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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2015年8月19日

特集 LGBTー映画にみるゲイ150
アイ・アム・キューブリック(2005年 ゲイ映画)

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監督 ブライアン・クック
出演 ジョン・マルコヴィッチ

実在したゲイの詐欺師

一言でいえばこの映画は「キューブリック詐欺」。主人公の詐欺師アラン・コンウェイをジョン・マルコヴィッチが演じます。ときは1990年代のロンドン。アランは映画監督スタンリー・キューブリックになりすまし、自分の映画にだしてやるともちかけては、俳優や歌手志望の青年を騙していた。女に手をださないのは彼がゲイだからだ。ところはバーの薄暗闇。スケッチブックを広げる青年の背後に近づくアラン・コンウェイ。しばらくたたずみ「なんというセンスだ。君はすばらしい感覚をしている」。若者はびっくりして振り向く。アランは男の顔もみず作品を凝視し、「すばらしい、わたしの映画には君のような才能が必要だ」。マルコヴィッチは低い、ささやくような声で独白する。それでなくてもマルコヴィッチは声美男である。ぞくぞくするような抑揚はミステリアスでさえある。卓抜した声の演出に「あなたは映画関係の方ですか」すでに若者は怪しい世界に引き込まれてしまった▼「…」アランは意味ありげにうなずくだけ。「お名前は」彼ゆっくりと「スタンリー」青年奥歯を噛みしめるように「スタンリー?」と繰り返す。もしやという期待で若者の目は熱を帯びてくる。そこで御託宣のごとく抑制の効いた声音で「キューブリック」「あ、あのキューブリック」「そう。もしほかにスタンリー・キューブリックがいなければね」とどこまでも偽キューブリックは落ち着き払って応答する。いうことがいちいちキザだがなんとでも取れる言い方をするので、受け取るほうは自分の期待に沿った解釈をしながら、どんどん会話ははずむ。詐欺師は自信満々「そうだ、ぼくのサブ・ディレクターに君のことを電話しておこう、おや、ブランデーがきれてしまった」とグラスをかざす。電光石火おかわりがくる。「脚本会議やキャスティング会議で今日は疲れてしまった。少し街を歩いて頭を冷やそうと思って出てきたのさ。君に会えるなんて幸運だ。明日はオーディションの立会でね。エリザベス・テイラーがぼくの映画に出たがっているものだから」ぬけしゃあしゃあと続ける▼アランは至る所でキューブリックを名乗り、感動した相手に酒や食事をおごらせ、買い物をし「アッそうだ、すまない。じつはカードを盗まれて困っていたのだ。20ポンドばかり現金を貸してくれないか。明日マネージャーに届けさせるから」「とんでもない、どうぞお使いください、お役に立てれば光栄です」「ありがとう。ここだ、止めてくれたまえ」鷹揚に偽物は言い、キューブリックの住居の玄関前で降りる。礼儀正しく車を見送り、家にははいらず横道にそれたちまち行方をくらます▼さてマルコヴィッチの後ろ姿であるが、微妙に腰をくねらせるところは蚕が立って歩いているみたい。大男ではない彼の体格がそのクネクネによく合うのだ。これがもしシュワちゃんみたいなマッスルマンなら、ボキボキという感じになろう。アランが普段着でアパートからゴミ出しやコインランドリーに出てくる風体は、いかにもくすんだ中年の親父。ご存知のようにマルコヴィッチは禿げ上がった白髪頭である。室内ではパンクというかキャンプというか、赤・青縞模様のド派手なパンツがボテボテのお腹からずり落ちそう、唇に薄い紅をさし、手首を回しながら酒を飲む。いい忘れたがアランはアル中である。夜な夜な街に現れキューブリックを名乗りタダ酒、タダ飯にありつく。しかし突っ込んだ専門知識があるわけではない。本物の映画ファンが「あなたのあの映画をみた、この映画をみた」と「スパルタカス」に始まり列挙し「社会派映画を撮らせたらあなたの右にでる監督はいない、とくに『ニュールンベルグ裁判』は」「あれは難しかった、じつに苦労したよ」…「おい、ニュールンベルグの監督はスペンサー・トレイシーだ。ウソをつくならもっとよく調べてからにしろ」雲をかすみとキューブリック氏は退散する▼にもかかわらず彼の詐欺は大胆不敵、リゾート地への招待を受け、ハリウッドのスタッフに連絡した、彼は何日にここへ来てくれと言っているとか、嘘八百がだんだん具体的になってきた。これが命取りですべてがチョンバレ、警察にしょっぴかれると精神異常を装い、巧みな演技で主治医を騙し、セレブご用達の高額医療施設に入院する。彼は逮捕を免れ釈放。自宅にもどり1998年12月心臓発作で死亡した。その三ヶ月後にキューブリックが後を追うように亡くなった。アランがまことしやかに「次作の構想は」と聞かれ「3001年宇宙の旅」を「ジョン・マルコヴィッチで考えている」には笑った▼ジョン・マルコヴィッチはグレン・ヘッドリーと結婚していました。グレンはイリノイ州シカゴに拠点をおく劇団、ステッペンウルフ・シアター・カンパニーでマルコヴィッチと知り合い結婚、6年を共に暮らしました。どちらも語学に堪能です。グレンですがIQ140。ハリウッドの「IQの高い俳優」で必ずあげられる人です。他ではジョディ・フォスター、ニコール・キッドマン、マドンナ、シャキーラ、ドルフ・ラングレンはMITで奨学金を得た秀才、クェンティン・タランティーノ、彼の片思いがやっと実ったと最近もっぱらの噂のユマ・サーマンは160という話です。

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