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シネマ365日

2015年5月5日

特集 ミーシャ・バートン ロストサンクチュアリ(2013年 サスペンス映画)

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監督 マット・オルランド
出演 ミーシャ・バートン/マイケル・クラーク・ダンカン

戦闘女子 

 ひと化けすれば、ミーシャ・バートンはデミ・ムーアの後継にふさわしいのではないかと思うことがある。デミほどのスケールでクーガ女になるには、まだまだ踏み越えねばならぬ花も嵐もあるだろうが、演技の超一流だけが女優ではないのだ。名女優や大女優だけが女優ではない。ジャンヌ・モローみたいなモンスターに皆がみな、なる必要などない。カンヌを足蹴に、オスカーに背を向け、男(特に年下男を)取り替えすげかえ、パーティなんかバカのやること、あえて孤独の時間を捻出し、万巻の書を読破して知的武装に怠りはなく、最低二ヶ国語を流暢に話し、エンタメ道をきわめる存在こそ、女優の典型と呼ぶにふさわしい一方の旗頭ではないのか。それに一流女優はおしなべてエンタメの素を持っている。おもしろくない大女優も名女優も不明にして見たことがない▼なんでこんなことを書きだしたかというと、ミーシャ・バートンの映画といえば、イコールつまらない二級品みたいな評価が定着しつつあることがたいへん残念、これがひとつ。と言ってこれぞという代表作に恵まれていないのも事実。しかし、である。本作はミーシャ27歳のときの映画で、これまでとちょっとちがうのはなんとなく前向きのしっかりした女を演じていることだ。役は高校のカウンセラーである。婚約者が保安官代理で、仲はうまく行っている。エディソン校長役がマイケル・クラーク・ダンカンで遺作となった。彼は途中であっさり殺されちゃうけど。勤務が終わって帰ろうと支度しているジェシー(ミーシャ・バートン)を校長は呼びとめ、6日前ひき逃げで兄デヴォンを失ったイーライという生徒をみてほしいというのだ。ジェシーがイーライを問診する。頑なに口を閉じていたイーライがやっと話すには、兄は殺害されたのだという。犯人はいつも自分をいじめている5人組で、彼らはハンサムで秀才の兄に嫉妬していた…ジェシーはもちろん本気にしないが、5人組がイーライに暴力を振るったことを知り、理由をただすため音楽室に待機させる▼ジェシーのカウンセリングでイーライは次第に心を開き兄は呪術師によって生き返り、彼らに復讐を果たすためここへ向かっているというのだ。最愛の兄の死によるパニックだとジェシーは思うが、保安官代理のトラヴィスから入った電話で、デヴォンの墓が荒らされ死体がなくなっている、イーライとデヴォンの母親が自宅で殺された、不審な老婆をみかけたなど一連の情報にジェシーは胸騒ぎを覚える。5人の中の町の有力者の息子が父親に連絡し、父親は怒ってすぐ息子を開放しろと怒鳴りこむが校長とジェシーに拒否される。ところがジェシーがちょっと目をはなした隙に校長は校長室で惨殺されていた。ジェシーはすぐトラヴィスに連絡をとり、学校へ急行してくれと頼む。そのあいだになんと音楽室にいた5人が全員殺されたのだ。犯人はイーライか、それとも蘇った兄か。イーライが不気味にジェシーにささやくではないか。「先生はいい人だから、早くここから帰れといったのに。死体は6つ要るのだ」5人に校長であわせて6つだろう。ジェシーはお役御免で釈放のはずなのにまだ殺されかけているのはおかしいと思うが▼どこがどういう計算なのかよくわからない。だって保安官代理も息子のパパも殺される。こうなると復讐鬼というより殺人鬼である。いくら無念をはらすためとはいえ、やりすぎだろう。それに呪術を用いて兄を生き返らせたお婆は、とりたててその後なにもせずブツブツ言っているのだからどこが魔女か。たよりない。ひとり負傷にもかかわらずエンジン全開で、姿なき殺人鬼と相対するのはジェシーなのだ。それはいい。でも水をさすつもりはないが、このアクションでは殺されないのが不思議だ。ミーシャ・バートンの運動神経はどうなのだろう。たぶんイマイチなのだろう。アンジーやミラ・ジョコヴィッチはいうに及ばず、ジーナ・カラー(「エージェント・マロリー」)や、ジェニファー・ローレンス(「ハンガー・ゲーム」)、クロエ・グレース・モリッツ(「キック・アス」)、エミリー・ブラント(「オール・ユー・ニード・イズ・キル」)、最近ではスカーレット・ヨハンソンまでナターシャ・ロマノフ(「アベンジャーズ」)であっぱれ戦闘女子に加わったではないか。哀調のタンゴとダンスでアカデミー主演女優賞候補となったペネロペもいる。運動神経こそ女優の武器なのに、いい身長を持っているミーシャ(175センチ)はもっと体を鍛えろ▼犯人は生き返った兄である。「???」としか思いようがないが蘇ったものは仕方ないだろ。でも、ケチョンケチョンにけなされるほどひどい映画ではないと思う。ドンくさかったけど、とにかくミーシャが強いお姐さんの片鱗をみせたということで手を打とう。

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