女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「B級映画に愛をこめて」

2018年8月24日

特集「B級映画に愛を込めて9」⑨
ウォッチメン(2009年 アクション映画)

監督 ザック・スナイダー

出演 ジャッキー・アール・ヘイリー/マシュー・グッド

シネマ365日 No.2581

エイドリアンがいいわ 

B級映画に愛を込めて

 ザック・スナイダー監督のファンです。「ガフールの伝説」「エンジェル・ウォーズ」「マン・オブ・スティール」「300<スリーハンドレッド>帝国の進撃」「スーサイド・スクワット」「ワンダーウーマン」みな見たけど、本作には参ったわね。テーマの縦糸がヴェトナム戦争に、ニクソンに東西冷戦、まあスケールの大きいこと。今回は1930年代、アメリカ各地で犯罪者を相手に独特のマスクとコスチュームで戦うヒーローたちが出没し「ミニッツメン」と呼ばれた。本作のヒーローたちはその第二世代だ。メンバーの一人コメディアンが殺された。仲間だったロールシャッハ(ジャッキー・アール・ヘイリー)が語り手となって物語が進みます▼何者かが「ヒーロー狩り」として俺たちを殺している、と彼は推量する。コメディアンはドクター・マンハッタンと共にヴェトナム戦争を終結させたヒーローだ。マンハッタンは天才的な物理学者だが実験中、体の組織が異変を起こし、スーパーマンになってしまった。感じやすい青年で、自分の体から発する物質が元恋人らにガンを発生させ、死に至らしめていると思い、すっかり世をはかなんで火星に逃避、地球のあらゆるトラブルには関わりたくないと隠とんする。何しろ160分の長尺を、監督はよくまあ映画にまとめたものね。好きなのね、コミック原作が。結論を言うと「ヒーロー狩り」はウォッチメンの一人、エイドリアン(マシュー・グッド)が黒幕だった。彼は自分が「ウォッチメン」の一人だと正体を公表し、自伝やらフィギュアやらビジネス路線を開発して今や億万長者。しかし金儲けが目的ではない、南極にピラミッド型の巨大研究施設を建設し、東西冷戦はエネルギーの争奪だから、タダのフリーエネルギーを供給できれば争いは無くなる、というわけでそれを開発、成功させる▼私、意味もなく人を殺すコメディアンとか、青い素っ裸の肉体で出没し、火星に逃避し、寂しいから恋人のロニーをワープさせて呼ぶなど、軟弱なマンハッタン博士とか、親の資産で地下に立派なハイテク工場口をこしらえ、フクロウみたいな目玉をつけた高速の乗り物で神出鬼没するダニエルとか、そんな彼らより平和のためには犠牲がつきもの、裏切りもすれば芝居も打つ、反対者は消すというエイドリアンが割と好きなのよ。演じるのがマシュー・グッドのせいもあるけどね。彼が「東西冷戦は終結した。世界に平和をもたらす目的は達した」と冷たい微笑でつぶやくポーズは絵になるわよ。引き換えジャッキー・アール・ヘイリーは損ね。いつも覆面していて、光線の当たり具合で顔面にシミが移動する。彼は2年後「エルム街の悪夢」でひどい火傷を負った殺人鬼を演じます。細面のいい男なのに、なんでこんな「ヒーロー」に扮したのよ。ロールシャッハはでも悲劇の人物です。フクロウに乗って南極に飛んできたダニエルとローリー、マンハッタン博士もフリチンのまま火星からやってきた。生き残ったウォッチメンが一堂に会した。エイドリアンは真相を告げ、二大国の敵対関係が消滅したゆえ、裏で画策した陰謀は公表しないほうが世界安定のための選択だと意見一致する。でもロールシャッハは反対、どんなことであっても社会と大衆は真実を知る権利があると主張し妥協しない。どうしても反対するなら死んでもらうしかないとエイドリアン。ロールシャッハはマンハッタン博士によって最期をとげる。マンハッタン博士は気落ちして「どこかの銀河系で暮らす」と「地球よ、さらば」すぐどっかに行く人ね。やがて人類の新統合がなる。ダニエルとローリーは再建中のニューヨークで新生活を始める。ところが、ロールシャッハが南極出発前に投函した「手記」が、ある新聞社の若い記者によって報道されようとしていた…。思い切りショートカットしたけど、粗筋だけでもしんどいわ。