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シネマ365日

2015年4月1日

特集ヘザー・グラハム キリング・ミー・ソフトリー(2002年 サスペンス映画)

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監督 チェン・カイコー
出演 ヘザー・グラハム/ジョセフ・ファインズ/ナターシャ・マケルホーン

サヨナラだけが人生さ 

 今日から9日間、ヘザー・グラハムの映画です。この女優さん、役作りにムリがないというか、自然派だというか、マイペースというか、あまりこだわりのない選択でここまで来たのでは、と思えるのです。本作でもボンデージ・テイストが話題先行した感がありましたが、ヒロインのアリス(ヘザー・グラハム)とアダム(ジョセフ・ファインズ)のからみなんて、そんなたいしたことなかったですよ。ヘザーがあまりフツーの顔で役に入っていって、脱ごうと脱ぐまいと(関係ないでしょ)って、そんなサラサラ感のせいじゃないかと思うのだけど(笑)。「チェリーについて」でヘザーは、ハリウッド期待の新星と、評判の高いアシュリー・ヒンショウの脇に回り「おや、いつのまに」という、濃い影のある存在感をにじませる女優になっていました。40代という難しい時期に、いつまでもおバカの「ハングオーバー」ばかりやっていないで、せっかくの繊細な姿態と感性をもっといい映画に活かすべきだと思います▼本作の実際の主人公はヒロインの義姉にあたるデボラ(ナターシャ・マケルホーン)です。たいして内容のないサスペンスだからネタバレもヘチマもないわね。粗筋そのものは他愛ないくらいです。ロンドンの交差点で信号を待つアリスとアダムの指がふれあってお互いがビビビ。アリスは同棲する恋人がいるのに別れてアダムと結婚する。アダムは世界的な登山家で普段からトレーニングを欠かさない、じつにいい体をしている…本筋に関係ないか、トレーニング・フェチもいいかげんにしよう。アリスがアダムの家を訪ねたら美人が現れ、ドキッとするが「わたしは姉よ。アダムは留守だけど、寒いからとにかく入って」と笑顔で迎え入れてくれる。やさしいお姉さんだ▼しかしだ。アリスはウェブ・デザイナーというキャリア・ウーマンで、それなりの社会経験もある年齢のはずですが、それにしてはやることが可愛らしすぎる。恋人とホイと別れるのはよくある話としても、違う男と結婚までしようというのに、彼の過去をなにも知ろうとしないのはどう考えてもおかしい。過去のことも未来のことも、ろくに会話もしようとしないで顔さえあわせればセックスしているのだからアディクト(依存症)に近い。しかし映像がきれいだし、ジョセフ・ファインズの盛り上がった胸、ヘザーの仔馬のような脚、ナターシャのほっそりみえて力強い肩なんか、絵になるから見ていて場持ちします。ふたりが結婚してから、アリスは謎の手紙をうけとります。アダムが「レイプ魔だということをお前は知っているのか」と書いてある。アダムはいやがらせだととりあいませんがアリスにしたらそうはいかない。ふたりのめくるめく愛の生活に影が落ちてくる。神経が参ってしまったアリスをときほぐすようにデボラが指圧する。アダムは遭難救出でヒマラヤの聖人と呼ばれた登山家だ。ところが彼の元恋人は事故死するし、行方不明になっていたガールフレンドも死体で発掘される。アダムに関係する女性はみな死ぬ、つぎは「わたし」とアリスは疑惑と恐怖を強めていく▼ラストになってやっとハイテンポ。デボラとアダムは近親相姦の関係にあった。デボラはアダムに近づく女がだれであろうと許せなかった。事件はデボラの独占欲がなした殺人だってこと。教会の墓地でアリスは自分を殺そうとしたデボラを射殺する。アダムもかなりサド系だったけど、ひとつまちがえば絞め殺されるセックスなんか、いつまでも命を的にやっておれますかい。死に至るエロチシズムはジョルジュ・バタイユに任せるわ。デボラが「弟はわたしのものよ!」と叫ぶと、弟は「そんなの、子供のときのことだろ!」って叫び返す。ちょっと、ちょっと。子供のときっていつからいつまでのことよ。どっちにしてもややこしい関係とはオサラバよってアリスは別れちゃう。ラストはエスカレーターの上りと下り、無言ですれちがうふたりでした。サヨナラだけが人生さ。

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