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特集「美魔女」

2015年9月19日

特集「美魔女」シャロン・ストーン5カジノ(1995年 事実に基づく映画)

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監督 マーティン・スコセッシ
出演 ロバート・デ・ニーロ/シャロン・ストーン/ジョー・ペシ/ジェームズ・ウッズ

見捨てられる女を好演

「愛することは信用することだ。そういう愛を見つけたと思っていた」という、サム(ロバート・デ・ニーロ)の独白で始まる。ん? この映画はラブストーリーか。そういえなくもないです。サムはシカゴで「ギャンブルの神様」と呼ばれる賭博師。彼の読みははずれることがない。15のときからバクチを始め負け知らず。ツキなどはいっさい当てにしない。情報収集が徹底していて、「選手がクスリをやっている」とか、「女を妊娠させた」とか、試合の日の風速まで調べる。バスケの場合だと、床の木材によるボールの弾み方の違いまで、とことんしらべあげた。ギャングの親分たちはサムの助言で大儲けだ。彼らを稼がせることは一種の保険だ。ギャンブルの腕を見込まれ、サムはベガス一のカジノ「タジマハール」を任されることになった▼サムは仕事熱心だ。店を儲けさせること、イカサマを見破ること、客に舐めたまねをさせないこと、業界の大物は徹底的におだてあげ金を使わせること。マネーマシーンに徹したサムのマネジメントに親分衆はご機嫌がいい。ある日サムは女ハスラー、ジンジャー(シャロン・ストーン)をカジノで見かける。彼女を知らない者はなかった。大胆な勝負にでるジンジャーにサムは惚れ込む。彼女はカモを2~3日有頂天にさせ、身ぐるみ剥ぎ取ってポイ。しかし仁義は知っていた。ボーイ、クローク係、ドアマン、駐車場の配車係に惜しみなくチップをつかませる。特に駐車係は大事だった。駐車係、警備員、警察と線はつながり、ひいては彼女の仕事の安泰につながった。彼女には恋人がいた。レスター(ジェームズ・ウッズ)という高校生時代の同級生で、現在の仕事はポン引き。なぜ「彼女のような凄腕があんなウジ虫野郎に惚れたのか。たぶん自分が面倒みてやらなければと思ったのだろう」とサム▼ニッキー(ジョー・ペシ)はサムと同郷のともだちで、ベガスに出てきてサムの用心棒をしている。サムにたてつき、指一本でもふれたらニッキーが半殺しにする。サムの隆盛はとどまるところを知らず、実質上のボスとして「タンジール」に君臨した。そのサムが言うには「石橋を叩いてわたるおれが、とんでもない賭けに出た。ジンジャーと結婚した」のだ。「あなたと会って2、3ヶ月よ。あなたはいい人だけど、その気になれない。許して」とジンジャーは断る。サムは「お互いを尊重し思いやれば愛は生まれる」と説得した。サムはレスターとの関係も知っていたが「過去は過去。あのポン引きとは縁を切れ。おれの女房になるのだから、約束だぞ」。ジンジャーは頷く。このあたりまではマトモだったのですけどね。サムは「現金100万ドルのジンジャー名義の預金通帳、チンチラの毛皮のコート、宝石箱」をプレゼントする。加えて「200万ドルの夫婦共有の口座」も用意し、彼女がサインしたら引き出すように銀行に指示する。サムはしかしこうも言う。「よく聞け。金も宝石も信頼に比べりゃ屁だ。命を預け合うのが夫婦だ」。ジンジャーの美貌は男たちの注目のまとで「おれは鼻が高かった。彼女がいちばん愛を注いだのは、しかしコレ(宝石)だ」▼サムは仕事に厳しい男だ。ダンサーは週に一度体重を測定し3.5キロ以上太っていたらクビ。オール7が3回以上連続で出た機械を、なにも調べなかったマネージャーに「イカサマに決まっている。お前もグルだ」とクビ。ジンジャーとのあいだに娘が生まれた。サムは娘を溺愛する。ジンジャーが、子守が来ないので娘をベッドにしばって外出したとわかり激怒する。サムは述懐する。「金と家庭と子供を与えれば女は満足すると思っていた。ジンジャーのシラフは午前11時から午後1時の2時間。金を与えたら1ヶ月で使い果たして戻ってくる」。ジンジャーの放蕩ぶりになんの説明も言い訳もないのがいい。ジンジャーはレスターのもとに走る。「女房がゴキブリといっしょにいる」。サムは自家用機を飛ばしジンジャーを迎えにやる。ジンジャーは娘といっしょに戻ってきたが、サムは腹の虫がおさまらない。「オレと娘を苦しめておいて許せ、だと。どこまで恩着せがましい女だ。その目付きはなんだ、涙か、ふん、芝居がうまい」▼夫婦喧嘩のシーンがかなり多い映画です。どっちもが引き下がらない。「自分のことは棚にあげてわたしを責めるのね。戻ってきたのに。レスターを殺したい。本気よ」「面白い、早く殺せ。出て行け、お前なんか」「お金をちょうだい、一文無しで出ていけないわ」「お前が裏切ったのだ」」犬みたいに扱われてだれが愛せるの」「お前は犬以下だ」サムはカバンに札束を詰めジンジャーを追い出す。ふてくされて出て行ったジンジャーはすぐ戻ってくる。サムの独白。「不思議と別れたくなかった。おれの娘の母親だ。だが金はやらなかった。金をやったらまた出て行って。もう戻らない」。サムはサムで、ジンジャーという女がよくわかっていた。ジンジャーはニッキーとできてしまう。「この世界には掟がある。商売に響くから仲間の女房は寝とるな」。敵味方の見境なく過激な行動にでるニッキーは、親分衆のお荷物となっていた。彼もジンジャーも「ベガスの毒」に染まったのだ。ジンジャーはサムを殺してくれとニッキーに頼む。ニッキーはジンジャーを叩き出し「あんな女に手をだしたおれがバカだった。まずいことになった」。ジンジャーは見捨てられ、ポン引き、ジャンキー、バイカーなどがむらがって金と宝石を剥ぎ取り、ある日死体で発見された。サムは解剖を頼んだ。オーバードースだった▼サムは車を爆破させられるが「素人の仕業だった。爆弾は助手席に仕掛けられ、運転席には最初から厚い鉄板を敷いてあった」ために命拾いをする。ニッキーも逃げきれなかった。みせしめとして故郷シカゴで追手に撲殺された。タジマハールは警察の手入れを受け閉店後爆破された。ロバート・デ・ニーロ、ジョージ・ペシ、いやらしいポン引きが絶品だったジェームズ・ウッズらとの共演は刺激的だったにちがいありません。シャロンは37歳。ずるくて浅はかで性格が強く、それゆえ何度失敗してもまた同じことをやる、生まれながらの「どうしようもない女」を、影をにじませながら好演しました。

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