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特集「ベストコレクション」

2015年6月17日

特集「水無月6月/ベストクコレクション」96時間/レクイエム(2015年 アクション映画)

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監督 オリヴィエ・メガトン
出演 リーアム・ニーソン/フォレスト・ウィテカー/ファムケ・ヤンセン/マギー・グレイス

これこそ「父の日」映画

「父の日」にもっともふさわしい映画の一本である本作。熱血パパ三部作の最終編です(今のところ)。主人公、元CIA工作員のパパ、ブライアン・ミルス(リーアム・ニーソン)の家族歴もすっかりわたしたちにお馴染みになりました。仕事一辺倒で奥さんに去られたパパは、いまはやもめ暮らし。元CIAの仲間たちとゴルフに行ったりしています。ひとり娘キム(マギー・グレイス)を目の中にいれても痛くない。今や大学生になったキムは不覚にも妊娠しパパに打ち明けようかどうしようかと迷っている。彼氏よりパパが先だというパパっ子なのですねえ。そのパパはキムの誕生日に特大のパンダを買ってくる親ばかぶり。「わたしもう子供じゃないわ」とキムにいわれシュンとしてパンダを車にのせ持って帰る▼元妻のレノーア(ファムケ・ヤンセン)はスチュアートという金持ちと再婚したが家庭内離婚同然である。キムもスチュアートにひとつもなつかない。レノーアはパパに「もうスチュアートを愛せない」と打ち明ける。もともと憎くて別れた相手じゃなし、パパは今もレノーアを愛している。だからホイホイとよりを戻すかといえば、いいえ、そういう無節操な男ではございませんのです、パパは。レノーアにいつでも力になるとやさしく言って聞かせ、安心させる。ところが今回この最愛の妻が殺されるのだ。パパの悲嘆はいかばかりか。でも非情な敵は悲しむ時間も与えない。たちまちパパは元妻殺害の容疑者として、現場に踏み込んだロス市警に逮捕されかける。パパは一瞬の隙をついてパトカーを分捕って逃走します。いくつになろうと衰えない、パパの非凡な戦闘能力でこのシリーズはもっているようなものね。小さな小豆粒みたいな盗聴器を一瞬で着脱し、高性能ケータイの地図や文字をめがねもかけないで読み取るのだ。どうなっている、などとパパのやることに疑問をはさむべからず▼スチュアートは妻とパパが元の鞘におさまりそうな状況に面白くない。夜中にパパを訪問し「妻とはもうあわないでくれ」と頼んだ直後、レノーアが殺されるのだから、どう考えても現在の夫と妻の間になにかあると考えるよね、元CIAでなくても。ロシア・マフィアの黒幕やらその手下の怖い顔の男たちやらが派手に暴れます。車ごと体当たりしてくる荒っぽさなんて軽い、軽い、パパに比べたら。ロス市街を破壊しまくる悪夢のカーチェイス。警察はなにをしているのだ。なにしろ妻が殺されたのだ、パパは復讐の鬼と化しているのだ。悪者どもをガンガン追い詰め、黒幕の正体がスチュアートだとわかる。悪党め、偽善者め、極悪人め、娘にだけは指一本ふれさせるものか。パパは犯人にしたてあげられ、ロス市警に追われながらクールな行動で決してドジをふみません。いかなるピンチであろうと観客は、パパがハイテク機器をあやつり、拳銃から大砲まで(ちょっと大袈裟か)武器という武器を自在に使いこなし、肉弾戦になれば猫のようにしなやかに、バカ力など絶対に使うことなく敵を叩きのめすことを知っている。激走する山道から車を突き落とされ、車が炎上しても、どこかから這い出てくるはずだと思い目をこらしている。パパは敵の背後に回り、すり傷ひとつなく姿を現しても(おかしい)と思うより(おお、いつのまに)なんて納得するのだ▼リーアム・ニーソンは「96時間」シリーズでシニア・アクションの星となりました。このジャンルではシルベスタ・スタローンやシュワちゃんや、ドルフ・ラングレン、ジェイソン・ステイサムやブルール・ウィリスやスティーブン・セガールら、そうそうたるアクション・スターがいるし、いずれもみな華麗な格闘技をみせてくれる。でもジェイソン・ステイサムは別として、よくトレーニングはして体重はしぼったとしても体の動きは鈍い。リーアム・ニーソンのアクションが賢いのは、接近戦を多用して無駄に動かないからだ。それがとても現実に則したアクションだと素人に思わせる▼ラストシーンは壮大である。敵は自家用ジェット機で離陸しようとしている。やせてもかれても最新のジェット機ですよ。パパは娘を取り返すためポルシェをぶっ飛ばす。滑走路にあるジェット機をめざし空港の最短距離を爆走する。ジェット機が滑走しはじめた。パパはどうする。ポルシェの車体が浮き上がりそうなスピードで、地上を離れかけたジェット機の脚を横殴り。車輪の脚をへし折り飛行機はつんのめって横転炎上。はじめから終わりまで、手放しでみてしまう最高のアクション映画です。娘に弱い最強のパパ像で、リーアムはすっかり女性ファンを囲い込みましたね。

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