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シネマ365日

2015年5月6日

特集 ミーシャ・バートン セックス・イン・オハイオ(2006年 恋愛映画)

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監督 ビリー・ケント
出演 パーカー・ポージー/ポール・ラッド/ライザ・ミネリ/ヘザー・グラハム/ミーシャ・バートン

陽気なプリシラ

 邦題は「ミーシャ・バートンのセックス・イン・オハイオ」なのだけど、ヒロインのプリシラにパーカー・ポージー、その夫の生物の高校教師ジャックにポール・ラッド、妖しげなセックス・グルにライザ・ミネリ、大人のおもちゃ屋の店員でありプリシラの友達になるジャスティンにヘザー・グラハム。この配役をみて、なんでミーシャの名前がアタマに付くのか首をひねるのが、正直な観客の感覚だろう。ミーシャはちょい役もいいところだ。高校のセンセイを引きずり回し、おいしい目をしてハーバードに入学したらバイバイ。さっさと「いいお嬢さん」に戻り、うだつのあがらぬ中年の教師には見向きもせず、田舎町から出て行く女の子。深く考えないキャラがわりと似合っていましたけど▼この映画はなにがいいたいのか。とどのつまりセックスは相性だってことか。ジャックは「ペニスは男の人生そのものだ」とカウンセラーの前で啖呵を切り、妻プリシラは呆気にとられる。「信じられない。事故で全身麻痺したらあなたの人生はないのと同然なの?」というのもポールは結婚10年、妻が一度もオーガズムに達したことがない、女をいかせられないことが猛烈なプレッシャーとなっています。プリシラは生まれて一度もそのような快感を感じたことがないから全然気にならない。夫がいくら焦っても、なぜ「そんなこと」が問題なのかわからない。カウンセリングに連れていかれたが隣で意気消沈する夫とは真逆「わたしは苦になりません」と無邪気そのものだ。しかし夫婦の重大事であるから、評判のセックス・グルの快感講座を受講した。講師がライザ・ミネリである。ミネリは楽しんでいる。「みなさん。今夜は“癒やし”の力を学ぶのです。すなわちマスターベーションの力を。それは女性にとって最も偉大な力の源です。まずあなたの女性自身に名前をつけてください。サテンの人形、ベティ、洗礼者、幸せな穴、それはみなさんの分身よ。絵にする前に手鏡で確認しましょう」アホらしいと思いながらセリフを全部書いてしまった(笑)▼プリシラのつぎなる訪問先は大人のおもちゃ。店頭で販売にあたるのがヘザーだ。プリシラはあれこれ張り型を手に取り、いちばん大きなのを選ぶ。何も知らないお嬢さんだからやることが大胆である。ヘザー店員は親切である。プリシラの真剣な様子に「気晴らしじゃなさそうね」と聞く。「じつは問題を抱えている」とプリシラ。ヘザーは「過去に一度も?」「一度も」「お気の毒に。でもマスターベーションでオルガズムに達する必要はないわ」「え!」「わたしと奥の部屋にいけば…」ヘザーは誘ったのだがそこまで場数を踏んでいないプリシラは「マスターベーションにする」。ヘザーは悪押しせず潤滑剤をサービスにつけてやる。はしょって言うとプリシラはバイブによって生まれて初めての絶頂を知る。さあたいへん。バイブを片時もはなさないばかりか多種多様の種類を使いこなそうと意欲満々、ヘザーの店を足繁く訪れる。ヘザーが「ここ数週間で何度絶頂に?」「189回よ。つまり1日に13.5回ね」「それ、バイブ依存症よ。ハイ」と差し出したのは「依存症にサヨナラを」の相談会実施日。にもかかわらずプリシラは小型バイブが装着されたパンティを買って帰る。会社でプレゼンの最中にバイブが作動し身悶え、衆人環視の中で絶頂!▼ミーシャであるがパーカー・ポージーのイキのよさに比べたら、年齢こそ若いがやっぱり暗いのね。成績優秀、容姿端麗、ベッドでも男は昇天、なのに深いキャラになれない。夫のジャックは依然としてペニス100%主義である。妻と落ち着いて話し合ったこともないし、触れたり触れられたりしながらお互いの快感を確かめたこともない。妻はネンネなだけで健康そのものだ。彼女にしたら夫とちゃんとセックスはしているのだから、妻として義理は果たしている、仕事は忙しいのにこれ以上やれ快感だ、ヘチマだとおしつけられるのは大きな迷惑だといわんばかりである▼プリシラはプールの施工業者・ウェインとすっかり意気投合し彼によって絶頂を得る。ウェインに扮するのがダニー・デビート。「カッコーの巣の上で」以来のジャック・ニコルソンの親友。身長156センチ。監督としては「ローズ家の戦争」「マチルダ」「ゲット・ショーティ」などの佳品があります。ウェインは亡くなった妻の思い出や、おいしいワインやレストランでの楽しいお話、たとえば「おれがプールの施工業者だということは忘れて聞いてくれ。プールは何よりも泳ぐためにある、情緒的・精神的にも水泳は最高なのだ。理由は再生だよ。水の中に入ることで人は生まれ変わっているのだ」そんな話をして自宅にある滑り台つきのプールで泳いでみろとプリシラを連れて行く。会社の要職にあるプリシラのストレスがよくわかっていて、それをほぐしてやり気持ちよくいっしょに笑う。ペニス第一主義の夫とは繊細さがちがうのだ▼ミーシャに去られ意気消沈のジャックは「もう一度やり直そう」と妻に提案するがプリシラは笑って首を横にふる。そしてウェインのプールで水しぶきをあげる。ウェインは楽しそうなプリシラを見ながら機嫌よく「どうだい。おれたちセックスの相性がぴったりだろ。恋人になってくれるかい」「考えさせて」とプリシラは笑いながら泳いでいく。パーカー・ポージーの最新作は「グレース・オブ・モナコ王妃の切り札」です。王妃の秘書を演じました。最大の危機、最高の賭けに打って出る王妃のために、動かぬ証拠をつかむ忠実な秘書が、キリッとしてよく似あっていました。

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