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特集「B級映画に愛をこめて」

2018年8月22日

特集「B級映画に愛を込めて9」⑦
コール(2003年 サスペンス映画)

監督 ルイス・マンドーキ

出演 シャーリーズ・セロン/スチュアート・タウンゼント/ケヴィン・ベーコン/コートニー・ラブ

シネマ365日 No.2579

隠し場所はお尻の割れ目 

B級映画

 主演のシャーリーズ・セロンや、本作の共演がきっかけで、彼女と9年間の実質結婚生活を送ったスチュアート・タウンゼントもさることながら、ケヴィン・ベーコン、コートニー・ラブが脇を固めました。それにプルイット・テイラー・ヴィンス。「エンゼル・ハート」「ミシシッピー・バーニング」「K-9/友情に輝く星」など、あげたらきりがないピカイチの脇役男子。ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「海の上のピアニスト」では、主人公を見送る哀切のトランペッターを好演しました。少女の誘拐をめぐってドラマが進行します▼医師の夫ウィル(スチュアート・タウンゼント)と妻カレン(シャーリーズ・セロン)、その娘アビー(ダコタ・ファニング)、誘拐犯ジョー(ケヴィン・ベーコン)と妻シェリル(コートニー・ラブ)、ジョーの従兄で事件の共犯者マーヴィン(プルイット・テイラー・ヴィンス)。夫が出張中、いきなり押し入ってきたジョーという男が、仲間が娘を誘拐したという。30分ごとに連絡を取り続け、1分でも遅れたら娘を殺すと脅される。アビーは山小屋に、ウィルはホテルの一室に監禁される。目的は身代金だが、後半「金じゃない」とジョーが言い出し、ウィルの過失によって娘は死んだと思い込んでいる、ということがわかってきます。カレンは、娘は喘息で薬を飲まさなければ死ぬとパニックに陥る。ジョーたちは娘を死なせるのは不本意らしく、母娘を会わせ薬の処置をしてからまた別々に隔離する。出張先で講演をすませたウィルは妖艶なシェリルが部屋に押し入って誘惑するが乗ってこない。逆に隙を見て筋肉弛緩剤を打ち、形勢逆転する。カレンはバスルームにあったメスを、お尻の割れ目に隠しもって、隙を見てジョーの大事な部分を傷つける。ジョーは男性自身が(切り落とされたわけじゃないけど)役に立たなくなる恐怖で一気に戦意喪失▼まあ面白いのは、セロンが怖がって怯えているところくらいまでで、反攻に出てからは先が読めてしまう。シェリルもウィルになびき、どっちの味方か分からなくなる。最後までワルを張るケヴィン・ベーコンがお話を引っ張っていきます。何をするかわからない気色の悪い男をやらせたら絶品です。娘を誘拐して山小屋に閉じこもっているマーヴィンも、この人の持ち味がそうだから仕方ないのですが、とても誘拐するような悪人に見えない。悪役三人のチームワークが乱れ、最後はパパが怒涛の反撃。操縦するセスナで地上を滑空、タンクローリーに衝突して道路は炎上という無茶苦茶をやり、どさくさにまぎれ、ママと娘は救出されるとくれば、B級映画の王道といえます。麻酔医であるパパが処置をミスした、というのですがそのあたりは唐突でして、コートニー・ラブは、報われることなく死んだ「バロウズの妻」や、今は亡きミアロ・フォアマン監督の「ラリー・フリント」のような精彩がありません。彼女こそ、その気になればセロンも真っ青な重厚な女がやれるのに、本作はおとなしすぎたわね。なんだ、かんだみなケチをつけて最後に残ったキャストはダコタ・ファニング。泣く子と地頭には勝てぬ、を地でいっています。