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特集「ナンセンスは素敵だ」

2015年1月16日

特集 ナンセンスは素敵だ 甘い果実 官能の欲望 (1990年 恋愛映画)

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監督 ポール・ボガード
出演 ミシェル・ファイファー/シェリリン・フェン

ホンマにナンセンス

 ♪ドジ踏んじゃった/ドジ踏んじゃった♪…こういうこともあるのね。ミシェル・ファイファーだからとDVDを取り寄せたのよ。共演はシェリリン・フェンだしね。ミシェルはご存知元祖美人女優、50歳すぎて「整形するのもマアいいわね」と、余裕の発言が話題になった人。美容整形の嵐が吹きまくるハリウッドに来て、イギリス人知性派のケイト・ブランシェットやエマ・トンプソン、レイチェル・ワイズは怖気をふるい「整形しません宣言」をしたのだって▼ミシェル姐さんの赫々たる来歴はこうだ「マンハッタン・ラプソディー」でエリオット・グールドと共演、「グリース2」でヒロインを「スカーフェイス」でアル・パチーノと共演、「イーストウッドの魔女たち」ではジャック・ニコルソンと、「危険な関係」でアカデミー助演女優賞にノミネート。「恋のゆくえ」で同主演女優賞にノミネート、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞獲得でスター女優に。「バットマン・リターンズ」のキャット・ウーマン、「ラブ・フィールド」で再びアカデミー主演女優賞にノミネート。ほかにもロバート・レッドフォード(「アンカー・ウーマン」)やジョージ・クルーニー(「素晴らしき日」)との共演、「ホワット・ライズ・ビニース」ではマア珍しい、ハリソン・フォードが悪役で彼に殺されかける妻という役でした。こうみてくると話題作の多い、けっこうな作品の履歴のなかで本作の凡庸さは異様なほど目立ちます▼ヒロインはハリウッドの大女優という設定なのに、名声が重荷になって孤独に陥るというのだ。そういうこと、あるかもしれないけどないと考えたほうが自然だ。名声がプレッシャーになるような神経で、大女優は張っておれない。おまけになんですって? 彼女は不倫のあげく男にいれあげ、身重の妻は家をでて子供をつれボートに乗り、夫への腹いせに子供だけ湖に突き落とし、自分は水に一滴も濡れることなく船着場にもどってくる。ストーリーの上で必然とも思えないのに、なんで子供をそんな目に合わせるのだ。不倫で墓穴を掘るという、信じられない「大女優」のボロの出し方、身の振り方。男は再起不能、ヒロインは罪の十字架を背負ってつぐないの人生を送ると決意する。勝手にしな▼ミシェル・ファイファー(56)、ジョディ・フォスター(51)、シャロン・ストーン(56)、メグ・ライアン(52)=いずれも2014年=この50代の女優たちの共通項はなに? ひとつは「 羊たちの沈黙 」です。クラリス役をオファされたのは最初ミシェル・ファイファーとメグ・ライアンでした。監督のジョナサン・デミが声をかけたのです。二つは「 氷の微笑 」。キャサリン役にはキム・ベイシンガー、エマ・トンプソン、ミシェル・ファイファーにオファがあり彼女らのだれでもなくシャロン・ストーンが射止めました。セックス・シーンがあまり強烈なので女優のステータスにかかわるとしてミシェルは断ったようですが、のちのシャロン・ストーンのめざましい台頭をみると、ステータスをさげるどころか、大女優の仲間入りをしている。それに候補にあがった女優のだれよりもシャロンがふさわしかったと今になれば納得させる。適役とそれを得た女優とは一身不離のシャム双生児みたいなところがあります▼ジョディ・フォスターとは、彼女の性格の強さにもよるのでしょうが、よくよく運の強い女優です。「 パニック・ルーム 」は最初ニコール・キッドマンで撮影を開始したところ「ムーラン・ルージュ」でキッドマンが怪我してしまい、ジョディ・フォスターに変わった。キッドマンは電話の声だけにクレジットなしで出ました。「羊たち」も、ジョディ・フォスターは原作の映画化権を買い取るほどの意欲を見せ、交渉に臨んだが一歩違いで先行され、せめてクラリス役をと熱望しジョナサン・デミと直談判した。もしミシェルか、メグ・ライアンがジョナサン・デミのオファにOKしていたら、今日のジョディ・フォスターはなかったと思う。クラリス役はその後ジュリアン・ムーアも演じましたが「一身不離」を思わせるほどの代表作にしたのは、やっぱりジョディ・フォスターです。映画界で大作の主役となれば演技力や人気以前に運のよしあし、さらにいうなら運を呼びこむ本人の強さってものがありますね。

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