女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「美魔女」

2015年9月24日

特集「美魔女」 エヴァ・グリーン1 ダーク・シャドウ(2012年 ファンタジー映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ティム・バートン
出演 ジョニー・デップ/エヴァ・グリーン/ミシェル・ファイファー/クロエ・グレース・モレッツ/ヘレナ・ボナム=カーター

とびきりのエヴァ

ジョニー・デップ、ティム・バートン、ヘレナ・ボナム・カーターのトリオがいるにもかかわらず、あるいはミシェル・ファイファー姐さんやイキのいいクロエ・グレース・モレッツがいるにもかかわらず、これはだれの映画かと言われたら、どうにもこうにもエヴァ・グリーンですね。あとはみんなかすんじゃって、さすがのティム・バートンも盟友ジョニー・デップと続編を作る気にはならなかったみたい。作ろうとしたとしても「エヴァ出しちゃだめよ」なんて奥さん(ヘレナ・ボナム=カーター)は釘をさしたでしょうね。CG使いまくりの絵本みたいな画面は相変わらずだし、ジョニデが終始能面メイクであきあきするほど登場するのも珍しくはない。それらが本作をつまらなくしているのではなく、ジョニデの主人公バーナバス・コリンズがまったくショボイのだ▼バーナバスをひたすら思う召使の娘アンジェリーク(エヴァ・グリーン)は、身分ちがいの恋ゆえ、弄ばれて棄てられる。怨みをつのらせたアンジェリークはバーナバスの恋人を崖から身投げさせ、男を吸血鬼に変えたうえ、鉄の棺桶に閉じ込め200年にわたって彼の一族を衰退においやる。1972年の現代、バーナバスは建築工事によって掘り返された地面から蘇り、コリンズ家にもどり、家長であるエリザベスからコリンズ家の繁栄は過去のものとなり、広大な屋敷は廃墟同然、エリザベスと娘のキャロリン(クロエ・グレース・モレッツ)、エリザベスの弟ロジャーと息子デヴィッドと使用人あわせて7人がすむだけ。荒廃のかぎりと尽くしていた。デヴィッドは母親が死んでから心の病気となり、精神科医のジュリア・ホフマン博士が住み込みで診ている。キャロリンは品行不公正、ロジャーは仕事を持たず息子も可愛がらない遊び人、エリザベスを補佐すべき人物はひとりもいないところへ、コリンズ家創業主の直系であるバーナバスが生き返ったものだから、バーナバスは稼業(水産業加工、つまり缶詰屋)復活に資産を融通する、エリザベスはバーナバスが吸血鬼であることを秘密にする、ということで手を結んだ▼正体不明の若い女性ヴィクトリアが家庭教師としてコリンズ家にやってくるが、彼女は200年前、魔女に殺されたバーナバスの恋人ジョゼットの末裔である。バーナバスは秘密の地下室に埋蔵した金銀財宝によって資力をふるい、あっというまに地元の漁業加工業を独占している競争相手の鼻をあかす。ところがその会社こそ魔女アンジェリークの傘下にあった。バーナバス復活を知った、アンジェリークの愛と憎しみが再び燃えあがる。監督は完全にジョニデよりですから、多少バカくさい筋書きになっても目をつぶるつもりだったかもしれないけど、200年に及ぶ怨念の源を作ったのは金持ちの坊っちゃんが召使の少女を弄んで棄て、怨みを買ったってことでしょ。恋人を殺され200年も閉じ込められ、醜い化け物に変えられたなんて、誰に向かって言えたセリフなのよ。おまけに工事現場の十数人の作業員や、ヒッピーの若者たちの生き血を吸っておいて、魔女が「魔王の妾、サタンの娼婦」であるとなじれる義理でしょうか。そのいっぽうでテレビに向かい「これはいかなる妖術か。出てこい、小人よ」200年もたっているから現代のことをなにも知らん吸血鬼なのです(笑)▼ヴィクトリアはバーナバスの現代教育のためヒット映画の「ある愛の詩」などをビデオでみせてやる。彼女の親切に胸をうたれたバーナバスはキャロルに「ヴィクトリアは、身持ちは固いのか」と聞く。身持ち? 意味がわからぬキャロルは「ロック派のふりをしているけど、カーペンターが好きね」と答える。「彼女の趣味は大工ということか」「ば~か。ミュージシャンだよ。おかしなロンドンふうのカッコやめて、普通の人とつきあいな」。珍問答を繰り広げながらついにアンジェリークと再会。「よくもわたしをふみにじったわね」「おまえこそ淫乱だったのだ」とお決まりのなすりあいの結果、なにしろ魔女とヴァンパイですからやることがすごい、壁をかけあがり天井に背中をくっつけたまま瞬間移動、家中を嵐に巻き込み、窓という窓のガラスは木っ端微塵、家具は吹っ飛びテーブルは倒れ、天井を突き破る。終わった跡の惨状に「いささか不本意な展開であった」とは。バーナバスはアンジェリークに迫られほだされ、丸め込まれたと思うと我に返って女に罵詈雑言を浴びせるなど、まったくいい加減なやつ(笑)。アンジェリークの憎しみは愛と同じ源から発していますから、男を所有するか殺すか、中間はない。それにくらべバーナバスは「人を殺したのはお前のせいだ」とか「災いはすべてお前だ」とか愚痴っぽい。アンジェリークは鼻で笑い「心血を注いで建てた家なら、再び血で満たしてやろう」と渾身の魔力を発揮、額にある肖像画という肖像画から血が吹き出て張り裂けます。破壊力が段違いです▼最後はアンジェリークが心臓をとりだしてバーナバスに差し出す。どういうこと? あなたに差し上げます、これで魔術は溶けてヴァンパイアから人間に戻れますってことか。つまらん。アンジェリークが肝心なところで弱気にならなければ、新しい展開があったのに(笑)。水産工場は爆発し炎上する屋敷をみて「これからどうなるの」とキャロルがつぶやくと「今までと同じよ。生き延びるのよ」とエリザベスが答える。バーナバスと魔女は相打ちで、焼け出された子孫はサバイバルが続くってこと? な~んだ。

Pocket
LINEで送る