女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss
  • ブックマーク

特集「B級映画に愛をこめて」

2015年10月28日

特集「B級映画に愛をこめて2」?
ハッピーフィート(2006年 ファンタジー映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ジョージ・ミラー

出演(声) イライジャ・ウッド/ニコール・キッドマン/ヒュー・ジャックマン/ロビン・ウィリアムズ

無敵のタップ 

制作費1億ドル(10億円)のアニメが「007カジノ・ロワイヤル」を抑え、興収3億8000万ドルを稼いだペンギンの映画。ジョージ・ミラー監督は大ヒットの勢いを得て、長らく宙ぶらりんになっていた「マッドマックス」シリーズの「4」にかかった、しかも「4」「5」「6」三部作になる計画というから、ペンギン恐るべし。声にニコール・キッドマンが出演しています。ミラー監督とキッドマンは因縁浅からぬお付き合いです。キッドマンがまだトム・クルーズと結婚する前の映画だから、約四半世紀昔のこと「デッド・カーム/戦慄の航海」(ミラーは製作)という映画で、キッドマンが最後に男を殺す女を演じたところ、トムの目に止まりハリウッド入りした。続いてミラー監督で「囚われの女」。これがまた旅先で麻薬密輸に利用された女の脱出劇というアクション。さらに同監督で「ニコール・キッドマンの恋愛天国」を撮っています▼ミラー監督は「ベイブ」の脚本も書き編集もやるという、もともと動物ものが好きなのです。でも彼をしてさえどうにもならないことがあった。当初「ベイブ」同様、監督は実写を意図しました。厚い壁になってたちはだかったのがほかならぬペンギン。本作の主人公、皇帝ペンギンのマンブル(イライジャ・ウッド)は歌が音痴でタップダンスが大得意というキャラです。ミラー監督やアニマル・ディレクターの努力にもかかわらず、ペンギンにタップを教えることは不可能とわかり、アニメに変更。タップの神様セビアン・グローバ(2003年に日本公演)がマンブルのモーション・アクターをつとめました▼CGの高度な技術はいうまでもないのですけどね、あんまり緻密すぎて、ペンギンが「けーっ」と鳴きながら口を開けたときの、真っ赤な舌が微妙にめくれるのは気色悪いほどリアルです。みごとな技術ではあるものの、ドアップの真正面の顔など…だいたいペンギンの頭部はもちろん、顔そのものを間近でつくづく見た人間が地球上に何人いるでしょう。それを初めてみたときはCGとはいえ、鳥のご先祖は恐竜であるという進化の一説を思い出すのに充分でした。キッドマン扮するママ・ペンギンの名前がノーマ・ジーン(笑)。そう、マリリン・モンローの本名です。パパ・ペンギン(ヒュー・ジャックマン)が、エサをお腹にいっぱい詰めて帰ってくるママを待っています。南極の氷の上はメスの帰りを待つオスと子供で立錐の余地もない。ぞくぞくと到着したメスたちが氷の上で鳴き交わす。卵から孵ったばかりのマンブルが「パパ、こんなにたくさん仲間がいてママの声がわかるの」パパは「わかるとも。ママの声は世界一セクシーだよ」そのせいかどうか、キッドマンは終始低い声でささやくように話しています(笑)▼この映画の着地点をいうと動物と環境保護です。マンブルはペンギンの食糧である魚の量が年々減っていく原因が、ペンギンの教祖ラブレイス(ロビン・ウィリアムズ)=この名前もおもしろいですね、ラブレイスとは幻のポルノ女優、アマンダ・セイフライド主演で映画化されました)=によれば「禁断の海岸」にあることがわかり、マンブルは大冒険の結果、友だちになったラテン系の陽気なアデリーペンギン5人組と海岸に到着、そこにあるのは巨大なコンビナートでした。そこにいるエイリアン(人間)と話しあい、ペンギンの漁場を守らねばならぬ。マンブルは船に乗ったエイリアンを追跡します力尽き意識を失い、気がついたところはガラスの壁に天井、エサを捕る漁もしなくていいかわり、刺激も変化もなく、マンブルは他のペンギン同様無気力になっていきます。ある日女の子がペンギンを囲っているガラス窓をコンコンと叩いたとき、眠っていたマンブルのタップがよみがえる。タタタ、タタタ。無意識にリズムに合わせ踊り始めたマンブルに、エイリアンたちが集まってきた▼ここからマンブルの第二の冒険です。正気にもどったマンブルは、エイリアンの機械(人間がマンブルの背中に装着した位置確認装置)をつけてペンギン帝国に帰ってきます。パパは認知症でママはその介護、恋人は別のペンギンと世帯を持っていたという厳しい現実に直面しますが、ママや復活した5人の友だちが味方となり、マンブルは先頭に立ってエイリアン、つまり人間へのメッセージとしてタップを踏みます。氷を埋め尽くした皇帝ペンギンがそろってタタタ、タタタと踊り始める。南極の異変を知った人間は、ペンギンのタップの原因を追求し、自分たちが魚を取り過ぎてペンギンたちが餓えかけているための変異だと悟るという、79回アカデミー長編アニメ映画賞受賞作品。

Pocket
LINEで送る