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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2015年3月31日

特集 LGBT-映画にみるゲイ131
クライング・ゲーム(1992年 ゲイ映画)

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監督 ニール・ジョーダン
出演 スティーヴン・レイ/ジェイ・デヴィッドソン/フォレスト・ウィテカー

 う~ん。主人公ファーガス(スティーヴン・レイ)のショックはわかるけど、男だとわかったとたんトイレに駆け込んで吐くか。そこまでしたらんでも、と思うが。ファーガスはIRA(アイルランド共和軍)のひとり。英国軍に捕らえられた仲間たちを釈放するための人質としてジョディ(フォレスト・ウィテカー)を誘拐する。アジトに監禁したジョディをファーガスが見張りに当たる。ふたりきりで過ごすうち友情がめばえ、ジョディは自分が殺されたらロンドンで美容師をしている恋人ディル(ジェイ・デヴィッドソン)に会って、愛していたと伝えてくれと頼む。隙をみて脱出したジョディは皮肉なことに救出にきた英国軍の戦車に轢かれて死ぬ。アジトも火炎に包まれ九死に一生を得たファーガスは、約束を果たすためロンドンに。美容師の仕事のあとディルはバー「メトロ」で歌っていた▼妖しい魅力をもつディルにファーガスは魅了される。やがてふたりは急接近。いざベッドへ、というときディルが「ちょっと待って」とタイムをとり、服を脱ぎに行く。戻ってきたディルが男だとわかり、ファーガスはトイレに走りこんだわけ。なにしろ一糸まとわぬ男性自身を真正面からですからね。ジョーダン監督やってくれるわ。ディルは落ち着いたもので「知らなかったの、ハニー」「ハニーはよせ!」「女は好きな男にそう呼ぶのよ」。尋常でないうろたえぶりに、さすがにディルを傷つけたとわかったファーガスは「すまん」と謝り和解。慣れとはおそろしいもので、あれほどいやがっていたファーガスが「ハニーはよせと言っているだろ」そのたびディルに怒りながらも、仲良くなっていく。「愛している?」「もし君が女ならね」「残酷な人。キスして」ファーガスはちょっとキスし「満足かい?」ディルは無邪気に「もう最高!」。ファーガスはそんなディルに「男対男」の抵抗を薄めていく▼ところが火炎に焼かれて死んだと思われたIRAの生き残り、女戦士のジュードとリーダーのマグワイアがファーガスの居場所をつきとめ、英国要人暗殺を指示し、断ればディルを殺すとなった。ファーガスの不審な行動にディルはてっきり女だと嫉妬するが理由は教えてもらえない。ディルはファーガスの手足をベッドにしばりつけジョディの死の経緯やIRAの暗殺計画を聞き出す。ファーガスが暗殺の現場に遅延したためマグワイアは射殺され、怒り狂った女ジュードはファーガスの隠れ場所に押し入った。しかし恋人ジョディを死においやった復讐に燃え、ディルは躊躇なく弾丸を浴びせ女を殺す。さてファーガスである。「逃げろ」とディルに言う。「今なら間に合う。ここから出てメトロへ行け」。窓の下に急行したパトカーと裏庭から走り去るディルを見て、ファーガスは銃の指紋を拭き自分の手で握り直す▼ここは刑務所。ディルが面会に来た。「ビタミン剤を持ってきたわ。ハニー」「ハニーはやめろ」「あなたの健康管理はわたしの仕事だもの。あと2334日ね。毎日数えているの」「2335日だ」「許してダーリン。閏年を忘れていたわ。わたしの最愛の人」「やめろ」「身代わりとして刑に服するなんてこんな偉大な愛があるかしら。でもどうして?」「性(さが)さ」「?」ファーガスはカエルとサソリの例えを話してやる。カエルの背中にのって川を渡るサソリが途中でカエルを刺した。カエルは「どうしてだ。君も溺れるのだぞ」と叫んだ。サソリは「仕方ない、刺すのがオレの性なのだ」同じ性でも刺し殺すのと身代わりになるのはえらい違いだけど▼映画はこのふたりがうまくいきそうな予感を暗示して終わります。ベッドにしばりつけられたファーガスにディルがこう聞くシーンがありました。「わたしを好き?」「好きだよ」「もっと感情を込めて」「好きだ」「愛している?」「ああ」「言葉で言って」「愛している」「何をしてくれる?」「何でも」「わたしを棄てない?」「棄てない」「うそだとわかっていてもうれしいわ」(泣く)。簡単にいうとファーガスはディルの純情にほだされたのでしょうね。男対女だと思っていた関係が男対男だとわかった。逆に女対男だと思っていた関係が女対女だとわかったとき、もし自分ならどうする。身代わりに刑務所に行く? 冗談じゃない。そんなことしておれない。当然彼女は逮捕されるが、とびきりの弁護士を頼み正当防衛を主張し、執行猶予に全力をあげる。相手も武器をもっていたし、ましてテロ犯なのだからこれは可能だ。しかし男だと思っていたら女だったということについては、どうするかなあ。吐くのは慎みたいと思いますが(笑)、時間をかけて向き合い関係を再構築していくでしょうね。ファーガスと同じように。

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