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特集「春が来た、3月のベストコレクション」

2018年3月17日

特集「春が来た、3月のベストコレクション」⑰
メッセージ(2017年 SF映画)

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ

出演 エイミー・アダムス/ジェレミー・レナー

シネマ365日 No.2421

宇宙からの伝言

原作はテッド・チャンの「あなたの人生の物語」です。原作者によれば、言いたかったことは「自分の子が必ず死ぬとわかっていてもその子をつくるか、失うとわかっていても愛を選ぶか」だと言っています。言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)には、娘がいないにもかかわらず娘の記憶がよみがえる。夫とは別れ、娘は20歳前後で不治の病気により死ぬ。それらの過去が生々しく、実際にあったかのように具体的な映像を伴って浮かんでくる。ある日未確認物体が宇宙から飛来し、何の目的で地球に来たか、彼らの言語を解明するためにルーズが選ばれる。彼女は物理学者イアン(ジェレミー・レナー)と共同で調査にあたります。物体は高さ450メートル、地上数10メートルの空中に浮かんだままほぼ一ヶ月停止したまま。世界12カ国で同じ物体が確認され、各国政府はコミュニケーションを取ろうとするが手がかりがない宇宙船の中にいる2体の地球外生命体を「ヘプタポッド」と呼ぶことにし、彼らは墨のような噴射物で仕切りになっているガラス壁に円を描く。円を縁取る微妙なギザギザのパターンを読み解いたルイーズとイアンは、彼らの目的が「3000年後に人類の助けがいる。だから先に贈り物を届ける」ことだと判明した。しかし各国は中国を先鋒として、軍事力で物体を追い払おうと決め爆破することに決めた。ルイーズは彼らの意図にはもっと複雑な目的があると直感し、対話を求め単身宇宙船に乗り込む。「ルイーズには武器がある。武器を使え」と宇宙人。「武器とは?」「言語だ」彼らは自分たちの言葉を教えるために飛来し、それによって人類は、彼らと同じ感覚で「時」を理解できるようになる、彼らにとって時間は流れるものではなく、「過去・現在・未来」は同じ円の中に存在する。だから盛んに「円」を描いたわけね。ルイーズはハッと思い当たる。夢だと思っていたフラッシュバックは、過去の記憶ではなく、彼女がこれから遭遇する未来だったのだ▼以上のことはDVD特典の原作者や監督のインタビューで語られているのですけど、非常にハイレベルなもので、思い切り簡単にまとめると以上のようなことなのです。大雑把な頭にもわかるように言って欲しいわ。未来が読めたルイーズは、宇宙戦争を回避するために中国のシェン上将にコンタクトをとります。彼は妻の最期の言葉を言ったルイーズを信頼し、武装解除を各国に通達する。これアメリカ映画でしょ。力関係が如実ね。世界のキーワードを握っているのは中国、ロシア、中近東、南米。日本の影もでてこなかったわ。思い出してみてよ、「ダイ・ハード」なんかがどうだったか▼ルイーズに起こる未来をいうと「イアンと結婚する、国際会議のパーティでシェン上将から感謝の言葉を受ける、ハナを産む、遠からず来るハナの死を夫に伝えたために亀裂が生じ別れる、ハナ死亡、ルイーズ解明した『ヘプタポッドの言語』を刊行、ハナに捧げる」。ルイーズは未来がわかっていてイアンと一緒になることを選びます。彼女は言う「その時、その時を精一杯大切にするわ」いい言葉ね。ルイーズだけに限らない「絶対死ぬとわかっていて、生老病死が常なる人間よ、一瞬、一瞬を大切にして精一杯生きろ」という宇宙からのメッセージなのね。