をしましょう」を、同じく叔父アルフレッド・ニューマンは「イブのすべて」「バス停留所」「ショウほど素敵な商売はない」を作曲、マリリン・モンローの作品と縁がありました。映画音楽においてはニューマン一家が関係していない映画をさがすほうが難しい。本作でラストに流れるランディの「That’ll Do」もいいですね。牧場主がベイブにいうセリフです。「それでいいのだ」

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