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特集「夏こそベストコレクション」

2018年7月25日

特集「夏こそベストコレクション」②
シェイプ・オブ・ウォーター(下)(2018年 ファンタジー映画)

監督 ギレルモ・デル・トロ

出演 サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/オクタヴィア・スペンサー/リチャード・ジェンキンス

シネマ365日 No.2551

あなたの愛が見える

夏こそベストコレクション

本作の脇役陣の充実ぶりはどうでしょう。まずマイケル・シャノンの冷酷なサドぶり。イライザに欲望を抱く彼は、わざとコップを落として床を水浸しにし「イライザに掃除させろ」と命じる。入ってきたイライザに「君は美人でもないのに頭から離れない。首の傷も話せないことも平気だ。私好みだ。君の燃えるのだよ。喘ぎ声が聞きたい」イライザが(くたばれ)と手話する。「なんだ、どういう意味だ」。イライラするストリックランド。(クソ野郎)と加える。掴みかかろうとする男を遮り「ありがとうと言っているんです」とゼルダが外に連れ出す。生体解剖は明日に迫った。イライザはジャイルズに助けを頼む。「何をするつもりだ」尻込みするジャイルズに「私は運命に導かれて彼に出会った。彼が私を見る目でわかる。声が出ない私を、彼はありのままに見る。幸せそうに私を見る。今の私にできることを二つ。彼を救うか死なせるか。もし死なせるのなら、私たちは人間じゃない」ジャイルズ「僕の話し相手は君だけだ。手伝わせてくれ」▼ゼルダは半魚人を搬出口から運び出すイライザの計画に動転する。「正気なの、イライザ、ダメよ。私たち地獄で焼かれるわ」(ゼルダ、押して!)ゼルダ、ヤケクソで加勢する。イライザは半魚人をアパートのバスタブに隠し、雨の日の水位が上がった日に運河へ逃がすと決める。博士は半魚人の脱出計画を知りながらイライザに言う「水槽に塩を混ぜてやれ。たんぱく質の補給も。君はずっと一人か。僕たちは今の時代に合っていないのだな」(いい人ね、博士って)そうイライザは伝える。イライザと半魚人の心の伝達は細やかになっていく。「あなた。そして私。一緒」。ある夜イライザは着衣を脱ぎ捨てバスタブに入る。翌日「なに笑ってるの、イライザ、気味悪い」とゼルダ。「…ウソでしょ! どうやって? 方法は? 彼には付いているの? まあ男って油断できない。一見ついていなくても!」。半魚人が手を触れたジャイルズの頭には髪が生え、腕の引っかき傷は跡形もなく消えた。半魚人は驚異的な治癒力によって原住民から神と見なされていた。半魚人を捕まえられないストリックランドは上司からクズ呼ばわりされ、発見できないときは死の最後通牒を突きつけられる。博士はロシア人に射殺された。雨が降った。運河まで来たイライザと半魚人は、ストリックランドに銃撃され倒れた。ジャイルズが反撃する。ゼルダが駆けつける。半魚人がストリックランドの首を掻き切った。彼は銃創をふさぎイライザを抱いたまま運河に飛び込んだ。ポスターやジャケ写にあるファンタジーなシーンをバックにジャイルズの独白。「彼女について何が知りたい? 二人は幸せに暮らした、私はそう信じている。愛は続いたかって? それは確かだ。イライザのことを思い出すとき、何百年も前に作られた愛の詩が浮かぶ…あなたの姿がなくても気配で感じる。あなたの愛が見える。愛に包まれて私の心はやさしくただよう…」何百年も前の詩でしょうか。この映画そのものが、トロ監督の現代のマイノリティへの愛の一編ではないですか?

 

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