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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2015年8月27日

特集 LGBTー映画にみるゲイ158
ワイルド・サイド(1995年 ゲイ映画)

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監督 フランクリン・ブラウナー
出演 アン・ヘッシュ/クリストファー・ウォーケン/ジョアン・チェン

サクサクした小気味よさ

主要人物は4人、女がふたりに男がふたり、女同士がゲイで、狙うは1億6000万ドルの横取り。ヒロインのひとりアレックスは、昼は大手銀行のバンカー、夜はジョアンナと名乗る高級娼婦。彼女の上司は顧客のためならベッドを共にしろ、いうこときかないと貸しつけたローンをすぐ返せとセクハラもいいところ。アレックスは購入したお気に入りの新居を手放したくないばかりに夜のアルバイトに手を出す。美貌とセンスとアタマのよさで、あっというまにローンは半分に。ある夜の客が金融界の伝説「ミスター13%」と呼ばれる大物マネーロンダラー、ブルーノ(クリストファー・ウォーケン)だった。ブルーノはアレックスが為替にくわしいことに興味を持ち、運転手のトニーに様子をさぐらせ、彼女がバンカーだと知る▼「ミスター・グッドバーを探して」と「バウンド」を混ぜたような構成です。ブルーノの元妻ヴァージニア(ジョアン・チェン)が銀行に現れ、ブルーノの指示で口座を開く。初取引なのでこれはご挨拶代わりにと、ヴァージニアは37万ドルを預金する。ランチをいっしょにしたふたりはすっかり意気投合し、そのままアレックスの家へ。ブルーノはアレックスと組み、連邦政府準備銀行から1億6000万ドルをせしめる計画を打ち明ける。トニーの正体は覆面捜査官だが、アレックスを強姦しコールガールをやっていると銀行にばらす、バラされたくなければブルーノの情報を報告しろというバイオレンス男だ。大物を捕らえたいが、ついでにアレックスの体でいい目をしようという、どうしようもない男。アレックスは男への嫌悪を丸出しにするが、男は屁とも思わずなぶりものにする。トニーの吐き気を催す俗悪ぶりに比べるとブルーノは愛嬌がある。初めて客になってアレックスと会った夜、「その程度でおれが支配できると思うのか。のけ」とアレックスをはねのけるが、もともと男に興味のないアレックスは動じない。為替金利をぶつぶつ言っているブルーノに「あなたバンカー?」「いや、大物だとだけ言っておく」「ミスター大物。わたしセックス中毒なの。普通のセックスじゃ満足できないの」で、ミスター大物はどうなったか。ベッドに高手小手にしばりあげられ、サルグツワをかまされ、もがきまくるのだ。クリストファー・ウォーケンが悪党ではあるが卑しくみえない男を軽くこなしている▼アレックスとヴァージニアが初対面でマティニーを飲みながらかわす会話はこうだ。アレックス「恋愛って男のつくった妄想だと思うの。男がホルモンを分泌したいだけの」ヴァージニア「本当の愛は存在しないと?」「愛は知らないけどセックスなら教えてあげるわ。でも初めて会った人に失礼よね、こんな話」「かまわないわ。教えて」早速ふたりはアレックスの家へオープンカーで向かう。金髪を風になびかせるアレックスが「わたしのアタマの中はいまセックスでいっぱい」なんでもない会話だが、初めて気の合う相手をみつけたアレックスが、ローン返済の義務以外のセックスへの期待に、朗らかに笑っているシーンがここ▼アレックスにしたら「最初の夫は闘牛士で牛に睾丸を突かれてだめになり、壊疽を起こして死んだ」ヴァージニアが「ミスター大物」の情婦となった。ローンのために娼婦となった自分と似たり寄ったりである。さいわいセックスも相性がいいし、いっしょに「メキシコに逃げよう」と持ちかけるが、ヴァージニアは自分とブルーノをかけもちしたアレックスに腹をたてている。アレックスにしたらトニーのいうままに捜査のオトリになり、裏切られ(裏切るのに決まっている)刑務所入りなどゴメンである。ヴァージニアの口座にある37万ドルを引き出し上海に高飛び、靴工場を立ち上げふたりでやり直すのだと着々絵を描く。なぜ靴工場かというと、ヴァージニアの父親が中国からアメリカに来た靴職人だったからだ。ヴァージニアはやっぱりアレックスを追いかける。ふたりは飛行機で晴れて出国かというとそうではない。最後はクリストファー・オーケンの憎めない「ミスター大物」の出番で締めだ。アレックスたちはメキシコ行き長距離バスにいる。小品だがテキパキと小気味良く進行する。アレックスのアン・ヘッシュは父親と兄が死んで女所帯となった一家で、母親と妹たちを養うため女優を選んだという苦労人。陶磁のような肌がアンドロイドを思わせる美人だ。のち破局を迎えたもののバイを公表し、女優エレン・デジュネレスとの交際を宣言したときは多くの支持者の共感を集めた。

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