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特集「アニマルフェスティバル」

2015年1月14日

特集「それいけ、アニマル・フェスティバル3」 空飛ぶペンギン (2011年 コメディ映画)

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監督 マーク・ウォーターズ
出演 ジム・キャリー

やさしさを思い出す場所 

 劇中ほんとにペンギンが空を滑空するのです。なんとまあ、カッコいいこと。あのヨチヨチ歩きのペンギンが、屋根の上に追い詰められ、捕獲されようとする。どうするキャプテン(ペンギンの名前)。キャプテンはためらうことなく空中に身を翻す。おお~。地上からは賛嘆と驚愕の声もしくは悲鳴。キャプテンはゆっくり翼を巡らすと主人公トム(ジム・キャリー)のもとに着陸。種明かしをするとキャプテンは大きな凧を背負っていたのです。背負うというよりつまり…キャプテンは捕獲者から逃れようとおもちゃ売り場のあちこちを、ぶつかりながら走っているうち陳列棚から凧が落ち、糸がからんだ。キャプテンは知ったことかと歩きまわり、凧を背負ったまま屋根に。そして空を飛んだというシーンです。ホントに空を飛んだように見えるのね。おお奇跡だって。でもそこはしたたかなマーク・ウォーターズ監督。ゆっくりカメラを回し、上からペンギンの背中にくくりつけた凧を写したときは、もう爆笑ものだったわ▼トムは子供のころから冒険家だった父親と離れて育った。今は不動産業のエリートサラリーマン。仕事人間の彼は妻アマンダと離婚し、週末に高校生の娘ジェニーと弟のビリーに会っていた。父が死んだという知らせを受け取ったが、長らくあっていないから実感がない。そこへ父からの形見が届く。あけてみるとペンギンのクール便だった。さらに5羽。計6羽のペンギンが家のなかを我が物顔に。風呂にいれると大喜びで水の栓をひねる。トムは出勤、帰宅すると浴室のガラス越しに泳ぎまわるペンギンの影が。仰天したトムがドアを開くと浴室を満杯にした水がマンションを水浸しにした。でも子どもたちはペンギンに大喜び。ペンギンたちといっしょに暮らしていこうと決心したトムは名前をつけた。リーダーのキャプテン。うるさいラウディ。オナラばかりするスティンキー。なんにでも噛み付くバイディ。人懐こいラブディ。ドンくさいニムロッド。トムは部屋にベランダの雪をかきいれペンギンたちは大喜び。父親との時間がもてず、なつこうとしなかった子供たちもペンギンを仲介にしてトムと打ち解けていく。でもマンションの住民のタレコミで動物管理局がペンギンを回収しにきた。会社ではやり手のトムが富豪のガンディ夫人の物件の買収に、いつになく難渋していることをいぶかりだす▼ジム・キャリーってどことなく哀愁のある顔立ちでしょ。表情を自由自在に誇張させるからバラバラにみえるけど、落ち着いてみるとハンサムよ。子供のころ父親と過ごした唯一の場所が、ガンディ夫人の所有するレストランだった。買収すればそこは再開発されレストランはなくなってしまう。劇中トムは自分の過去を家族たちに話さないのです。自ら目をそらし仕事に没頭してきた。だから妻も子供も父親の子供時代のさびしかった境遇を知らない。3羽のペンギンが卵を産み、2羽が孵った。トムはネットでペンギンの卵の孵し方を検索し、必死で孵そうとするが獣医は心音がきこえないと言った…トムのベッドの枕元も足元もペンギンたちがいっしょに寝る。合図のような鳴き声で、トムとペンギンは意志が通じ合うようになった。しかし動物管理局は強引にペンギンたちを連れて行ってしまう。トムもあきらめ動物園に行ってキャプテンたちに会おうよ、そう言って子どもたちといっしょにニューヨーク動物園に行く、でもペンギンたちはいなかったのだ。どういうことだ。係員に詰め寄ると動物園同士の交換は常識で、3羽は東京に2羽はモスクワに、もうここには1羽もいないと説明する。そのときだ、がっしりしたステンレスの扉を叩く音が。なんでもかみつくバイディの技だ。ドアを開けると6羽が鳴き声をあげながら走り寄ってきた▼トムはペンギンを取り返し、ガンディ夫人との交渉のパーティに駆けつける。忠実なペンギンたちは決してトムのそばを離れようとしない。車の後を追い、ぞろぞろと列をつくりマンハッタンを横切り、タクシーを止め、あっけにとられるニューヨーカーたちを尻目にパーティ会場にやってきた。そしてペンギンをあきらめない動物管理局もいっしょに。会場は大混乱に陥る。床にぶちまけられた氷に乗ってぐるぐると会場を滑り降りてくる、壮快なペンギンたちには腹をかかえる。ペンギンはオールCGです。それにしてもよくできています。ガンディ夫人は始めからトムが父親といっしょに自分のレストランで食事していた男の子だと知っていたのね。でも子供のときのやさしい気持ちを、大人になって失っていないか確かめたかったわけ。必死になってペンギンを守ったトムに夫人はレストランを譲渡する。再開発してひともうけを狙っていた不動産各社に、トムは「ノー。このレストランはだれにも売らない」レストランを存続させます。いつものテーブルにトムの家族、おお、ご常連のお客様にはガンディ夫人をはじめ不動産業者の社長たち、あの動物管理局のおじさんもいる。トムはこの店を、人と人生のやさしさを思い出す場所にしたかったのです。トム一家は家族そろって南極に行く。ペンギンたちをふるさと・氷の大陸に戻すために。そうそう、一番先に卵を産んだのはキャプテンでした。「女の子だったのね」と子供たち。「いいじゃないか」とトム。ベタベタの楽しい映画でした。

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