女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「美魔女」

2015年9月15日

特集「美魔女」シャロン・ストーン1悪魔のような女(1996年 犯罪映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ジェレマイア・S・チェチック
出演 シャロン・ストーン/イザベル・アジャーニ/キャシー・ベイツ

おみごとな3女優

シャロン・ストーンが大好きです。ラズベリー賞だとか、作品がワンパターンだとか、いい年をして脱いだとか、なんでそんなことばかり言うのだろう。みな事実だけどしょせん一面の事実にすぎないじゃないですか。彼女のいいところはほかにもっといっぱいある。演技は力強くパワフルで繊細だ。美人だと思うし、知性的で笑顔が無邪気ないい顔をしている。本作だってクルーゾー監督作品の二番煎じだとか…リメイクだから二番煎じに決まっているじゃないの。映画の良し悪しとか楽しさとかは、公開が先だったとか後だったとかの順番で決まるのかよ。バカじゃないの。映画ファンなら本作出演の主演女優3人をみただけで、胸騒ぎがするでしょう(笑)。オープニングから間もなく、校長のミア役のイザベル・アジャーニが持病の心臓発作を起こし風呂場で倒れる。夫のガイが、抱き起こすでもなく医者を呼ぶでもなく、冷たく見下ろしている。覗きが趣味で、この夜も窓越しに覗いていた男の子が「たいへんだ、校長先生が倒れた」と校舎を走り回って知らせる。ここは男子校全寮制寄宿舎だ。廊下を走る足音に、ヌッと首をつきだすのがニコールことシャロン・ストーンです▼この映画の好きなシーンはいくつかありますが、ここでタバコを加えているシャロンがそのひとつ。禁煙イズムのおかげでタバコをのむのがうまい女優が激減した。まして煙の吐きかたが絵になる女優なぞいまや絶滅危惧種である。さすがのメリル・ストリープもこのシーンだけは極力パスしている。ところが我らがシャロンは、わめきながら走る男の子の腕をムンズとつかみ「どこで!」と聞く。「風呂場です」「ハハン、覗いていたのね」そして駆けつけミアを抱き起こす。「わたし生きている?」と細い声のミアに「ここは天国で、わたしは聖母マリアよ」。シャロンが太く低いドスの効いた声でいうものだからサイコーだ。もひとつサイコーは、役柄とはいえ、イザベル・アジャーニが心臓の弱い佳人薄命的な女性を演じることだ。叩いても死なない女の代表みたいな彼女が…悪い冗談ではないのか。脱ぐ必要なんか全然ないのにあっさり脱いだシーンになって、あ、やっぱりイザベルだと思った▼もうひとつはキャシー・ベイツである。牛みたいな体をゆさゆささせて登場する。ガンを患い退職した元刑事シャーリーという設定だ。現在私立探偵である。犯罪の匂いをかぎつけてニコールにつきまとう。ニコールは最初ただのおばさんだと思って追い払おうとするが、あっというまに基本情報を入手したシャーリーの仕事の早さに、ただならぬ相手だと知る。本作の6年前、キャシーは「ミザリー」ですでにアカデミー主演女優賞を受賞していた。余裕の出演である。この映画に女刑事がはたして必要な存在なのかどうかは疑問であるとしても、キャシーが現れたとたん空気が引き締まるのは確かだ。であるから、本作に限っていえばリメイクであることはほとんど用をなさないのだ。リメイクであってもなくても、この女優たちは、大いに勝手な映画に作り替えてしまったのではないかと思える▼学校はミアが父親から譲り受けた財産で、彼女の名義である。夫のガイはケチで、育ち盛り、食べ盛りの男の子たちの食費を削り、まずい栄養のない食事しか作らせない。おまけにDV男である。ニコールは彼の愛人だが、男がすぐ暴力をふるうのであざをかくすサングラスを外せない(シャロンが殴られっぱなし? ちょっと笑いますけどね)。ニコールは「あんなやつ。殺さなきゃ自由になれないわ」とミアと殺害計画を練り、実行する。ミアとニコールが恋人同士だという設定でもある。これにも笑っちゃうのですけど…どうやったらこのふたりがラブシーンやるのだろう、そう思っていたらやっぱり、頬にキスするとか、ハグするとかのシーンはあるけど、本格的なその場面はなし。これ、映画には全然関係ないことだけど、イザベル・アジャーニって気安く好きになれる女性ではない雰囲気があるのよね。魔物に欲情する女「ポゼッション」とか、自ら狂気にはまりこむ「アデルの恋の物語」とか、殺戮と淫蕩の系譜「王妃マルゴ」とか、怖気をふるう役を得意とする。彼女に比べたらシャロンなんか、まだ可愛いものよ▼ミアとニコールは恋人同士であるにもかかわらず、ニコールはミアを裏切り、ガイと結託してミアを心臓発作で殺すことにする。殺したはずの夫が生き返ったショックでミアはほんとに倒れるが、翻意したニコールに救われる。ミアは死にかけるたびになぜか息を吹き返すのです。ラストは、ミアとニコールがガイを殺すためプールでド迫力の大乱闘となります。この映画でいちばんの嫌われ者だったガイはめでたく殺されるのですが、飄然と現れたシャーリー刑事が正当防衛の口実作りに一発ミアをぶん殴るとか、かなり都合のいい構成はあるのですが、ほじくっても意味ないという気になるのは、三人が三人とも、存在感が決まっていて、余計な口をはさませないからでしょう、ムム。

Pocket
LINEで送る