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特集「ベストコレクション」

2015年9月3日

特集「秋の夜長のベストコレクション」③シン・シティ 復讐の女神(2015年 群像劇映画)

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監督 ロバート・ロドリゲス
出演 ジェシカ・アルバ/エヴァ・グリーン/ミッキー・ローク

女はホントは悪女になりたい

主役級で3人のアウトサイダーの女たちがスタイリッシュだ。ひとりはタイトル「復讐の女神」になったナンシー(ジェシカ・アルバ)、ひとりは武装する娼婦軍団をたばねるゲイル、残るひとりが男を狂わす魔性の女エヴァ(エヴァ・グリーン)だ。そこへだ、なんとレディ・ガガが正体不明の謎のレストランのウェイトレスとなってワンシーン演じる。どこから見てもウェイトレスってガラじゃないのだけど、あのゲジゲジ眉とギョロ目だからな、何に化けたって見まちがえようがないわ。ほとんどカメオに近い数秒だから、よっぽど出演を面白がっていたにちがいない。いちいちあげないけど、出演陣は豪華ですよ。ブルース・ウィリスが愛するナンシーを見守る亡霊となって現れる。前作から9年、恋人というより愛する孫の世話をやくお祖父ちゃんのような、渋い風貌になった▼しかしながら、最も強烈な女はエヴァだわね。ロバート・ロドリゲス監督がいつもそうであるように、彼ワルの女にはむちゃくちゃ張り切るのね。エヴァとは「あの女は病気だ、君もだまされたか」と旦那はいい、彼女に棄てられた元恋人は「男は彼女の奴隷だ。魔性の男殺しだ。力を得るために、欲望のために、気晴らしのために男を破滅させる。豪邸に住む欲求不満のハゲタカだ」まあカッコいい、と思うのはロドリゲスだけじゃないわ、こんな女のどこかに女自身が憧れるものがある、思いません? 男だけが支持するヒーロー像で、いまの映画は集客できませんよ。西部劇の衰退は、男ばかりが強くて孤独で颯爽としているばかりに、(カッコつけるなよ、お前らの倍くらい、わたしらなんか、えらい目にあってきてンのよ)と、女があほらしくなってしまったからよ。ガーリーと昔のガーリー、並びに元祖ガーリーの不満と要求を満足させる中身でないと、映画館に観客の足を運ばせることは難しいわ。それはやたら女を暴れさせたらいいということではないの、女が心の底で感じてきた潜在的なうっぷんを、どこかで理解し、ガス抜きしてあげる工夫が要るってこと。ほんとに強くてやさしく、頭のいい男なら、努力しなくてもフツーにできることです▼この映画には男の英雄願望と女の悪女願望を、どっちも満足させる要素がテンコ盛り。おまけに酒場のシーンは1940年代、セピア色のスクリーンからは、ベティ・デイビスがふてくされながらタバコをふかして現れそうなノスタルジアがただよい、モノクロ画面に一部だけカラーな箇所は、エヴァの唇であったり、緑灰色の瞳であったり、ヘッドライトの黄色だったり、ほとばしった血痕だったりする。エヴァはいちいち悪事を計画したりなんかしない、ただひたすら、生まれながらの素朴な悪女なのだ。男は彼女に脳髄をひっかきまわされ支配されることに歓びを感じる。一瞬で男の欲望を見透かし、それを満たすための女に変身する。善良な夫には至上の妻、自信満々の男には傷つきやすい乙女、迷う男には命令する力強い女。昔の恋人を籠絡し夫を殺させたエヴァは男にささやく。「どんな気分? 相変わらず一度寝た女を信じるのね。あなたのおかげでわたしは大金持ち。わたしが狂っている? いかれているのはわたしを信じる男よ」…腹の中で(くそ、一度は言ってみたい)と思わぬ女がいるか▼エヴァのキャスティングはかなり難航し、アンジーやレイチェル・ワイズが候補にあがったが、最終的にエヴァ・グリーンに落ち着いた。本作の大きな成功要素だったと思う。ロドリゲスは「エヴァの瞳をみていると吸い込まれるようだ。才能があり、なにを頼んでもうまくこなしてしまう。映画界で長く活躍するだろう」とホメまくり。本作のエヴァ・グリーンは、こう書くのもナンだけど「ダーク・シャドウ」「300帝国の進撃」に続くヌード三部作完結編、といいたくなるほどスッパリと脱いでいます。満月を背景に両手を夜空にさしのべたフルヌードなんか、いっそ清々しい(笑)。それにジェシカ・アルバのストリップシーンも立派だったわ。9年は長い。なかなかああは保てないと思うよ▼いやいや男優陣もよかったですよ。代表としてこの人。ナンシーの守護神を自認する大男で怪力のマーヴ。美女と野獣ふうであるが、ナンシーが可愛くてたまらない。すべてを暴力で解決するシン・シティの怪物。彼が隠している男の純情をワイルドに表現します。

 

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